ふつう"じゃない"人のための不動産投資戦略#3
はじめに
仕事でバタバタしており着手がかなり遅くなってしまったことを反省している。年度初めはどの会社でも忙しいものだが、爪が掛からない仕事をすると余計に手間がかかる。暴落後の傷ついた資産をリカバリするために本業をもう少し安定させたいのだけれど、それはそれで手間のかかる作業だ。ここ1ヶ月は少しづつ反転して来ているが、円貨で見た時のドル資産の目減りが地味に辛い。今日はふつうじゃない不動産投資の3回目になる。
底地
不動産のサイトを検索していてこれは安い!と感じる建物に出会ったことはないだろうか。都会ではそのような物件は借地権で建てられていることがある。借地権での建物と聞いて所有権ではないことから買いを控える人もいるだろう。底地とは借地権者に土地を貸出している地底権が及んでいる土地を指す。底地を購入した場合、あなたは地代と呼ばれる定期収入を手に入れるが、土地の固定資産税はあなたが支払う必要がある。しかしながら、価格は低く、かつ、地上権の所有者から定期的な収入があり、土地や建物をメンテナンスする必要はない。投資としてはかなりトリッキーであり、利回りを上げていくにはかなり根気がいるのだけれど、競争相手の少ない投資先になる。このような複雑で多層的な物件は古い土地が多く、昔から地上権を所有し、行使している権利者がいる。彼らは昔からその土地を借りているので信じられないような値段で借りていることが多い。また、売買の際に地上権の所有者や賃借人との接触を禁止するような覚書を結ばされることがあり、交渉には根気が必要である。
借地権
先ほど所有権でないので買いを諦める人がいると書いたが、日本の借地権、とりわけ旧法借地権というのは借り手が信じられないくらい強い権利を持っている。新法の定期借地権ならともかく、旧法の土地というのは買ったり使ったりするには最高の物件であり、安い地代を納め続ければ殆ど永遠に更新可能である(一方で出口戦略は難しい)。逆に言えば旧法借地権の底地を買うのは自殺行為に近い。底地を買うというのは地上権の所有者が持っている権利や最初から安定的な利回りが担保出来るかが勝負になる。そうでなければ、粘り強く地代の値上げを交渉していくしかない。
まとめ
以前、これは!と思える底地があった。整形地で国道に面しており、借り手は大手の介護事業を営む会社だった。土地や建物の状態も悪くなかったし、利回りは5%強と悪くない。だが、この土地は私に地縁がなく深掘りしなければ手が出せなかった。その後、初期投資資金の工面について考えながら、土地について調べていたら、あっと言う間に売れてしまいその後は同じレベルの案件に出会ったことがない。旧法の地上権を持つ住み手としての価値や稀に出る価値ある物件には競争相手が少ない分だけ参入し易い。妙な底地を引くのだけは勘弁願いたいが、お値打ち案件も転がっている。このNote がどうか少しでも困っている人の役に立ちますように。