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今日の絵本15:『おおきなおおきなおいも』赤羽末吉
わたしも「いもらす」になりたい
待ちに待った「いもほり遠足」の朝、外は雨……。遠足が1週間延期になってしまってガッカリした子どもたちは、土の中のおいもに思いを馳せて、画用紙に絵を描き始めます。描き上がったのは画用紙を何枚使っても入りきらないほどの大きなおいも。子どもたちの想像はぐんぐん広がって、しまいには「おならロケット・いもらす号」となって宇宙に飛んでいってしまうのです。
* * *
食いしん坊のわたしが、子どものころ大好きだった絵本。
初めて見る人にはかなりインパクトの強い本かもしれません。使われているのは黒とサツマイモの皮の色(赤紫)の2色だけ、まるで小さな子どもが描きなぐったような絵柄。鼻も口もない絵なのに、描かれている子どもたちの元気で奔放な様子といったら! 大きな大きなおいもを堀り起こしたらどうしよう?とワクワクする気持ちが伝わってきて、読んでいるこちらも楽しくなってしまいます。
もちろん聞いている子どもも楽しそう。おいもで作った怪獣を見ては喜び、テーブルいっぱいに並んだおいも料理を見ては「おいしそう〜」と唾を飲み、子どもたちがおならで宇宙に飛び上がってしまうシーンでは大笑い。息子が3歳になるころにいただいたのですが、いまではすっかりお気に入りの1冊となっています。
全88ページというボリュームからか、「読み聞かせるなら4歳から」と書かれていますが、ページ数のわりにはサラリと読めるので、2歳くらいから楽しめそうな1冊です。
※「今日の絵本」は、家で過ごす時間のために、ずいぶん昔に書いていた絵本ブログから、おすすめ絵本のレビューをランダムに紹介する記事です。リアルタイムに執筆した文章ではありません。ほんのちょっとでも、なにかのお役に立てれば幸いです。
▼オススメ度(読み聞かせ当時の記録です)
母------------------> ★★★
3歳3カ月男児--> ★★★
▼『おおきなおおきなおいも』
▽ 赤羽末吉:作・絵/福音館書店(1972/10)