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場づくりと祈り・願い〜ピースメイキングサークルのプロセスを組織へ〜
『この場が、集まったみなさんのその後にとって、良い兆しとなりますように。』
最近は、主催する読書会1回、企業・団体の運営相談1回にそんな祈りや願いを込めるようになりました。
そんな折に、『にぎりぼとけ』というものに巡り合いました。
智慧を司る文殊菩薩と、【だいじょうぶ きっとよくなる】というメッセージが刻印されています。
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先日、とある福祉系団体のミーティングのファシリテーションをご依頼いただいた際、円座になって一人ひとりが、この『にぎりぼとけ』を渡しながら話し合っていく方法を提案しました。
ミーティングに参加するメンバーはそれぞれ忙しく日々の業務に取り組んでおり、ここ数ヶ月ろくに互いの話を聴く時間も取れていなかった、という背景を窺っていたためです。
実施しようと提案したのは、『にぎりぼとけ』をいわゆるトーキング・ピースとした、サークル・プロセスです。(以下の画像はイメージです)
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にぎりぼとけを手にしている人は、自分の考えていること、気持ちを話したいだけ話し、周りに座る皆さんは、聴き入ります。
話す人も聴く人も、この場の目的、この場が終わってからのその先を見据えつつ、今に集中します。(当日は消毒液完備)
ファシリテーター(サークル・キーパー)として、場に入った私は、今年度初のリアルでの会合を迎えた団体の皆さんに対し、問いを投げかけて行きました。
『ここ数ヶ月の、辛かったこと・悲しかったこと・難しかったことは何でしょうか?』
『ここ数ヶ月の、良かったこと・嬉しかったこと・できたことは何でしょうか?』
『ここ数ヶ月を振り返り、今、大事にしたいことは何でしょうか?』
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問いを投げかけ、『にぎりぼとけ』を手渡された、団体の理事メンバー一人ひとりが、率直に湧き上がる感覚を大事にしつつ、話し続け、やがて話終わると、『にぎりぼとけ』が手渡されていきます。
…何か不思議な気持ちが湧きあがりつつ、その日のミーティングは終了したのでした。
『この場の雰囲気が、良かった』
『ちょっとは軽くなった気がする』
『ここが始まり。キックオフになる』
等の声が聴かれましたが、運営していた自分自身にも何か言葉になりきらない気持ちが湧きあがってきました。
何か、人が集まり、良い時間をつくっていく為の営みの、根源的なところに触ったような…そんな気持ちになったのでした。
旧くはファースト・ネイション(ネイティブ・アメリカン)をはじめとする部族も、あるいは東洋の宗教に於いても、はじまりはこういった営みだったのではなかろうか。
そんなことを感じつつ、その日のプロセスは終結しました。
(今回、応用したピースメイキングサークルのプロセスと、その源流を巡る旅については以下もご覧ください)
このご時世、対面で人が集まることに制限がかかり、また、人と画面越しであれ会うことの意義・価値も見直されつつあるところかと思います。
一つひとつの場に心を込めて向き合うことは続けていきつつ、↑のような探求の種も見つかりましたので、また探求の成果については、このnoteにも書き込んでいこうかと思います。
まずは、 日本ピースメイキングサークル協会/Peacemaking Circle Japan の尾関桂子さんに紹介いただいた黄色い本と、別のルートから巡り合った赤い本から探求を再開していこうと思います。
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