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大学時代に不登校になったこと①~導入編~

1.はじめに

大学院のころ、私は精神的なバランスに異常をきたし、大学院にほとんど行くことがなかった。心療内科を受診したが、はっきりとした病名を言い渡された訳ではないため、うつ病だとか、適応障害だとかの精神疾患が発現する手前で踏みとどまったのだろう。

しかし修士の2年間のうち1年以上で大学に登校することができず、向精神薬と睡眠導入剤を服用しながら、ちょっとだけ登校し、「留年しても改善の見込みがないから」という理由で修士課程を修了した。

結局、社会人となり環境が変わると嘘のように改善したが、社会人になっても2,3年はふとした瞬間に「大学に行きたくない」と口に出してしまうほど大学時代の不登校を精神的に引きずっていた。

もう10年近く前のことだ。

今となっては、なんであんなことで悩んでいたのか、と当時の自分を冷静に見ることができるようになったし、そこから学びも得た。

自分の体験の供養と今も同じく研究室に行けない人たちにとっての参考を兼ねてこの記事を書く。

本文章は私個人の大学時代の不登校の体験をもとに、個人的な考えを述べた記事です。
私個人は精神疾患に関する専門家ではありません。よって本来の標準的な精神疾患に対する処方と異なっていることを主張していたり、精神疾患の典型的な事象とは異なることを述べている可能性があります。
不登校や精神疾患等の問題を抱える方や周りのそのような方へのケアを考えている方は、本記事の内容は一つのケースとして参考にするにとどめ、心療内科や精神科の医師やカウンセラーなどの専門家の指導に依拠するようにしてください。

2.私は誰か

2008年に地方の公立高校を卒業後、関東の理系大学に進学(化学)。男性。
上京後は寮生活を経て一人暮らしをはじめた。
2011年から研究室に配属。そのままその研究室の大学院に進学するも、院進学前後から研究室に不登校になってしまう。不登校時期と通学時期を繰り返しながら、2014年に大学院を卒業し化学メーカに就職。
就職以降はほぼ正常な社会人生活を送っている。

3.どのように不登校になったか

大学4年生で研究室に所属してから、徐々に研究室に足を運べなくなっていった。コアタイムのない研究室であったため、マシンが使えない日は研究室に行っても行かなくても何も言われないような環境だった。はじめは1週間のうち半日大学に行かない日があり、1日大学に行かない日ができて、それが2日になり、3日になり…とだんだんと大学に行く日が減っていき、大学院に進学したあたりから1週間まったく大学に行かない日も出てきた。そして、修士1年の夏ごろから、大学に長期で登校できなくなった。

おそらく半年程度大学に登校することなく、アパートに引きこもっていた。

そしてそれは修士課程のあいだ続いていく、不登校生活の始まりであった。

(②に続く)

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