#3【愛媛-南予】世界農業遺産、目指す価値が分からない。
「文化を紡ぐ」ことをビジョンに掲げた、地方創生事業をメインとするコンサルティング会社、バリューマネジメント(VM)で働き始めて早2年半。現在担当している案件は、
「愛媛県のみかんをSNSで発信し、世界農業遺産を目指すこと」
詳細は、こちらのnoteをご覧ください
誰も、世界農業遺産を目指す理由が分からない
世界農業遺産を目指す理由ってそもそもなんだ。
公式HPには、以下のように記されています。
要は、「世界認定遺産に認証して、次世代に繋いでいくきっかけにしましょう」というもの。
ただ、世界農業遺産に認定されたからといって、何かが劇的に変わるわけではありません。認定をうまく活用して、その地域が主体となって盛り上げていく必要があります。
ただ、認定から先のことについては、HPには記載されていませんでした。
いわば、「あとは任せた」状態。
この一連の取り組みを活性化させていくには、地元で頑張る農家さんたちの協力が必要不可欠です。しかし、その農家さんが「協力したい!」と思うような分かりやすいメリットが、今の所見えてこないのです。
、、それは認知も広がらないよな。
世界農業遺産を目指すファーストステップは、「なぜ世界農業遺産を目指すのかを考える」ことでした。
世界農業遺産を目指すべき理由
僕の考える、世界農業遺産を目指すべき理由は、「都市的な開発から、その場所を守るため」だと考えます。
みかん農家を継ぐためには、最短で2年以上、一からみかんの木を育て始めると、早くて8年以上かかります。
事業承継には、とんでもなく長い時間がかかってしまうのです。
今は「この場所を残そう」という熱量が高いかもしれないけれど、今後事業を継承するまでの数年間の間で、保全するための予算が少なくなったり、別の形で開発して活用しようという機運が高まったりするかもしれません。地域の可能性を低く見積もられて、見捨てられるかもしれません。高齢化だって一刻の猶予もありません。
そうして、この貴重で美しいまちの風景が、都市的な開発によってなくなってしまうかもしれない。
そんな悲しい未来を避けるために、今の風景をそのままの形で残していくための、バリケード的な役割が、世界農業遺産にあると考えています。
ゆっくり進んでいくみかん農家の事業継承を、急かすことなく、自然なスピードで継いでもらうことを大事にするために、「今の形でいいんだよ」と言える根拠を、世界農業遺産の認証という形で持ちたい。
そんなふうに思っています。
そもそも、ここまで考えないと分からないのが課題なのでは?
この結論に至るまでに、ヒアリングを重ね、資料を読み、時間をかけてきました。そもそも、世界農業遺産を目指す目的を、時間をかけて探らないと見つからないことに、課題があるのではないか?というふうに感じます。
そりゃあ、世界農業遺産の認知も広がらないし、「目指そう!」という協力者だって現れない。まずは、「なぜ世界農業遺産を目指すのか」について、南予に暮らす「うちもの」の人に届けることを目指していければなと思います。
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