ほしゆき

バンクーバー在住🇨🇦 フリーライター / エッセイスト / 旅人 自由帳として、日々気ま…

ほしゆき

バンクーバー在住🇨🇦 フリーライター / エッセイスト / 旅人 自由帳として、日々気ままに更新しています✒︎ どうぞ、ごゆるりと IG:https://www.instagram.com/panyukiii_canada/

マガジン

  • 言葉の裏側、心のまんなか

    「読みもの」として書くときに、選ぶわけにはいかなかった言葉や心の、そのまんまの備忘録。 遠慮のない、ドロッとした心のまんなか あなたにとって優しいものかはわからないけど、 この聖域に「格好のいいもの」はひとつもないよ

  • 「好き」という聖域

    「好き」についてのnoteのまとめ

  • きみと22時の5分

    恋愛にまつわるnoteのまとめ

最近の記事

  • 固定された記事

「元恋人に連絡をしない」という優しさは、ちゃんと厳しくて、正しい

思い出は思い出のまま、触らないのが一番いい。 元恋人には、連絡をしないほうがいい。 恋人という関係が終わっても、上司、部下、後輩、先輩など、その他の関係性を継続させていく必要がある場合は、連絡せざるを得ないこともあるだろうけれど 元恋人として、相手の心を恋愛的な意味で深く知っている人物として、その人格で連絡をとってしまうことのメリットというのは、基本的にない。と思っている。 相手が心の元気を失っている時には、とくに。 それがわかっていても、もう絶対に、触れてはならない。

    • 一番キツイところでやめたら、もう二度と同じ挑戦をしないね

      私のビザは2025年の春に切れるのだけど、次のビザのことで今、まあ大変な岐路にいる。選択肢はいろいろあるのだけれど、全ての選択肢にメリットとデメリットがある。どれもが、私にとってはハイリスクハイリターンだ。痛い思いをすることも、不安を抱えることもなく、異国から来た人間が簡単に市民権を得られるほど、世界は優しくはない。企業と手を繋げば数年単位の時間的制約が生まれ、自力で進めば自由と引き換えに金銭的な負担がかなり増える。永住権取得に向かっている私には、歳を重ねるごとに少しずつ不利

      • そうじゃなくても、幸せになれた

        2024年9月 4ヶ月ぶりにnoteを更新するまでに、私のカナダ生活にはいろんなことが起きていた。いろんなことが起きていたのに(書くようなことはたくさんあったのに)noteに戻ってこなかったのは、自分だけのノートに心情と思考を記録する割合のほうがずっと多くて、それを誰かの目に触れる文章として握力をかける余白がなかったからだ。 自分でも把握しきれない自分の回路を、書きながら手探りで触って、それを繰り返して理解して少しずつ次の道を決めていく。自分のために書いて、書き終えて、「書

        • 「会いたい」から始まる言語習得

          バンクーバーの中央図書館には、「JAPANESE」と書かれている区画がある。ここには日本のマンガ、雑誌、小説、エッセイ本、自己啓発本、ビジネス書、ガイドブック、児童書、絵本、参考書に至るまであらゆる本がずらりと並んでいて、初めて見つけた時にはバラエティの豊富さに衝撃を受けた。英訳出版されているものは別の階にあり、ここには日本語の本のみ並べられている。母国語で小説やマンガを読みふけることができるという、異国生活において本当に貴重な場所なのだ。 私のバイブル『バガボンド』は全巻

        • 固定された記事

        「元恋人に連絡をしない」という優しさは、ちゃんと厳しくて、正しい

        マガジン

        • 言葉の裏側、心のまんなか
          4本
          ¥300
        • 「好き」という聖域
          9本
        • きみと22時の5分
          13本

        記事

          「足りないものばかり数えないで」

          と、事あるごとに言われている気がする。 うとうと眠くなるあたたかい日差しも、高く広くつづく青空と雲も、そよそよと揺れる新緑も、咲き誇る花たちも、小鳥たちの声も、全部ある。春が微笑んでいるこの日々には、全部がある。 休日にだけクローゼットから出せるお気に入りの服も、靴も、鏡の前でもっとご機嫌な自分になれるコスメたちもあって、何よりも、好きな時に好きな場所へ行ける、自分の意志で動き回れる身体がある。 ──幸せって、こういうことでしょ? 私にとってバンクーバーは、この問いを

          「足りないものばかり数えないで」

          言えなかった「好き」の行方

          私たちはさ、もう、大人になってしまったんだよね。 コントロールできなくなるほど「好き」が大きくなる前に、自分自身の心をうまく疑ったり、制御したり、相手が振り向く確率を確かめながら「まだ好きになってない」のか「もう好き」なのかを決めようとしたりする。そして事実、自分の意思で決められることだって本当はわかってる。 誰かに向けての恋心を、自分自身で取り扱うのが上手になった。トキメキだけで無邪気に飛びついて、過度に期待して舞い上がったり、些細な一言で浮き足だったり、体の外まで溢れ

          言えなかった「好き」の行方

          The words cannot be conveyed by words.

          We cannot put into words all of our emotions. It is even more impossible to confine all of our love to words. As a premise, words always reach our ears with an inadequate sound for love and are reflected in our eyes in an imperfect shape.

          The words cannot be conveyed by words.

          感触を持って、英語を覚えるということ

          2023年は、生きてきたなかで最も英語の語彙力がUPした年だったと言える。 英語勉強中にネイティブと会話をしたことがある人は、「知らない単語ばっかりで何言ってるか本当にわからんな……」と思いながら笑って誤魔化した経験がきっと、いや絶対に、一度はあるよねぇ。 例えばcomfortableという単語は知っていたとしても、ネイティブは略してよく「comfy」と言うし、be right back(すぐ戻ってくるよ)は「BRB」と単語の頭文字だけ使われたりもする。 正式な単語を知

          感触を持って、英語を覚えるということ

          血の滲んだ2023年の果てに

          カナダに来てから、私の心は空っぽになったのだと思う。 日本社会の中で拾い集めたり、意思とは別に溜め込まれてきた、さまざまなもの。箱を逆さにひっくり返すように。あれもこれも、読みもしない教科書とメモで散乱した勉強机の上を、一気に床に押し落としてまっさらに戻すように。 綺麗に整理整頓したわけじゃない。 乱暴に、私自身の心も追いつかないまま、「これは捨ててこれは残して」なんて丁寧に分別する間もなく、静寂の中に落とされた。いま私の体内にいる、私に見える私はずいぶん幼くて、5歳の甥

          血の滲んだ2023年の果てに

          そして恋は終わるし、愛も消える

          例えば消えてしまいたいと思う夜に、あなたが思い出すのはもう私ではないでしょう。 深く人生に絶望したり、誰かから裏切られたりして、大切にしていた全てが砂のようにサラサラとこぼれ落ちたとしても ボロボロの心ごと抱きしめて欲しいと求める先にいるのは、私ではない。そして私にとっても、もうあなたではない。 それでも時々、私はあなたを思い出すよ。 これは未練でも情でも、ましてや愛などでもなく たしかにあたたかった夢を閉じ込めた木箱を、そっと開くように。 「幸せになってね」と、思っ

          そして恋は終わるし、愛も消える

          ここで負けるわけにはいかない

          久しぶりのnoteになってしまった。 前回のnoteでは面接を受けた時のことを残していたのだけど、オーナーから無事に採用通知をもらうこととなった。今ではカレッジを卒業し、毎日フルタイムで働いている。 フリーライターとして、引き続き原稿も書いている。現地メディアで書くこともあれば、日本の原稿を書くこともしばしば。 カレッジ内には日本人もアジアの友達もたくさんいたけれど、新しい仕事が始まって、今の職場環境では日本語を話すことが全くない。 オーナー含めスタッフは全員ネイティ

          ここで負けるわけにはいかない

          言葉を越える、心のこと

          前回のnoteで、私はカナダでの企業面接に「勇気が欲しいよ」と騒ぎながら怯えていた。英語で自分のことを正確に語るのは難しい、緊張をすればさらに難しい。 けれどその後数回の実践を経て、私の心持ちは大きく変わった。異国での、かつ非母国語での面接は、ものすごく面白い。恐怖の中に飛び込み、2,3回経験をすればもうこちらのものだ。もちろん緊張はするのだけど、震えるような恐怖心はない、むしろ早く出会いたい、早く聞かせてほしいと思う。 「今、バンクーバーで暮らす人たちにとって重要なこと

          言葉を越える、心のこと

          勇気がほしいよ

          あと数ヶ月で人生30周年を迎えるというのに、新しいことに飛び込むときにはいつまでも怖いものだなぁと思う。 会社員を辞めて独立をしたり、異国に拠点を移したりすると 「思い切りのある人」だとか「度胸のある人」だと言われたり、思われたりすることがあるのだけど ぶっちゃけ、全然、そんなことはない。 私は今、バンクーバーのとある企業の面接数時間前を生きている 自己紹介をして、今までのキャリアについて話して、自分の強みをアピールして、ということを初対面のネイティブスピーカーに対して

          勇気がほしいよ

          今日も書くことで救われている

          本当にもう、なんたって なんたってこう厄介なんだ君は、PMS。 心のほうがダメになると、私はnoteを書きはじめる。どうしたって明るいことを書いたほうがいいし、読んでくれる人たちに有益な何かを届けられる内容を選んだほうがずっといい。 そんなことはわかっているが、心がダメなのでここに来てしまう。 昔からずっと、私にとって「書くこと」は 第一に、私自身の救済だった。 多分きっと、近いうちにnoteに書くと思うのだけど 私は幼い頃、心を病んで犯罪に手を染めている。 それは

          今日も書くことで救われている

          「異国でバラバラ自殺事件じゃん」

          自分の人生をリセットしたくて、異国での暮らしを選んだわけではなかった。 私がここにきたのは、あくまでも2015年に交わした自分との約束を果たすためであって、目標のうえに広がる物理的な世界を見るためだった。 リセットしたいと望むほど手放したいものはなかったし、むしろ手放したくないものばかりで、この約束が煩わしいと思うくらいだった。 もうすぐ、日本を離れて6ヶ月が経つ。 半年間、日本の空気を一度も吸うことなく、東京の景色をこの目で見ることもなく、日本チェーン店でご飯を食べ

          「異国でバラバラ自殺事件じゃん」

          異国で、日本語のライターを続けることの難しさ

          バンクーバーに来てから、1ヶ月も経たないうちにぶち当たった壁だ。 国を跨ぐ引っ越しだというのに、原稿の締め切りをひと段落させることもなく(終えられなかっただけ)バタバタと入国をして、英語を思い出しながら日本の原稿と向き合ったとき「なるほど、これは想像していた以上に難易度の高い挑戦だぞ」とすぐに気がついた。 まず最初に、英語脳の成長期間は明らかに日本語脳の容量を減らすことでバランスをとっている。英語ばかり聴き、英語を話し、英語を書いている時間が長ければ長いほど、加速度的に日

          異国で、日本語のライターを続けることの難しさ