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美大小論文(多摩美)

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多摩美の美大小論文を教える中で、気がついたことを述べます。 直近の受験に役立つかは未知数です。 試験的に有料の記事も設けてみます。
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記事一覧

美大小論文(多摩美)を教えて③〜オリジナリティ〜

小論文を教えている際、学生からよく挙がるのが、「オリジナリティを磨きたい」という声だ。

確かにオリジナリティの高さというのも一つの大切な尺度だ。自身の内面をアピールでき、最も他者と差をつけやすい。しかし、オリジナリティのみを追求すればよいというものではない。

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美大小論文(多摩美)を教えて①〜心がけ編〜

美大出身者ではないのだけれども、
これまでの創作経験や全国規模の小論文や感想文コンクールに自身が入賞、あるいは教え子が入賞した経験を生かして、
美大受験のための小論文を教えている。
正解のないものを考える、という意味では、
なかなか親和性が高いのではないか。

美大小論文にも、専攻によって傾向がガラリと異なる諸々があるのだけれども、
まずは多摩美国語の第3問の小論文について、
これから少しずつ文章

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美大小論文(多摩美)を教えて②〜方向性〜

哲学の領域の一つに、価値論というものがある。
その名の通り価値を論じるもので、「価値ある〇〇とは何か」を問う。

価値には複数の方向性があり、
正しさを考える倫理学や美しさを考える美学、
それから富やサービスの価値を考える経済学なんかも価値論に通ずるところがある。

そのうち倫理学における正しさとは、社会的な正しさである。
たとえば、人を殺してはいけないのはなぜかといった善悪判断や、
正義とは如何

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