CIVILIAN(ex.Lyu:Lyu)が大好きだという話︰新アルバム「灯命」について
こんにちは。
暑い。
助けてください。コバヤシユウキです。
本題に入りますが、CIVILIAN(ex.Lyu:Lyu)というバンドをご存知でしょうか。彼らは2016年に旧バンド名"Lyu:Lyu"から"CIVILIAN"に改名すると同時にメジャーデビューし、アニメのタイアップ等多岐にわたり活躍しています。
個人的な話をさせてもらうと、僕は彼等のLyu:Lyu時代の「アノニマス」という楽曲に出会い、衝撃を受けてギターを始めたんですが、その話はまたいつかnoteでしようと思います(しないかも)。
今回は、今年6月2日に発売した同バンドの2ndアルバム「灯命」について話をしたい、そして駄文ながら全曲のレビューをさせてもらい、一人でも多くの方にこのアルバムを聴いてもらいたいのです。
曲名+個人的に印象的だった歌詞のワンフレーズ+勝手に短文解説
という形式でいきたいと思います。「それは違う!」といったことがあれば是非コメント欄でご指摘頂きたいです。
1. 遥か先の君へ
"世界は全て紙一重のバランスで成り立っている。
地球に生命が生まれたことも、そこから人類が生まれたことも、偶然地球が太陽の周りを回り続けたことも。"
「5021年、世界がもし終わるなら」という想定の神々しいポエトリーリーディングでアルバム「灯命」は幕を開けます。
世界の終わりを語るはずが、知らず知らずのうちにこの現状のコロナ禍と重なって聞こえる部分があります。
2. ぜんぶあんたのせい
"積み上げるのに多大な努力忍耐を要し
しかしどうにも崩れ去るのは一瞬のようで
まるで地獄の責苦のようだ信頼ってやつは
ああ もう一度最初からだ さあ"
ライブでは何度も演奏されてきたファンの間では定番曲が遂に音源化しました。
死ぬほどカッコいい。畳み掛けるような言葉の羅列と疾走するバンドサウンド。コヤマさん曰く「強迫観念を歌った歌」だそうです。
---(追記)---
MVが公開されたようです。要チェック。超カッコイイ。
3. 何度でも
"誰の為の命だ 何の為の心だ
誰に試されてるのかはもうすでに解ってた
後ろを振り返って ちゃんとよく見てみろよ
品定めされてるぞ あの日の自分に"
スマホゲーム「スターオーシャン:アナムネシス -TWIN ECLIPSE-」のテーマソングに抜擢された楽曲。バキバキのシンセロックです。個人的にはCメロのブリッジミュートから盛り上がる展開が大好き。
4. 懲役85年
"ごちゃごちゃ言わずにはよ歩け
どうせ誰だって逃げられない
懲役85年のさ
人生を"
個人的に今作で一番衝撃を受けた楽曲。Lyu:Lyuの頃の楽曲に見られる、極限まで煮詰めた他者や自身への怒りや憎しみといったネガティブな感情を今のCIVILIANのサウンドで再編成したような楽曲に思えます。
5. 千夜想歌
"美しくあろうとしたんだ
どれだけ無様でも
か細い身体振り絞って
傷だけ増えてく"
この楽曲と次に続く「導」はアニメ「魔道祖師」シリーズの主題歌に起用されています。作中でも重要な意味を持つ楽器・笛がメインリフに大胆に織り込まれているそうです(僕自身はまだアニメ観れてないです)。
CIVILIANがタイアップに抜擢されることが多いのはそういった作品自体に寄り添った楽曲創りと、それを支える揺るがない盤石なバンドサウンドなのではないかと個人的には考えています。
…すみません、ちゃんとアニメ観ます。
6. 導
"凍てつく朝が来て 孤独な夜が来て
何度祈ってもまた 残酷な夢を見る
呪いのような身体で それでも待っていた
ずっと ずっと ずっと"
前述の通り、アニメ「魔道祖師」シリーズの主題歌。同様に作中で大きな意味を持つ楽器として「琴」が全編通してフィーチャーされています。
圧倒的美メロ、そして心揺さぶられるギターソロ、必聴です。
あんまり歌詞について掴めていないレビューになっているのはごめんなさい。アニメちゃんと観ます。
7. 本当
"自分を守るために嘘を吐いて
自分のことしか想えない
そんなの もうやめたいんだよ"
真っ直ぐな「誰かを愛する・想う」歌。
筆者は個人的に"君が好きで〜うんちゃら〜"みたいな手垢のついた言葉を使うラブソングが大嫌いなのですが(ごめんなさい)、この曲は今まで聴いてきた"愛情"のようなものを歌う楽曲の中で最も、驚くほどスッと心に沁み入ってくるようでした。
8. 人間だもの
"あたし人間だもの だって人間だもの
まるで口にするだけで全てが 赦されるかのように"
6曲目「本当」と対を成すような感情(というかシーン)を歌う曲。これはラストが本当に衝撃なので是非1度聴き始めたら最後まで聴いてほしい。
あとギターソロがカッコいい。全然専門的なこと分からないのでカッコイイしか言えない。こんなレビュー意味あるのか。
9. 残火
"誰かが笑えば 誰かが傷付き
富める者の影 男が首を吊る
全ての願いは 同時には叶わない
有限の幸福 奪い合って生きている"
コヤマさん曰く「普段からずっと考えている事をそのまま歌った歌」。こういう曲があることが、Lyu:Lyuだけ聴いてた人もCIVILIANを聴くべきなんじゃないか?と思える理由でもあります。
10. 夢の奴隷
"報われたという実感は 上位入賞者特典で
貰えず終わった誰かから 一人一人とリタイアして
此の期に及んでまだそんな 希望なんて抱いたまま
それでも往くのだろう"
只管真っ直ぐなロック・チューン。
けれど"夢見れば必ず叶うぜ!"といったような嘘臭い応援ソングではなく、音楽一筋で泥臭い努力を重ねた彼等にしか描けない"夢を追いかける"事のネガティブな面も抉り出しています。これから先もきっと何度も背中を押してもらうと思います、大好きな曲です。
11. 正解不正解
"初めから決まっている
そんなセリフはいつでも 諦観者の自己弁護で
何に傷ついてきたの
決められるのはこの世でただ一人自分自身で"
TVアニメ「魔王学院の不適合者」のOPテーマである楽曲。このタイアップきっかけでCIVILIANを知った方も多いようです。
カッコいい。スリーピースバンドらしい骨太なロック要素を残しつつも、イントロのピアノリフやサビの力強いシンセバッキングは圧巻です。
12. フランケンシュタイナー
"証明したいな理想を 誰も笑わない自分を
本当に誰も笑わない そんなものが理想か
証明したいんだ自分を 自分を愛せる自分を
本当にそうなれるなら 夢を見るよ"
ストーリー仕立ての歌詞が光る楽曲。正直今回のアルバムで一二を争うほど好きです。こういう「現実には居ないような主人公の話が、気付かないうちに自分の事のように思える」ってのが一番心にクる。伝わってください。
13. 世界の果て
"「理解されないままで死んでやるわ」
って泣いた日から
ここまで生き延びて来たんだぜ
少し恥ずかしいけれど"
東京都の「アートにエールを!」参加作品。
正直、最初に聴いたときはかなり爽やか(?)な曲調にやや戸惑った部分もあったのですが、何度も歌詞を見返しながら聴くうちにとても好きになった曲です。
「理解されないままで死んでやるわ」という1行はLyu:Lyu時代の楽曲「黒煙」からの引用。
↑の歌詞、古参ファンの心臓を締め付けるような1節ですね。過去も全て受け入れてそれでも前に進む、という決意を感じます。
14. 灯命
"そりゃ痛いとか苦しいとか
誰かに迷惑かけるような死に方はしたかないけど
でも時々考えるんだ 「もう早く終わってくれ」って
これ以上 自分を嫌う前に"
アルバム最後を飾る、当アルバムのために書き下ろされた楽曲。
今流行りのチルピアノ等ホーリーなサウンドを駆使した神々しいバラード。当然かもしれませんが、このアルバムタイトル「灯命」という言葉の本質を表すような"僕ら自身の、隣人の命とは"という哲学を問う言葉の連続。
「生きていこう」そう思わせてくれる素晴らしい締めくくりでした。
如何でしたでしょうか。かなり主観も混じってしまったレビューではありますが、この素晴らしい作品が一人でも多くの人に届く一助になれば嬉しいなと思います。
書きすぎた気がする。
これを読む暇があったらアルバム「灯命」を聴いて下さい。僕も今から聴きます。