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醍醐天皇も大好物だった!

 山菜のワラビの面影もないのに「わらび餅」と呼ばれている理由をご存知だろうか。実はわらび餅を作るときに使われるわらび粉は、山菜のワラビの根っこから作られているのだ。

 寒い時期に掘り起こして、叩いてほぐして、冷水で何度も洗って澱粉を取り出す。根っこ10kgに対してたったの70gしか採れない手間のかかる工程で作られている。なので今では100%わらび粉で作られているわらび餅は少なく、くず粉やタピオカ粉を配合したものがほとんどだ。わらび粉だけで作られていないからといって美味しくないわけではない。見た目や食感を考えれば、あえてくず粉やタピオカ粉を配合した方が実は美味しいのかもしれない。

 そんなわらび餅、平安時代に天皇に即位した醍醐天皇の大好物で、わらび餅を愛しすぎてしまい、わらび餅の「太夫」の位まで与えたという。また、戦国時代の連歌師である谷宗牧(たにそうぼく)は「東国紀行」の中で、静岡県に立ち寄った際食べたわらび餅がよほど美味しかったのか、「年たけて又くふへしと思ひきや蕨もちゐも命成りけり」と詠んだほど。

 さて、新しく仲間入りしたわらび餅ソフトは、きな粉と抹茶の2種類。きなこにはバニラソフト(ハチミツソース)抹茶には抹茶ソフト(黒蜜ソース)。どちらも冷たく冷やしての提供。暑くなるこの時期、体の中からクールダウンしてほしい。

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