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「キャンピングカーで巡るニュージーランド南島-6」

ニュージーランドをキャンピングカーで旅した記録。今回はDay6の途中まで。よろしければお付き合いを🥰🏕️🥾
前回の記事はこちら↓↓


1.Day 5‐2:クイーンズタウン - アドレナリンの余韻

バンジージャンプの興奮が冷めやらぬ午後、トニー家族と別れを惜しむ。
「夕方、ゴンドラの山頂で再会しましょう」
マリアが提案する。夕陽を見ながらの食事を、一緒に楽しむ約束をした。

その前に、もう一つのアクティビティへ。
「ショットオーバー・ジェット」の予約時間が迫っていた。
以前も体験したアクティビティだ。

【Shotover Jet】URL:Best Jet Boat Ride in Queenstown | Shotover Jet
・所要時間:1.5時間
・スピード:最高85km/h
・渓谷での360度スピンあり

集合場所では、カナダ、中国、オーストラリアからの観光客と一緒に安全講習を受ける。
船長のジェイク(38歳)は、10年のベテラン。
「怖がる必要はありません。でも、スリル満点ですよ」
ウインクを添えて言う彼の言葉に、参加者から笑いが起きる。

真っ赤なジェットボートに乗り込む。
狭い渓谷を縫うように進むボートは、時折岩壁スレスレまで接近。
その度に悲鳴と歓声が入り混じる。

「Ready?」
ジェイクが右手を回転させる合図を出すと、ボートが360度スピン。
水しぶきを浴びながら、全員で「Woooooo!」と叫ぶ。

隣に座っていた中国人カップルと、自然と会話が弾む。
彼らも昨日バンジーを体験したという。
「クイーンズタウンは、私たちを勇敢にしてくれる場所ですね」
彼女の言葉に、深く頷く。

16時、ゴンドラ乗り場へ。
「Skyline Queenstown」は、街を一望できる人気スポット。

【Skyline Queenstown】URL:Home - Skyline Queenstown

山頂では、約束通りトニー家族が待っていた。
「見てください、あそこが私たちが飛んだ場所です」
双子の一人が、カワラウ橋の方角を指さす。

レストランのテラス席で、夕陽を待つ。
ワカティプ湖が金色に輝き始める。
「Ataahua...(美しい)」
マリアが、マオリ語で呟く。

「明日、私たちはミルフォードサウンドに向かいます」と夫。
「その前に、必ず寄るべき場所があるわ」

「アロウタウンという小さな町。かつての金鉱の街なの。私の祖父が、そこで金を掘っていたのよ」
トニーが昔話を始める。
観光ガイドにない秘密の場所を次々と教えてくれる。

夜空に最初の星が瞬き始めた頃、私たちは別れを告げた。
「Haere rā(さようなら)」
「いいえ、Kia ora anō(また会いましょう)よ」
マリアが訂正する。

山を下りながら、夫が言った。
「不思議だね。たった2日で、まるで古くからの友人みたいになれるなんて」

確かに。
旅の素晴らしさは、景色だけじゃない。
こうして出会う人々との、心の交流なのかもしれない。

2.Day 6‐1:アロウタウンからミルフォードへ - 黄金の町の物語

早朝、クイーンズタウンを後にする。
マリアが教えてくれたルートを辿り、まずはアロウタウンへ。
金鉱の街として栄えた19世紀の面影を残す、小さな町だ。

メインストリートに並ぶ古い建物が、まるでタイムスリップしたかのような雰囲気を醸し出している。

【Arrowtown】
・人口:2,700人
・クイーンズタウンから車で20分
・中国人居住区跡が残る
・建物の多くが1800年代のまま保存

「ここで朝食を」
マリアお勧めの「The Postmasters」に入る。
1863年に建てられた郵便局を改装したカフェだ。

【The Postmasters】
・建物:歴史的建造物指定
・朝食メニュー:

  • 自家製グラノーラ

  • 地元産卵のベネディクト

  • ゴールドラッシュブレックファスト

店主のヘレン(60代)は、この町で生まれ育った。
「私の曾祖父も金探しでここに来たんですよ」
古い写真を見せながら、町の歴史を語ってくれる。

朝食後、中国人居住区跡を訪れる。
1860年代、金を求めて渡ってきた中国人たちの生活の痕跡が、今も残されている。
小さな住居、水路、そして彼らが作った菜園の跡。

「あ、これ面白そう」
案内板に、「Gold Panning Experience」の文字。
金探しの体験ができるという。

【Gold Panning】
・所要時間:約1時間
・道具レンタル込み
・インストラクター付き

インストラクターのジム(70代)は、元金鉱夫の息子。
「父から教わった技を、そのまま伝えているんです」

アロー川の浅瀬で、パンを回す。
砂利と水を巧みに操り、微細な金粒を探す。
「あった!」
夫が小さな金粒を見つけ、子供のように喜ぶ。

「その金粒、記念に持って帰っていいですよ」
ジムが小さなガラス瓶をくれた。

町の博物館では、さらに詳しい歴史を学ぶ。
世界中から夢を追いかけてきた人々の物語。
成功した者、失意の中で去った者、この地に新たな人生を見出した者。

「私たちも、夢を追いかけて来たような気がするね」
夫の言葉に、深く頷く。

昼食は、かつての鉱夫たちが通ったという「The Fork and Tap」で。
1872年創業の古いパブだ。

【The Fork and Tap】
・建物:1872年建造
・地元産クラフトビール
・名物:鉱夫のパイ
・壁には当時の写真が飾られている

「ミルフォードまでは、まだ4時間ほどかかります」
店主が途中の立ち寄りポイントを教えてくれる。

アロウタウンを後にする時、なんだか懐かしい気持ちになった。
たった数時間の滞在だったのに、まるで古くから知っている場所のように感じる。

バックミラーに映る町並みを見送りながら、私たちはミルフォードサウンドへの長い道のりに向かった。
これから見る景色は、また違った物語を語ってくれるはずだ。

(続く...)

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