万年筆の魅力 その2 筆記具の種類と線質
一口に筆記用具といっても、いろいろな種類があり、それぞれ特徴があります。
ボールペン 先端の小さな剛球が回転することでインクが滲出する機構で筆記する。均質な線を書きやすい反面、油性インクの場合、インク漏れやカスれが目立つことも多い。水性インクでは構造上、先端部の太さをある程度自由に作成することができるため、下敷きや筆圧のかけ方によっては豊かな表情の線を表現することもできるが、水性インクの特性上、紙質によっては滲んだりすることも多い。世界中に豊富に流通し、安価に入手することができる。ボールを回転させないと筆記できないため、ある程度の筆圧を書ける必要があるため、使い方によっては手に疲労を感じることもある。
万年筆 先端に溝が入った金属片で筆記する。ペン軸内にインクタンクを設置し、毛細管現象でインクが自動的に吸い上げられるため、基本的に筆記の際に筆圧はいらず、すらすら書くことができる。ペン先の構造、材質、設計によって書き味が異なる。一般に金で作られたペン先は筆圧に応じて柔軟にしなり、独特の書き味を醸成するなど趣味性が高い筆記用具でもある。書き方によりペン先の溝の開きをコントロールでき、線の強弱を表現しやすい構造になっている。コンバーターでインクを吸い上げる機構の物は自由にインクを変更することができるため、多様な楽しみ方がある。
鉛筆 粘土を加えた黒鉛を千度で焼き上げつくられた芯で筆記する。筆圧に応じて濃淡や太さを表現できる一方、芯がすぐ摩耗するため芯先がすぐ太くなり、その都度ナイフ等で先端を鋭くする必要がある。インクと違って滲むことがなく、芯先の研ぎ方や筆記角度等のコントロールによって、鋭い線や微妙な濃淡、太さを表現しやすいといえるが、芯の成分が紙に載っているだけなので、こすれることで書いた物が横に伸びてしまうことが多い。デッサンではこの特徴を利用することで芸術的な効果を上げられる。
筆記用具によってどの程度の違いがあるか、実際に書いてみたのが下の写真です。ひらがなを書いてみました。4種類の筆記用具ですが、何を使ったかおわかりになるでしょうか。大きめの画像を添付しているので、クリックまたはタップすることで詳細を確認することができます。
使ったのは、万年筆、鉛筆、百均のシャープペンシル、そしてボールペンです。万年筆は、LAMYのSafari、Schneider(シュナイダー)のレイ、百均の2.0mmの芯のシャープペンシル、6Bの鉛筆、ボールペンはサクラのボールサイン0.5mmと、ぺんてるのエナージェル、フィログラフィーです。
何を使ったかは、下の画像で確認してください。
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