哀しくて 哀しくて

今日模試だから昼ご飯のお弁当が必要なのを言い忘れていたことに朝気がついて、カバンに入ってた数本の栄養食がお昼ごはんになった。
でもその程度じゃ全然足りなくて、家帰るまで耐えられないからスーパーでお惣菜を探してたら、ボーッとしてたみたいでハグリッドみたいなおばさんにぶつかって、投擲物みたいな舌打ちをされた。

お会計で出てきたレシートに噛んでたガムを捨てようとしたら舌にインクの苦味がへばりついて数分間取れなかった。
全部嫌になって、意味もなく家の周りをふらふらした挙句結局家の近くの公園で食いたかった訳でもない冷たい半額のお惣菜をコオロギの声を聞きながらもそもそと食べた。あと5分我慢して家に帰ってれば家で温かいご飯を食べれたのに。


栄養不足でボーっとしていたら自分でボタンを押した信号が赤になってた。俺こんなに空回りしないと生きていけないんだっけ。箸をもらい忘れたから素手で食べてたら、手が冷たくなった惣菜の脂でギトギトになった。周りの人には不審者にあてがわれるものと同じ目線を数秒向けられる。充電もないし、手も服も油絵の具でベトベトで、蚊にたかられて。俺ってこんなに上手くいかなかったっけ。


俺は何でここまで何ひとつ上手くいかないのに、人より笑う事も、幸せな事を幸せと感じることさえも出来ないんだろう。ずっと死んだ目で椅子に座って、文字を書いて、絵を描いて。自分一人で何も考えられないから惣菜コーナーを30分ぐらいウロウロして、店員さんにお困りですかと声をかけられる。逃げるように一番近くの惣菜を手にとって逃げるようにレジに向かったりする。


鬱とかもうそう言うのじゃなくて、何か哀しい。ただ哀しい。俺ってこんな哀れな生き物だったんだ。自分のちょっとしたプライド一つ一つが逆回りして、ちょっとずつ自分を傷つけて、ずっとちょっとだけ苦しい。


飲み物を買ってさっきまで座っていた場所に戻ろうとしたらそこに女子高生二人組が座っていて、楽しそうに話していた。邪魔だったよな俺は。本当にごめんなさい。一人で俯いて安くなってた惣菜食ってて。明るい場所で食べ物を食べたかったんです。

手と顔を蚊に刺された。最近はアレルギーが悪化して、刺された場所が赤くイボみたいに消えずに残る。いつまでかはわからない。

誰のせいでもなく、ひたすらに全てが自分の行動に起因して失敗している。お母さん、俺本当はゲームクリエイターにも動物カメラマンにも漫画家にも芸術家にもなりたくなかったんだよ。俺は何にもなりたくなかったんだよ。俺もう嫌だよ。俺もう本当に全部嫌だよ。哀しいよ。俺は俺が哀しいよ。




いいなと思ったら応援しよう!