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ヒアリングと測定の間

AudioSienceReview の台頭

 世界中の様々な製品を測定し、音質について議論するフォーラムがあります。
管理人amirm氏は自ら製品を購入することもあれば、会員から貸出提供してもらって測定することもあるようです。

中国メーカーの躍進

デジタルオーディオの進化に伴い、低価格でも高性能な機器を設計・製造することが可能な時代がやってきました。中国メーカーはこの時流に乗って真面目に研究した結果、測定値の上位はほとんど中国製品が席巻する事態となっています。
しかもその結果に「価格」は相関反応を全く示さないのです。安くて性能も良い中国メーカーが、日本のユーザーにもamazonを通じて結構な数が売れています。

下剋上を目論む人々

フォーラム内では価格と性能が伴っていない製品には非常に手厳しく、低価格で高性能な中国製品を称賛している様子が伺えます。
「ハイエンドオーディオ」製品の、1/10以下の価格でそれらの性能を凌駕することが出来たのだと。それは下剋上としてある意味分かりやすいストーリーではあります。しかし実際には、「測定値」は音質を語る上でかなり穴だらけの特定部分の要素にしか影響を及ぼしていないのですが、どうも彼らはそれに気が付いていない。

ヒアリングと測定の間

私が信頼を置いているオーディオ経験豊かな方々が、これらの「測定至上主義」の製品を実際に聴いて良い評価を与えているのを見た記憶がありません。私はわざわざ自分に合っていない音を、分かっていて確かめることにお金を使いたくないので、専ら他人のレビューを見るだけで済ませていますが。
共通しているのは「神経質でうるさい」「駆動力が弱く線の細い音」であるということ。私の求める音は「リラックスしてゆったり聴ける、ピラミッドバランスの音」なので、全く正反対なのです。
だからと言って、性能が低くても構わないと言っているわけではない。細かい音まできちんと拾えることも追求したい。この贅沢な要求をクリアするには、「ヒアリング」を重ねて設計の方針が決められた製品でないと超えられない壁が必ず存在します。
もちろんそういう製品だって測定を繰り返されてはいるはずですが、前提として「ヒアリング」が優先されるのです。測定結果が悪くても、聴感上好ましい結果であれば、またはメーカーとして志向する音楽表現により近づいたと判断すれば、測定結果が悪い方であってもそれを採用することになります。


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