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「キャンピングカーで巡るニュージーランド南島-3」

ニュージーランドをキャンピングカーで旅した記録。
今回はDay3の途中まで。よろしければお付き合いを🥾🏕️🥰
前回の記事はこちら。


1.Day 3‐1:マウントクックへの道 - アオラキの呼び声

テカポ湖は神秘的な表情を見せていた。
早朝5時、夫が私を優しく起こす。
「日の出を見に行かない?」

まだ暗い外気に身を包み、湖畔まで歩く。
徐々に空が白み始め、やがて太陽が顔を出す瞬間。
湖面が燃えるように輝き始めた。

「コーヒーでも飲む?」
キャンピングカーに戻り、初めての車内での朝食準備。
小さなキッチンで、二人で協力しながら。

【車内での初朝食】
・フレンチプレスコーヒー
・トーストとアボカド
・昨日買った地元の蜂蜜
・ヨーグルトとフルーツ

隣のピーターとジェーンも起きていた。
「マウントクックに行くなら、プトゥキ氷河湖に寄ることをお勧めするよ」
地図を広げながら、ルートを教えてくれる。

7時、テカポ湖を後にする。
清々しい朝の光の中、マウントクックに向かって走り出した。

道中、タスマン渓谷に差し掛かると、突然の衝撃。
「わっ!」
私の声に、夫もハンドルを握り締める。
眼前に広がる風景は、まるで別世界だった。

ターコイズブルーの湖水、褐色の岩肌、そして真っ白な山々。
三層の色が織りなす景色に、思わず車を停めてしまう。

「写真じゃ伝わらないよね、この迫力」
夫の言葉通り、どんなカメラも、この壮大さは捉えきれない。

プトゥキ氷河湖に到着したのは9時半。
ピーターの言葉通り、素晴らしい場所だった。
氷河湖に浮かぶ小さな氷山。時折、クラックという音と共に氷が割れる。

遊歩道を歩いていると、ガイドツアーの一行に出会った。
ガイドのマオリの男性が、この地の伝説を語っていた。

「アオラキ、これがこの山の本当の名前です」
彼の声には、深い敬意が込められていた。
「私たちマオリの言葉で『雲を突き刺す山』という意味です」

立ち止まって話を聞かせてもらう。
アオラキは単なる山ではなく、マオリの人々の先祖であり、守護神なのだという。

「写真撮りましょうか?」
ガイドが申し出てくれた。
バックにマウントクックを配して、記念撮影。
「素敵な笑顔ですね。アオラキも喜んでいますよ」

11時、いよいよマウントクック村に到着。
観光案内所で、アメリカ人家族と出会う。
二人の小さな子供たちが、興味津々で私たちのキャンピングカーを覗き込んでいた。

「中を見せてもらえる?」と母親が尋ねてきた。
「もちろん!」

車内を案内しながら、これまでの旅の話で盛り上がる。
「私たちも来年は、キャンピングカーで挑戦しようかしら」
子供たちの目が輝いていた。

2.Day 3‐2:マウントクック村 - 氷河との邂逅

マウントクック村は、まるで絵本から飛び出してきたような集落だった。
周囲を3,000m級の山々に囲まれ、建物は全て自然と調和するよう配慮されている。

【宿泊地】
White Horse Hill Campground
URL:White Horse Hill conservation campsite: Aoraki/Mount Cook National Park, Canterbury region
特徴:
・フッカーバレートラックの入り口に位置
・マウントクック国立公園内唯一のキャンプ場
・シャワーは有料
・キッチン完備

サイトに到着すると、すぐ横でパラグライダーが舞い降りてきた。
「見事な着地でしたね」
声をかけると、パイロットのマーク(30代・地元ガイド)が満面の笑みで応えてくれた。

「天気が良ければ、夕方にもう一度フライトします。上空からの夕陽は格別ですよ」
その言葉に、夫の目が輝く。
「挑戦してみる?」と私。
「うん、人生一度きりだからね!」

予約を済ませ、午後はフッカーバレートラックへ。
マークお勧めのルートだ。

トラック(ニュージーランドではハイキングコースをこう呼ぶ)の入り口で、年配のレンジャー、ビル(60代)が注意事項を説明してくれた。

「天候は変わりやすいので、常に空を確認してください」
「そして、これは『トラック』であって『トレイル』ではありませんよ」と冗談めかして。

歩き始めて15分。
吊り橋を渡る時、急に強風が吹き、私は夫の腕にしがみついた。
「大丈夫、しっかり掴まって」
揺れる橋の真ん中で、二人で笑い合う。

フッカー氷河を望む展望地に到着。
目の前には、千年の時を刻んできた氷河が横たわっている。
「ここでランチにしよう」

隣で休憩していたドイツ人カメラマンが話しかけてきた。
「あそこに、ケアを見つけましたよ」
レンズを向ける先には、ニュージーランドの固有種である賢い山岳オウムの姿が。

「餌は絶対に与えないでください」とレンジャーから注意されていた通り、私たちは距離を保って観察。
ケアは好奇心旺盛な目で私たちを見つめ、時折甲高い鳴き声を上げる。

帰り道、雨が降り出した。
が、20分もしないうちに上がり、代わりに虹が現れた。
「こんな場所で虹が見られるなんて」
夫とハイタッチ。

キャンプ場に戻ると、マークが待っていた。
「完璧な風条件です。フライトに行きましょう!」

続く...

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