【NFL 観戦記】今週の試合をふり返ったりあきれ返ったり
先週は所用によって 1 プレイで 2 回ファンブル (2:25-) なる珍プレイ・オブ・ザ・ディケイドを見逃してしまったけど、今週は試合を観たぞ。
スコアはこれだ。
この試合には、CB ストークス (Eric Jamane STOKES; #21) が IR (Injured Reserve list) から久々に復帰、RB ジョーンズ (Aaron LaRae JONES; #33) も出場した。
かわりといってはなんだが RB ディロン (Algiers Jameal William DILLON Jr.; #28) が指の骨折により欠場、CB ジャイアー (Jaire Zakar ALEXANDER; #23) も欠場。とくにこっちはずるずると 6 週連続での欠場となっており、見立てが甘かったことがわかる。
コイントスに勝ったパッカーズ (Green Bay Packers) は後攻を選択。これは自然で、まあ奇をてらわなくても十分に戦えるだろうという判断にほかならない。
であれば、3 点を追う最初のドライヴの 4th & Goal では 2 ヤードのタッチダウンを狙うよりもキックするほうが素直だったのではないか。もちろん序盤だから挽回の時間はあるし、取れそうなときにガツガツ行くのも当然の考えだ。悪いわけではない。なんなら直後にエンナグバレ (Kingsley Osagie ENAGBARE; #55) がファンブルを発生させてタッチダウンになったから、結果として得だったまである。ただ、パスがノーチャンスなところへ飛んだのもふくめてちょっとちぐはぐな感じはした。
オフェンスは相変わらずセットするまでが少し時間がかかり、ディレイを取られる……タイムアウトが残っているのに。ケイデンスもうまくいっているようには見えない。ホームでこれだからアウェイではまず無理だろう。
同じ領域にふたりのレシーバーが走り込んだうえどちらもボールに反応しないという謎プレイも見たし、もちろん反則もぼちぼち取られた(「スナップ・インフレクション」て何だ?)。とはいえ全体的にはまずまずの出来で、多数のパスを多くのレシーバーに散らして 300 ヤード近くを稼いだ。とくに、プレッシャーが来ても投げられたのは素晴らしかった。
そこにジョーンズもいて、下から数えたほうが早いバッカニアーズ (Tampa Bay Buccaneers) のオフェンスが相手だったならそりゃ楽勝だったんじゃないか?と思うのは早計で、実際には……あー、我々の DC はジョー・バリー (Joe BARRY) だからな。
サック 5 回の記録からわかるようにプレッシャーそのものは行っているにもかかわらず、判でついたように「中距離に通る→ RAC でらくらく長距離」が繰り返され、パス成功率 81% (!?) と 381 ヤードを記録した。
メイフィールド (Baker Reagan MAYFIELD; #6 QB) は走力はないのにこれだから、途中から「これはもしかして 9 人くらいで守っているのではないか」と思い始めた。本当にそんな気持ちだった。
しかもラッシュのほうまで RB ワイト (Rachaad WHITE; #1) に平均 4.24 ヤード出されており、ディフェンスのガバガバ具合があらためて浮き彫りになったといえる。なんといっても 3rd & Long になっても全然止まらないのだから開いた口がふさがらない。しょうがないから目のほうを閉じた。なおジョーの更迭はされない見込みだ。
この試合の個人的なハイライトはやはり、パスに対して捕る前から減速して巧く身体をエンドゾーンに残したリード (Jayden Kevon REED; #11)。そして、手を離れた瞬間からヘロヘロと飛んで地面に落ちたパス (Q3 7:00) を技術と演技で捕ったことにしたヒース (Malik Shabazz HEATH; #18) だ。レシーバーはやはりこうでなくてはいけない。もっとも、ここまで頑張っても大差で負けたのではあるが……。
そう、負けたのである。今季の勝利を目標に設定しなおしたならば、すでに負けた数と相手からして、負けなど断じて許されないゲームだった。というか先週もそうだった。
他球団よりひと足早く、グリーン・ベイはプレイオフ・モードだ。このチームは、プレイオフに入ると自分の首を自分で絞めて勝手に死ぬという奇癖がある。通常は「負けたら終わり」でいっそう気合を入れて爪を研ぐことを指すが、ウィスコンシン流のプレイオフ・モードとは自分の手で窒息するという意味である。
ああ、カレンダーを見ればもう 12 月も終わりに近づいている。確かにプレイオフの時期だ。試合の当初に僕がおぼえた違和感と嫌な感じの正体は、きっとこれだったのだろう。