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エッセイ #5|「変化を楽しむことは、人生を楽しむこと。」

私は子どもの頃から変化がとっても苦手なタイプの人間です。

なぜなら、「変化をすることが怖い」と思ってしまうからです。だから私は、なるべく変化をしなくて済むような努力を頑張っていました。

私の”ビビり”な性格は筋金入りで笑、

私が小学生の頃、親が「家を買う!」と張り切っていた時も「絶対に校区が変わるのは嫌だからね!転校だけは嫌!」と主張をしていましたし、中学から私立の学校に進学しようと決めたのも、「中学から大学までの10年間、環境が変わらなくて済む」という莫大なメリットがあったからです。大学時代のアルバイトも、もちろん同じ職場で4年間勤めました。

それぐらい変化を怖がって生きてきた私は、望み通り、大人になるまで安全パイの中で守られて、ぬくぬくと育ってきたのですが、社会人になってから段々と温室育ちがゆえの弊害がいくつも出てきました。

その中でも最も大きな弊害が「人生がつまらない、退屈だ!」と思ってしまったことです。

会社員時代は、片道2時間かけて、満員電車に揺られて通勤をし、残業も含めて週5で毎日平均10時間ほど働き、また片道2時間かけて家路に急ぎ、疲れた体でスーパーへ買い出しに行く。

帰宅すると、その足で、外干しをする時間が長すぎて、パリッパリに乾ききった洗濯物を慌てて取り込んで、床にドサっと置く。散乱した洗濯物たちを横目に、部屋着に着替えて、慌てて食事の準備、片付け、翌日のお弁当の仕込みなんかをやっていたらあっという間に22時。湯船に浸かる時間がもったいないから、シャワーでささっと入浴を済ませて、やっと自分の時間。

「今日も何もできなかった・・・」という思いが強すぎて、まるで自分を取り戻すかのように、眠い目を擦りながら夜中までネットサーフィンをする。ブルーライトに眼球を刺激されまくった後、携帯電話を持ったまま寝落ちをして、そして、また翌朝ギリギリの時間に起きて、最悪の目覚めのまま、慌てて身支度を整えて、電車に飛び乗って会社に向かい、またいつもの1日が始まる。

「これを定年まで続けるとか・・・マジで無理!!!」

こう悟ってからも私は7年間、起業することを悩みに悩んでいました。随分前から、会社員から起業家になることに憧れと期待を抱いていたのに、「変化をするぐらいなら、たとえ望んでいなくても、慣れ親しんだ日常を送っている方がいい!」と言わんばかりに、変化に怯え、一歩も動くことができなかったのです。

こうしてのらりくらり生きてきた代償を私は社会人6年目で味わうことになります。その代償とは・・・「自分のことが本格的に嫌いになってしまった」こと。口を開けばいつも不平不満ばかりで、そのくせ一歩も動かない。そんな自分の人生にちっとも真剣ではない自分自身が許せなくなってしまったのです。

「許せないほどの怒り。」

そんな私の在り方とピッタリ比例するかのように、この時期に夫婦仲を筆頭に、あらゆる人間関係が拗れていき、私は一時期、完全に一人ぼっちになってしまったし、毎日許せないほどの怒りの感情を戦っていました。

この果てしない怒りをどうにかする方法は私の場合は一つでした。

変化をすること。そして、そのために挑戦をしてみること。

変化を恐れない自分になんてならなくていい。怖がりながらでいい。そのまんまの自分で、変化をするために一歩踏み出してみるのことが唯一の”自分を好きになるため”の突破口だったのです。

もちろん、成功の保証なんてないし、失敗したことを考えると今でも震えるほど怖いです。

でも、私は知っています。

失敗を恐れて変化をしないことを選ぶよりも、失敗をしてもいいから変化を恐れずに挑戦している方が、自分のことを好きでいられるということを。

だから、私はこれからも恐怖の中に混じっている一滴のワクワクを信じて、変化することを楽しみながら挑戦し続けます!


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夕起あずさnote(夕起あずさ書店)
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