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[下書き] オッサンの気づき 第20話
こちらが今描いている下書きです。
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先日のブログ、スウェーデンの雑誌に紹介されましたという話の続きです。ありがたいことに、友人がその雑誌を送ってきてくれました!
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特にこのGalagoという雑誌は表紙からして熱いです。ザ・サブカルですね。
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私の紹介記事はこちらのBild & Bubblaという雑誌で、こういう感じでした。
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ここで紹介されている漫画は、以前に描いた「オッサンの気づき 第5話 ~選択プレッシャーに気づいた!~」です。
「自分なり」の大切さについての内容の漫画で、それがこのような自分なり全開コミック誌を発行している国で紹介されるのはさらに嬉しいです。いろいろな分野の作家を紹介しているようで、ちなみに別のページでは永井豪先生やゴルゴ13も紹介されていました。
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この記事を書いてくれた&送ってくれた友人、Matteo君もコミック作家です。こちらのPortalという雑誌に掲載されています。
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そもそものきっかけは、Twitterで彼が私の漫画をすごく気に入ってくれたことでした。彼は日本の劇画、特につげ忠男先生がお気に入りです。
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つげ先生はアウトサイダーを描くことの多い漫画家です。だからかMatteo君は特に私の「杉村くん」シリーズにグっときたと言ってくれました。確かに彼の描くコミックも微妙にアウトサイダー感があるんです。1ページめから「Psykologen(心理学者)」という導入ですし、
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マジックマッシュルーム(幻覚きのこ)からのふしぎ生物も登場します!
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メッセージ&下書きも一枚送ってくれました。嬉しすぎます!
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先日、彼は「杉村くん」を翻訳して↑のGalagoにも投稿してくれました。ただ気に入ったというだけでそこまでしてくれるなんて、感激です。Portalに投稿を勧めてくれたのも彼です。もし掲載されたら、またこちらで報告します。
さて海外のコミック誌ですが、実際は現地の言葉なので基本的には内容を理解することができません。一応google翻訳アプリのカメラ機能で日本語にできますが、だいたいこういう謎日本語になります。
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なので絵と合わせて想像しながら読んでいます。しかも日本の漫画に比べて説明が少なめのものが多いんです。日本の漫画は最近セリフの量がとても増えて、大げさに言えば絵を見なくてもセリフを読んでいるだけで内容がわかる作りのものが増えました。これはアニメでも同じです。それと真逆で、翻訳されたセリフを読んでそれがどういう意味か想像しながら、しかもその翻訳自体も不完全で、さらには他の国にはその国の文化があるわけで、例えセリフと絵を完全に読み解いても文化の違いで完全には意味がわからないということがあるのです。そして、それと同じことが海外の漫画(アニメ)ファンが日本の作品を鑑賞することにも言えるのです。極端に言えば我々日本人は「オラはしんのすけだゾ~」というセリフの、「オラ」とか「だゾ~」で、しんのすけのキャラクター性をつかむことができますが、例えば英語に翻訳された場合、英語には「オラ」も「だゾ~」も無いので、「I'm Shinnosuke」で終了なのです。しかも「I」だけだと性別すらわかりません。そしてがんばってオラはしんのすけだゾ~の意味を読み解いたとしても、その国の人の文化によってはなぜしんのすけが親に横柄なのかはよくわからないのです。それは昔の日本には強い家父長制があったので逆に子供が親をコケにすることがギャグになるという仕組みについて知っていないといけないからです。そしてそこで、「自分とは違うけど、ここではそうなんだな」と思いながら日本の作品を鑑賞してくれていて、それを踏まえたうえでの「日本の漫画アニメは海外でも人気!」の定番フレーズにつながるのです。ありがたいことです。
そのスウェーデンの友人は、つげ忠男の漫画が好きな理由を「自分とは全く国も時代も違うから新鮮で面白い」と言っていました(つげ忠男は主に1970年に活躍していました)。さらに私の漫画を気に入ってくれた理由も「物事のとらえ方が自分と違って独特で面白い」とも言ってくれました。まさに↑の「違うから面白い」なのです。そしてそれは自分の根底にもある考え方です。これは漫画に限らず世の中の見方がそうです。例えば闇子ちゃんシリーズを描くとき、妻ちゃんの闇を抱えた思考パターンがもとになることが多いのですが、それも自分とは違う考え方を理解する過程で勉強したことを漫画にしています。つまり違うから面白い…というか、違うからこそ理解しようというエネルギーが出てくるのです。
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けれども「理解」には負荷が伴います。メンタル的なことを本で勉強するのも翻訳アプリでコミックを読むのも手順や段階がたくさんあります。だから違う世界のことはほっておいて、良く知っている世界にいる方がラクはラクです。世の中が発展すると便利なシステムが増えて、ラクを選択できるようになります。原始人は自分で石槍を作ってマンモスを狩っていましたが、便利になった今は槍も狩りも他人がやってくれています。ラクですよね。しかしあんまりラクばかり選択すると負荷避けグセがついて、他者への想像力が乏しくなると思います。槍を作る人や狩りをする人への想像力もそうですし、その延長で、想像力を使って負荷を乗り越えて理解されることが必要な闇子ちゃん的な人もどんどんほっておかれて孤立するのではないでしょうか。そして便利になった現代はそういう人が増えてしまった気がします。
理解には負荷が伴うのに、「違うから理解したい」が私の根底にある理由は、小さい頃私自身が周りと違っていて孤立していたからというところにあります。前にも描いた「鈍くさくてエネルギーが低い」という部分です。
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小さい頃、自分が周りになじめなかったから、同じく闇子ちゃん的な人に自分を投影しているのかもしれません。今回、海外のかたが私の漫画を気に入ってくれて海外の雑誌で紹介されたという流れは、私自身もまさに「負荷を乗り越えて理解してもらえた」ということなのです。それは私がnoteやPixivで闇子ちゃんを公開して、読者に「こういう思考パターンを漫画にしてくれてありがとう」というメッセージをもらうことと同じです。そのあたりの感覚を整理して今回の漫画にしています。結局のところ私は今でも孤立感が強いです。どういうことかは長くなるのでまた漫画にまとめると思いますが、そういった孤立感が杉村くんで描いていた頭の穴の本質です。だから漫画をまめに描いて公開して読んでもらい、理解してもらおうとしているのだと思います。私だけでなく何かを作る人の多くはそうですよね。ていうか誰でもみんながそうなのかもしれません。いつも読んでくれてありがとうございます。
ちなみにそのスウェーデンの友人に、お返しに送るものを選んでいるのですが、いろいろ送る中のおまけで折り鶴を一羽入れておこうと思いつきました。
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エネルギーの低い子供だったので、折り紙が好きだったのです。保育園の頃は、誕生日プレゼントに毎回折り紙をねだっていました。これもまた漫画にします。