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娘がこの日々を、いつか忘れてしまっても

仕事に復帰してもうすぐ4ヶ月。
すっかり忙しい日々が当たり前になり、寝かしつけのあとに仕事を片付けることも増え、働く自分に戻ってきた。

今思うと、ゆっくりお散歩して、離乳食を食べさせて、四六時中娘と一緒にいた育休の日々が幻のよう。
1年3ヶ月もあったのに、なんだか別の世界の出来事のようで不思議だ。


娘はもうすぐ1歳4ヶ月。
言葉も少しずつ増えて、コミュニケーションが少しずつ取れるようになってきて、大変な一方で面白さと可愛さが天井知らずだ。

朝、起き抜けに、寝ぼけ眼で「ターッチ…」と手を出してくる。タッチすると嬉しそうにニコッとする。

いいこいいこ、と頭を撫でると、イーコイーコ、と私の頭を撫で返してくれる。絵本の中の動物や赤ちゃん、支援センターで泣いている小さい子にもイーコイーコと頭を撫でに行く。

お母さんといっしょのからだ体操に合わせて、ニコニコしながらくるくる回る。
歌のおにいさんに合わせて、「がおーっ」と恐竜の真似をする。

不機嫌になると、なぜかぽんぽこりんのお腹を出しておへそを見せつけてくる。

私の鼻の穴に指をつっこんで、いたずらっぽくひひひと笑う。

ママとパパが仲良くしているのを見ると、「ヴーッ!」と威嚇する。
ママがぬいぐるみに優しくしても「ヴー!」、やきもちを焼く。

好物のパンケーキやシチューを食べると、「んん〜❤︎」と満点のリアクション。「おいしい?」と聞くと、「お、い、し!」と言ってくれる。(キャベツなどは器用に口から出す。)

手づかみたべでベタベタの手を、ズボンで拭こうとする。「それやめてー!」と大袈裟にいうと、面白がってイヒイヒいいながら何度も拭こうとする。

すごく遠慮がちに、やさしく、顔を「た!」と叩く。
えーんえーんと泣きまねをすると、頭をなでなでしてくれる。

トイレから出るとドアの前で待ち構えてて、足にぎゅって抱きついてくる。
トイレに行こうとすると猛スピードで着いてくる。

寝る前、ゴロゴロしながら真似っこ遊びをする。
片方が頭を触ったり、ほっぺを触ったりすると、もう一方がそれをマネするだけの遊び。それだけなのに、娘はヒヒッ、エヘヘッととても楽しそうに笑う。

きまぐれで、「ちゅっ」って言いながらほっぺにチューしてしてくれる。
大好き!というと、「だ、す、き!」って言ってくれる。
「ダッコ」と言っては、11キロのムチムチボディでだっこを何度もせがむ。
ぴとーっと私にしがみつきながら、満足そうにしなぷしゅを見る。

こんなのほんの一部分で、毎日の中に感動するような可愛くて面白い瞬間があふれてて、書き留めておこうと思うんだけど毎日の忙しさに流されて、次の日にはもう忘れてしまう。
その時にしかないきらめきを、贅沢に取りこぼしながら日々が過ぎていく。

この世界には、反出生主義など、生まれてくることはそもそも幸せなの?って思想があるのはわかりつつ、
この子を見てると、生きることは根源的には喜びや感動に満ちたことなのかもしれない、という気になる。いないいないばあをしただけで心底楽しそうに笑ったり、音楽に合わせて嬉しそうに踊ったり、親と目が合うだけで幸せそうににっこりしてくれる彼女を見てると。

今、私と娘ってめっちゃ両想いなのに、この子すごい私のこと好きでいてくれるのに、
こんなに好き合って幸せに楽しくいちゃついていたこの時間も、娘はいつかすっかり忘れてしまうんだなと思うと、少し切なくなる。

もしかしたらあと15年もしたら、親のことあまり好きに慣れない、とか言われて疎遠になったり、彼女が大人になったら別々に生活して、私のことなんて全然必要としない日がくるのかもしれない。
(そして、15年なんてきっとあっという間。)

でも、私はこの日々を絶対忘れたくないなぁと思う。
お迎えに行ったら目があった瞬間大喜びで笑いながら駆け寄ってくれた娘の姿を、トイレの前まで必死で走ってくる姿を。全力で私を求めてくれた日々を忘れたくないなぁ。

自分が、いつどんな死に方をするのかわからないけれど、仮にこの先ひどいことがあったとしても、娘とのこの日々があったなら私の人生はプラマイプラスだと思う。宝物のようにこの一年の思い出を抱いて死にたい。
今、全くの嘘なくそう思えているってことだけは、ここに書き留めておきたい。


なんか、読み返すと「おまえさん、急にどうした…?」って感じの胸焼けしそうな文章ですね…
でも日々、仕事の納期とか、送り迎えとか間に合ってない家事とか突然の発熱とか、そんな目先のバタバタの中であっという間に日々が過ぎていくから
そんな日々の中に埋もれてく愛しい瞬間をなんとか書き残したくなったのでした。

この脈絡のないエピソードたちと、1歳すぎの娘がとびきり可愛くて私と大両想いだったってことを、私は覚えておく!という決意のようなもの。


また明日から月曜日。
目まぐるしいスケジュールのなかで、愛しい瞬間を味わいながら何とかやっていこう。


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