『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった(岸田奈美/小学館/コルク)』は、親の死後に読んではいけない。
一昨年、父親が亡くなった。68歳だった。
悲しみに暮れつつも、やれ葬式だ、四十九日だ、一周忌だと過ごしていく中で、ふと、以前読んだこの本のことを思い出した。
ところで、「良い本」の定義とは何だろうか。
それはもちろん、「学び」が多いことだろう。
いやいや、「感動」も捨てがたい。
何を言う、「笑い」だって大事じゃないか。
その3つが、ヤクルト1000配合の乳酸菌のごとく高密度で詰まっているのが、この本だ。
この本は、著者である岸田奈美さんのご家族を描いた物語だ。
もともとは