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しゃべるのが苦手な人のための職場の雑談入門 3.雑談を作る技術
ここからは実際に雑談をどうやって組み立てていくか、本当に基本中の基本を改めて確認しよう。
雑談のきっかけを作る
パソコンの前で座っているだけでは、待っていても雑談する機会はやってこない。雑談の機会は自分から求めていかなければいけない。
だからといっていきなり同僚の席の横に行って話しかけるというのもなんか変だ。
雑談に至るまでのステップを踏まえながら雑談に持っていくまでの関係性の構築を目指していこう。
ステップ① 挨拶
関係性の最初の土台は挨拶だ。
廊下ですれ違った際や他部署の部屋に入室するとき挨拶をしているだろうか。はっきりとした声で挨拶をして、自分の顔を覚えてもらい、相手の顔を覚える。いきなり道端で知らない人に話しかけようとは思わないのと同じで、相手に自分のことを認知してもらわなければ、雑談の対象として見てもらえない。
ステップ② 業務上の簡単な質問と感謝
相手の顔を覚えたら、次に業務上の質問を作って声をかける。
ハサミやボールペンを借りたい、会議室の使い方を教えてほしい。とにかく些細なことでよいので周りの人に尋ねてみる。その後、用事が終わったタイミングで「ありがとうございました。おかげでうまくできました」とお礼と結果を報告する。
挨拶と同じで、いちいち感謝することを大事にしよう。
ステップ③ 雑談
業務上の会話を2、3回繰り返したらやっと段取りは完了だ。ここまでで業務上必要な会話ができる関係性になれた。こうなれば相手から雑談を振ってくれるかもしれないし、そうでなくてもこちらから雑談をふっても自然に見える。
まずは業務にかこつけた感想でよい。「ハサミの切れ味が良かったです」「思ったより会議が長引いて、予定時間を過ぎて会議室を借りてしまいました。すいません」こんな感じの感想が言えるようになれば、まずは相手との距離を縮める第一歩となる。
雑談のパターン
このように相手との最初の関係性ができれば、今度はいつでも雑談ができる関係性の構築を目指していこう。
はじめは雑談に意味のある内容を求める必要はない。相手と自分とで会話のラリーが続けられさえすれば内容はなんでもよい。
ただ、無難で会話しやすい雑談のテーマには頻出のパターンがあるので、最初のうちはパターンの中から話題を選んで振ってみよう。会話に慣れた営業職でも初めの会話の掴みはほとんどが頻出パターンを使っている。
よく話題になりやすい事柄は新聞などでキャッチアップしておく、事前に相手の趣味を下調べしておいてさりげなく話題に触れるのもよいだろう。注意点として、こういった行為が行き過ぎると営業職の領域に入ってしまうので、あまりにやりすぎるのも手段と目的が逆転してしまう。ほどほどに。
具体的な雑談のパターン
・身の回りの質問をする
「職場のアンケート書き終わりましたか?」
「給湯室の冷蔵庫が壊れた件、どうなりましたか?」
・天気や時事ネタを振る
「今日は暑いですね」
「ワールドカップ、日本が勝ちましたね」
・身の回りの出来事の感想を述べる
「この部屋暑いですよね」
「電車が止まって会社に遅刻しそうでした」
・共通の人や業務の情報交換をする
「新しい経費処理システムが導入されるらしいですよ」
「○○さんは来週からハワイに旅行に行くそうです」
・感謝する
「昨日は懇親会に誘ってもらってありがとうございました」
「お土産のお菓子おいしかったです」
雑談に慣れないうちは、更にこれらの頻出パターンでどういった会話のラリーになるかを想定してみよう。相手に振るだけでなく、相手から振られたときにどう返すかまで考えておこう。
NG例
自分「ワールドカップ、日本が勝ちましたね」
相手「深夜の放送だったので観てませんでした。ニュースによると接戦だったらしいですね」
自分「いやぁ、自分もリアルタイムでは観ていなくて…」
OK例
自分「電車が止まって会社に遅刻しそうでした」
相手「危なかったね」
自分「会社まで走ってきたのでちょっと汗をかいてしまいましたよ。経理の○○さんも同じ路線だから遅れてきているかも」
観察してまねる
雑談がうまくなるための身も蓋もない結論は実践あるのみだ。
こんなビジネス書崩れの記事など放り投げて、あなたのまわりにいる雑談がうまい人の良いところを真似て会話してみよう。
真似ができるということは、対象となる人の会話を観察し、なぜその人の会話が良いのかが理解でき、なおかつ自分の会話にそれを応用できるということだ。
雑談には始まりがあり、終わりがある。話題があり、会話のテンポがあり、相手との距離感がある。雑談の構成要素自分なりに分解して、その人の雑談がうまさを構成要素に還元し、特徴を分析してみよう。
真似をするためには、対象となる人物の会話を聴きながらこんなことを考えてみよう。
・どうやって会話を始め、終えているか
・どんな質問をしているか
・どんな回答の仕方をしているか
・なぜ会話が続いているか
・会話のテンポ、声の大きさ、表情はどうなっているだろうか
・その人をさらに良くするにはどのようなことをすればよいだろうか
ここまでのことを繰り返しやってみれば、職場でのちょっとした雑談をスムーズにこなせるようになっていくはずだ。入門②のところで述べたように失敗しても気後れしないことを胸に刻んでおこう。