『自分の時間を取り戻そう(ちきりん/ダイヤモンド社)』を読んで、「生産性」とは何かを考える。
「このビジネスは生産性が高い(or 低い)な」
「もっと生産性を考えて仕事をしないと!」
たとえば会社の中でも、ごく普通にこのような会話が聞かれるようになった。
では、「生産性」とは何だろうか?
自分もあまり意識せずにこの言葉を使ったり聞いたりしていたが、突き詰めて考えてみると、イマイチよくわかっていない気がした。
その答えを明確に示してくれたのが、本書だ。
まず、次の一文に、本質がシンプルに凝縮されているように思う。
・生産性とはあくまで「自分が手に入れたいもの」をいかに少ない投入資源で手に入れられたか、という指標です。
その「投入資源」の最たるものが「時間」と「お金」であり、それらに対する考え方も示してくれている。
例えば、本書を読んでいて、こんなことを思い出した。
私が受験生の頃、周囲(メディアを含む)では「1日◯時間勉強が必要!」「◯時間以上も睡眠時間を取ると落ちる!」みたいな議論がよくされていた。
それも今考えると、「生産性」の観点からは、あまりに的外れな議論だということがわかる。
・必要なのは、「今までより長い時間勉強すること」ではなく、「今までと同じ時間しか勉強していないのに、今までより高い成績が取れる勉強方法を見つけること」です。
・多くの親は子供が長時間机に向かっていると、「熱心に勉強している」「頑張っている」と喜びます。「なぜこんなに長い時間勉強しないと成績が上がらないのか?もっと生産性の高い勉強方法に変えたらどうだ?」とアドバイスできる親御さんは極めて限られているでしょう。
当時、こんなことを教えてくれる親や先生がいたら・・、と、20年以上も前のことを回顧せずにはいられなかった。
その真理は、大人になった今、仕事に関しても同様のようだ。
・働く時間を増やすのは「暴挙」。そんなことをしたら生産性はますます下がってしまう。インプットが増やせる環境で生産性が上がる人はいません。
・「インプットを減らす」=投入する労働時間、稼働時間を減らすことが大事なのは、それによって私たちは初めて真剣に「生産性を上げよう、上げなければ!」という気になれるからなのです。
・「一生懸命頑張る」のは悪くありませんが、「頑張らなくても高い成果が出せる方法を考えつく方が素晴らしい」ということをしっかり理解すべき。
本書を読んで、任意の日時までのカウントダウンが設定できるスマホアプリで「30代の残り時間」を設定した。
残りの人生を、密度の濃い人生を有意義なものにするために、出会えて良かった1冊です。
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