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【NFL】後半に何があったのかほとんど知らん試合の話

観てらんないものは観てらんないぜ。こちとら、ただのファンだからさ。

ユー・マスト・サファー・アズ・ロング・アズ・ユー・ハヴ・タイム

ゴキゲンヨ! 今週は第 4 週の試合になる。
プレイオフまで勘定かんじょうに入れるつもりなら、シーズンのおよそ 1/5 が過ぎる計算だ。ここらへんで 3 敗くらい食らっているチームはだいたいもうダメとした空気に包まれる。しかし、なんだかんだ後半で勝って滑り込む事態は毎年どこかで起きるので、諦めるのはまだまだ早い。可能性が残るかぎり戦い、苦悶する義務があるのがフットボールである。慈悲はない。

グリーンベイ (Green Bay Packers) はホームにミネソタ (Minnesota Vikings) を迎え、今季初めての同地区チームとの一戦になった。

ヴァイキングスは全体 10 位で指名したばかりの J. J. マカーシー (Jonathan James McCARTHY; #9 QB) が手術でいきなり全休となったのに加え、4 巡目で指名したカイリー・ジャクソン (Khyree Anthony JACKSON; #31 CB) を交通事故で文字通り失うという形容しがたい開幕を迎えたが、ことし 3 月に 1 年契約を結んだサム・ダーノルド (Samuel Richard DARNOLD; #14 QB) を先発に据えて開幕 3 連勝で乗り込んできた。わかんないもんである。

わかんない、というのはもちろんダーノルドが去年まで微妙過ぎる通算成績を残してきた QB だからで、ほぼ 60% のパス成功率に TD/INT が 63/56 とフィッツパトリックの下位互換みたいな……まぁ所属していたチームの事情はあるにせよ、少なくとも数字の上では先発で使いたいようなものではない。ヴァイキングスもバックアップにするつもりであったはずだ。それが成績を急上昇させている。


フィッツパトリックとは?

ライアン・フィッツパトリック (Ryan Joseph FITZPATRICK; QB) は、17 年もの期間にわたって NFL を渡り歩き、9 チームに所属してそのいずれのチームでも少なくとも 1 試合以上の先発出場を果たした、ジャーニーマンの最上位。
みんなバックアップとして獲るのだが、獲るととたんに QB1 が壊れて彼が先発の座に就くという恐るべき星の下に生まれた男。ハーヴァード (Harvard) 出身の高い知能から繰り出されるパスは "行き先はボールに訊け" といわんばかりのものが多く、理解不能な通り方をする様子は「フィッツ・マジック」と呼ばれ親しまれた。トレードマークは長いヒゲ。


ということは、おそらくダーノルドにとっての環境は今までよりもぐっと良くなっていると思われる。同地区ライバルからすると厄介な話だ。
QB の環境の良し悪しは、基本的にはコーチと OL のしつ、HB や WR といった "武器" の所有量に応じて決まる。厳密にいえばロッカーであごをカチ割りにくるようなチームメイトが存在するかどうかも含まれるが、普通のチームではそういうことはほぼないので気にしなくてよい。

先にボールを得たヴァイキングスが見せたのは――オイオイ、これはどうなってんだ――グリーンベイのパスラッシュを寄せつけない OL と、その陰から悠々と練習のようにパスを通してくるダーノルドの姿だった。まったく攻撃が止まる気配がない。オバケに追われて苦しんでいた男はどこへ行ったんだ?

パッカーズは CB1 がインアクティヴになっているため、ヴァイキングスの WR1 ジェファーソン (Justin Joshua JEFFERSON; #18) の対処に困った。
ダブルカヴァーにすれば他が手薄になるし、セイフティが下がればジョーンズ (Aaron LaRae JONES; #33 HB) が止まらない。もちろんマンカヴァーになればジェファーソンが抑えられるわけもない。いろいろ試していたようには見えたが結局ラインでもセカンダリでも戦力差がありすぎて打つ手なし。オフェンスまで気前よくボールを立て続けに献上したのも手伝って、前半も終わらないうちに 28 点差。ブザマ! およそ満員のホームでの試合で許されるような差ではない。

僕はこのへんまでしか真面目に観ていないが、ファンとしてはかなり我慢したほうだろう。このあと試合が終わるまでに 2 点差まで戻したのは確かに頑張ったのは間違いない……が、しかし、しょせんは "ガラクタgarbage時間time" での話である。
ジョーダン (Jordan Alexander LOVE; #10 QB) の長期契約は、相手がのんびりゆったり逃げ切る態勢になるより前になんとかしてもらうためであって、試合が終わったあとで帳尻を合わせるためにあるわけではないはずだ。

そもそもこの数週間の "準備ができたら出す" みたいなコメントはいったいなんだったのか。明らかに動けていないうえパスも距離が足りないものが多く、もし本当にあれで万端なら今年は終わりだ。ウィリス (Malik Antonio WILLIS; #2 QB) を出してくれ。

というか、2 本目のフィールド・ゴールを外したときには 21 点差だったのでなんとも思わなかったけど、外れた 2 本のうちどちらかが入っていると計算上はグリーンベイの得点のほうが上回るじゃないか。キックはスナップとホルダーの影響も見過ごせない(といわれている)ので僕は断言しないけど、やっぱこの人ダメなんじゃね? という声はそろそろ爆発しそうだ。

個人的に驚いたのはラフルーアー (Matthew Robert LaFLEUR; HC) の絶えない闘志で、みんながよその試合を観ているころになってもなお判定に異を唱えてオフィシャルを相手に吠えまくっていた。
バカバカしく映るかもしれないが、28 点差の試合で反則を取られるほど激怒できる人間がどれほどいるだろうか? 僕が同じ立場ならしょんぼりだ。ゲータレードのボトルに酒を詰めて、プレイ・コールはサイコロで決めているだろう。

まぁしかし、こうやってダメになってからも長い時間が残っていて苦悶するのも契約の範疇はんちゅうだ。まだ試合はある。それに、改善するための時間も。ただし慈悲はない。


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