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「スウェーデン-北欧の真珠へ・デザインと自然が織りなす日々」


1.Day1:ストックホルム到着-旧市街ガムラスタンの魅力

コペンハーゲン経由で12時間。ストックホルム・アーランダ空港に降り立った瞬間、澄んだ空気が私たちを包み込んだ。5月のストックホルムは、まるで日本の秋のような清々しさだ。

空港からストックホルム中央駅までは、アーランダエクスプレスで20分。車窓から見える景色は、すでに期待を膨らませるに十分だった。整然と並ぶ赤茶色の建物群、その間を縫うように走る路面電車、そして至る所に配された緑地。

【宿泊先】
ホテル・リッテル (Hotel Rival)
https://www.rival.se/
住所:Mariatorget 3, 118 91 Stockholm

元映画館を改装した boutique hotel。マリアトリエット広場に面し、地下鉄駅まで徒歩1分という便利な立地。ABBAのメンバー、ベニー・アンデションが所有するホテルとしても有名だ。

チェックイン後、まずは旧市街ガムラスタンへ向かう。中世の面影を色濃く残すこの地区は、まさにストックホルムの宝石箱だ。細い石畳の路地を歩けば、13世紀からの時の重みを感じる。

午後3時、ストーラ広場でフィーカ(スウェーデンの伝統的なコーヒーブレイク)を楽しむことにした。

【カフェ】
Cafe Gråmunken(カフェ・グロムンケン)
住所:Västerlånggatan 18, 111 29 Stockholm
おすすめ:シナモンロール(Kanelbulle)とダークローストコーヒー

「フィーカは単なるコーヒーブレイクじゃない」と、隣のテーブルの地元の方が教えてくれた。「人々とのつながりを大切にする、スウェーデンの文化そのものなんだ」

夕暮れ時、ノーベル博物館へ。毎年12月に行われる晩餐会の会場となる市庁舎は、バルト海に映える夕日を背に、より一層荘厳な姿を見せていた。

夜のディナーは、現代北欧料理の名店「Matbaren」で。

【レストラン】
Matbaren(マットバーレン)
住所:Södra Blasieholmshamnen 6, 111 48 Stockholm
Matbaren - Mathias Dahlgren
予約推奨:2ヶ月前から予約可能

おすすめメニュー:
・スモークサーモンのグラブラックス
・エルクのカルパッチョ
・リンゴンベリーのデザート

シェフのマティアス・ダーグレンによる北欧の伝統と革新が融合した料理の数々に、舌を奪われる。窓外に広がるガムラスタンの夜景を眺めながらの食事は、この旅の完璧な始まりとなった。

ホテルに戻る道すがら、街灯に照らされた石畳を歩く。5月とはいえ、夜10時を過ぎても空はまだ明るい。これが白夜に向かうストックホルムの魅力の一つなのだろう。

明日は市内のデザイン地区を巡る予定だ。スウェーデンデザインの真髄に触れられることを思うと、今から胸が高鳴る。

2.Day2:都市型アクティビティとデザイン街巡り

朝食は、ホテルの大きな窓から差し込む柔らかな光を浴びながら。スウェーデンの定番である、サワードウブレッドにスモークサーモン、有機卵のポーチドエッグを頬張る。ここでも、デザインへのこだわりを感じるテーブルウェアに目を奪われた。

今日はストックホルムのデザイン探訪。まずは、ソーデルマルム地区へ向かう。

「この地区は、最近『ソーホー』と呼ばれているんですよ」
ガイドのマリアが教えてくれた。かつての労働者街が、いまや若いクリエイターたちの聖地となっているという。

【おすすめショップ】
Grandpa(グランドパ)
住所:Södermannagatan 21, 116 40 Stockholm
ヴィンテージ家具から現代のスウェーデンデザインまで、センスの良い品々が揃う。

Svenskt Tenn(スヴェンスクト・テン)
住所:Strandvägen 5, 114 51 Stockholm
1924年創業の老舗インテリアショップ。Josef Frankのテキスタイルは必見。

午前中は、「フォトジェニックストックホルム」と題したフォトツアーに参加。

【アクティビティ】
Stockholm Photo Tour
予約:https://www.stockholmphototours.com/
所要時間:3時間

プロのカメラマンに案内されながら、インスタ映えするスポットを巡る。特に印象的だったのは、モンテリウス通りからの眺望。バルト海と旧市街が織りなす風景は、まさに絵葉書のよう。

昼食は、現代的なフードホール「Eataly」で。

【レストラン】
Eataly Stockholm
住所:Biblioteksgatan 5, 111 46 Stockholm
おすすめ:スウェーデンミートボールのモダンアレンジ

午後は、デザインミュージアムへ。

【美術館】
Svenskt Design Museum
住所:Exercisplan 4, 111 49 Stockholm

ここでは、IKEAの歴史から現代のサステナブルデザインまで、スウェーデンデザインの変遷を学ぶことができる。

「デザインは、単なる美しさではない」という言葉が心に残った。機能性、持続可能性、そして民主性。スウェーデンデザインの本質を垣間見た気がした。

夕方、サウナ体験を予約していた。

【アクティビティ】
Centralbadet(セントラルバーデット)
住所:Drottninggatan 88, 111 36 Stockholm
予約推奨:https://www.centralbadet.se/

アールヌーボー様式の建物で、100年以上の歴史を持つ施設。サウナと温水プールを行き来しながら、現地の人々の憩いの場を体験。

3.Day3:アーキペラゴ(群島)クルーズと北欧グルメ

朝もやの立ち込めるニュンブロカイ(Nybrokajen)港に集まる人々。今日は、ストックホルム群島クルーズの日だ。3万以上の島々で構成される群島は、ストックホルムっ子たちの夏の楽園として知られている。

【アクティビティ】
Archipelago Day Cruise
運営:Strömma Kanalbolaget
予約:https://www.stromma.com/
所要時間:8時間

「どの島に行くかは、その日の風次第なんです」
船長のエリックが微笑みながら教えてくれた。自然と共生するスウェーデンらしい言葉だ。

この日の目的地は、サンドハムン島。赤い木造家屋が点在する光景は、まさにスウェーデンのポストカードそのもの。

途中、デッキで地元のスモーガスボード(ランチビュッフェ)を楽しむ。

【船内レストラン】
おすすめメニュー:
・にしんのマリネ
・スモークサーモンと島産ディル
・ライ麦パンとローカルチーズ

サンドハムン島では、現地ガイドのリサと共に島内散策。

「ここは作家アウグスト・ストリンドベリが愛した島」とリサは語る。確かに、この静けさと美しい自然は、芸術家の魂を揺さぶるに違いない。

島のカフェで休憩。デッキチェアに座り、バルト海を見つめながらのフィーカタイム。時間がゆっくりと流れていく。

【カフェ】
Sandhamns Värdshus
住所:Sandhamn, Stockholm archipelago
おすすめ:ブルーベリーパイと自家製アイスクリーム

夕方、ストックホルムに戻り、この日は特別なディナーへ。

【レストラン】
Oaxen Krog & Slip
住所:Beckholmsvägen 26, 115 21 Stockholm
予約必須:https://oaxen.com/
ミシュラン2つ星獲得店

地元の食材を使った現代北欧料理の真髄を味わう。特に印象的だったのは、群島で採れた甘エビのタルタル。バルト海の恵みを存分に感じられる一品だった。

「料理を通して、スウェーデンの自然を表現したい」というシェフの言葉が、一皿一皿に込められている。

ディナーの後は、夕暮れ時のウォーターフロントを散歩。5月下旬とはいえ、夜11時を過ぎても空はまだ明るい。白夜に近づくストックホルムの夜は、どこか魔法にかけられたような雰囲気を纏っていた。

4.Day4:ミュージアム巡りと現地の暮らし体験

朝日が水面に反射して輝くジュルゴーデン島へ。この島は「文化の島」と呼ばれ、ストックホルムを代表する複数のミュージアムが集まっている。

まずは、世界的な人気を誇るヴァーサ号博物館から。

【ミュージアム】
Vasa Museum(ヴァーサ号博物館)
住所:Galärvarvsvägen 14, 115 21 Stockholm
https://www.vasamuseet.se/

1628年に沈没し、333年後に引き揚げられた戦艦ヴァーサ号。その圧倒的な存在感に、思わず足が止まる。

「保存状態の良さは、バルト海の低塩分濃度のおかげなんです」
学芸員のアンナが詳しく解説してくれた。歴史の生き証人を目の前にして、時の流れを強く実感する。

続いて、野外博物館スカンセンへ。

【ミュージアム】
Skansen(スカンセン)
住所:Djurgårdsslätten 49-51
https://www.skansen.se/

1891年開館の世界最古の野外博物館。スウェーデン各地の伝統的な建物が移築され、当時の生活を体験できる。

特に印象的だったのは、パンづくりのワークショップ。

【アクティビティ】
Traditional Bread Making Workshop
予約:当日スカンセン内で受付
所要時間:2時間

「カルダモンの香りが特徴的なスウェーデンのパン。作り方は代々受け継がれてきました」
講師のクリスティーナの言葉に、食文化の深さを感じる。

昼食は、現代的な解釈のスウェーデン料理を提供するレストランで。

【レストラン】
Oaxen Slip
住所:Beckholmsvägen 26, 115 21 Stockholm
おすすめ:
・スモーガスボードランチ 385SEK(約4,600円)
・ローカルクラフトビール 95SEK(約1,100円)

午後は、ABBA The Museumへ。

【ミュージアム】
ABBA The Museum
住所:Djurgårdsvägen 68
https://abbathemuseum.com/

インタラクティブな展示に、思わず夢中になる。「Dancing Queen」のステージで歌って踊れるコーナーでは、夫婦で童心に返った。

夕方からは、現地の家庭でのディナー体験。

【アクティビティ】
Meet the Locals Dinner
予約:https://www.meetthelocals.se/

ホストファミリーのエリックとマリアが迎えてくれた。アパートメントの広々としたリビングで、スウェーデンの家庭料理を囲みながら、現地の暮らしについて語り合う。

「ラーガム(lagom)という言葉を知っていますか?」
エリックが問いかけてきた。「ちょうどいい」という意味のこの言葉が、スウェーデン人の価値観を表しているという。

5.Day5:最後の1日-スウェーデンの魅力を振り返って

最終日の朝は、地元の人々に人気のSödermalm(セーデルマルム)地区でゆっくりと過ごすことにした。

【モーニング】
Drop Coffee
住所:Wollmar Yxkullsgatan 10
営業:月-金 7:30-18:00
おすすめ:
・オーガニックコーヒー
・自家製グラノーラ 

ここでのコーヒーは、スウェーデンの「サステナブル」への意識の高さを体現していた。豆の仕入れから焙煎まで、すべての工程で環境と生産者への配慮が感じられる。

朝食後は、近くのモンテリウステラスへ。ここからの眺めは、まさにストックホルムの絶景ポイント。旧市街とマーラレン湖が織りなす風景に、思わずカメラのシャッターを切る手が止まらない。

買い物は、地元デザイナーのブティックが並ぶSoFo(ソーホー)エリアへ。

【ショッピング】
おすすめスポット:
・Acne Studios Archive
住所:Torsgatan 53
スウェーデンを代表するファッションブランドのアウトレット

・Design Torget
住所:Götgatan 31
若手デザイナーの作品が見つかる雑貨店

昼食は、最近話題のFood Courtで。

【ランチ】
K25 Food Court
住所:Kungsgatan 25
おすすめ:
・スウェーデンミートボール 

午後は、市庁舎(Stadshuset)の見学ツアーに参加。

【観光】
Stockholm City Hall Tour
予約:当日可能

ノーベル賞晩餐会が行われるゴールデンホールの荘厳さに圧倒される。青と金で彩られたモザイクの壁は、まさに芸術品。

最後の夜は、現代のストックホルムを象徴するような場所でディナーを。

【レストラン】
Tak Stockholm
住所:Brunkebergstorg 2-4, 111 51
予約:https://tak.se/
おすすめ:
・北欧と日本をフュージョンしたおまかせコース
・ルーフトップバーからの夕景

スウェーデンでの発見は、デザインや建築の美しさだけではなかった。環境への配慮、ワークライフバランス、そして「ラーガム」の精神。これらすべてが調和して、独特の生活文化を形作っている。

空港に向かう電車の中で、夫が呟いた。
「また来たいね」
その言葉に、私も静かに頷いた。

≪旅の基本情報≫
■ベストシーズン
5-8月:白夜と温暖な気候を楽しめる
12-2月:クリスマスマーケットやウィンターアクティビティが充実

■交通
・空港から市内:Arlanda Expressが便利(20分)
・市内:地下鉄、トラム、バスが発達
・SL Access Card(交通カード)がお得

■その他
・クレジットカード社会(現金不要)
・チップ文化なし
・英語が広く通じる
・無料Wi-Fiスポット多数

※この記事は筆者の主観に基づいて作成されています。旅行前に最新の情報を確認することをおすすめします。

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