『次はお前だ』
まただ。
「裏の顔」だなんて、軽率な。
「裏切られた」だなんて、ちゃんちゃらおかしい。
私が、あなたが、知らなかっただけなのに。
知らなければ、ずっと好きでいたくせに。
いや、知って嫌いになるくらいなら、
それは好きだったのかすら疑わしい。
興味もなかった奴等まで寄ってたかって
探偵気取りで過去を掘り出し、
ありもしない伏線を回収しようと必死。
嫌でも嫌でも目に入るほどの数で、団結きどってる。
他人の人生を乱せる能力など
一方的には得られない。
乱せば、乱されることも許容することになる。
誰にも言えない秘密くらい、
墓場まで持っていきたい罪悪感くらい、
誰にでもあり得るのに。
それを暴いて何になる。
なにになるんだよ。
憤る。悲しくなる。
呆れてしまって、この感情には行き場もない。
共闘する大勢は
あたかも自身は清廉潔白かのように。
ふざけるな。
次はお前だ。