オプラ・ウィンフリー×レディ・ガガ 『ウェルネス/メンタルヘルス』
全米TV司会者、オプラ・ウィンフリーの『2020ヴィジョンツアー』。第一日目のゲストとして登場したのは、レディー・ガガ!自身のメンタルヘルスについて赤裸々な対談をされています。
私自身も、ウェルネスの認識を持つことは日本でも大切だと思っており、今回翻訳にしてみました。(ビデオに字幕を挿入したかったのですが、できず、文章で載せます!※簡訳/違訳となっています。ご了承/ご指摘ください^^;)
Youtubeリンク:https://www.youtube.com/watch?v=f8iNYY7YV04
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Oprah:さあ始めましょう!私が2020ビジョンツアーの中でウェルネスについて取り上げようと決めた時、世界で最も影響力のあるチェンジメーカーをここに呼びたいと思ったの。今日は記念すべきツアー初日のゲストとして、この方をお呼びしています!レディー・ガガ!
Gaga: 呼んで頂いてありがとう!今日は休暇先から駆けつけたのよ。
オプラの為ならなんでもするわ。
Oprah:以前、Ellen誌で対談をした際に、もっとガガの経験を多くの人と共有しないとと思ったの。今日は土曜日にも関わらず、ガガが来ると知ってこんなにも大勢の方が集まってくれました。
みんな自分自身のビジョンやより良い人生を探しているんだと思うわ。
Gaga:そうね。私はこの会場の皆さんだけでなく世界中の人たちに最高の人生を歩んで欲しいと願っているわ!
Oprah:ガガ、まず、あなたがいつ“ガガ”を作り上げるビジョンを持ったのかを知りたいわ。
Gaga:そうね、まだ若かった頃、高校生の時は、色々なことに行き詰まっていたの。いじめられたし、自分のこともあまり好きでなかった。歌手になりたいこと、女優になりたいことをからかわれて、すごく孤独を感じていた。それで大学を中退したの。皆さんは中退しないでね。でも私は夢を追いたかったしガガになりたかったから中退した。スーパーヒーローになって自信を持ちたかったし、自分や周りの人に対して優しさを持っていたかった。私が持つ世界に対するヴィジョンを、もっと共有したかったの。
Oprah:ガガ自身が“ガガ”という人物を作り上げたのね?
Gaga:自分でも、ここまで何が起こってきたのか理解しきれていないけど。
ある日“ここ”に設定していた自分自身の目標が、気がついたら突然もうそこにいて・・
Oprha:以前の目標と一直線になったのね。あなたは言ったわね。ガガを作り上げたことは、飛ぶための翼をステファニー(本名)に与えたのだと。
Gaga:自分のために翼を自分に与えたの。それから10年以上が経って、世界中の人が私に注目しているということを今では私自身認識している。だから私は何か役に立つことを言って人々の人生を変えたいし、今、私のミッションは昔とは違って、この世界全体に責任があると思っているわ。
Oprah:この前のElle誌の対談の時に驚いたんだけど、今までガガはファッションなどで人々を驚かせてきたけど、もうその必要性を感じていないと言っていたわよね?
Gaga:これまでは皆さんを驚かせるためにパフォーマンスを楽しんでいたわ。でも、それは皆さんに私を見てもらうための表現の一部でしかなかったし、皆さんの反応も変わってきているの。まず、髪がピンクでももう誰も驚かないわよね?それに、今私が一番皆さんを驚かせることができるとしたら、私が経験してきたことや苦しんできたことを正直にさらけ出すことだと思っているの。それによって誰かの助けになるかも知れないし、今、私は世界のメンタルヘルスについてすごく危機感を抱いているの。
Oprah:ガガは、Apple TVで私がヘンリー王子と共同でやっているメンタルヘルス・シリーズへの協力を表明してくれています。それと、オスカーの時にあなたとブラッドリー・クーパーについて噂が上がっていたけれど、真相はどうなの?
Gaga:私たちは映画のためにいい仕事をしただけよ。
Oprah:あなたのあのスピーチの中で気に入った言葉があるんだけど、「私のこれまでのハードワークは、“勝つこと”ではなく“諦めないこと”だった。夢があるなら諦めないで。パッションには訓練が必要。何度拒否されたり失敗したかではなくて、何度立ち上がって勇敢に立ち向かってきたかが大切です」私はこの言葉が大好き。
Gaga:ありがとう。情熱を持ち続けるには訓練が必要なの。まずは座ってあなた自身に感謝する。そしたら周りの人に優しさを与えられるようになるわ。これが世界を癒す方法よ。
Oprah:オスカーの時に、身体に痛みがあるって言っていたけど、それはハードワークのせい?それとも実際に身体的、または感情的な痛みがあるの?
Gaga:特に秘密ってわけではないんだけど、私は精神的に問題を抱えています。それに、線維筋痛という慢性的な身体の痛みも持っています。脳を通して身体中に痛みがくる症状で、こうして座っていても実は痛みを感じています。でも、神経科の研究で、この症状はメンタルヘルスセラピーで改善できることがわかっている。メンタルヘルスは一つの病気なので、無視してはいけないの。
Oprah:メンタルヘルスについてもう少し教えてくれる?私は南アフリカで学校も運営しているので、トラウマがどんな風に影響するのか知りたいの。
Gaga:そうね。私は19歳の時にレイプにあって、それからPTSDを発症したわ。でも、特に専門家や医師に頼ることもなくここまで走り続けてきてしまったの。でも、ある日突然、この強烈な身体中の痛みに襲われるようになった。この病気はまだよく知られていないから、研究を重ねて対処法を解明していきたいと思っている。だからここで表明したいんだけど、今年、2020年から、私は世界で最も優秀な医師や研究者を集めて、このメンタルヘルスの問題を解決していきたいと思っています。
Oprah:レイプがあってから、解決法もなく、リストカットもしたと言っていたわよね?ここにはそのようなお子さんを持つ親御さんもいるかもしれないので、リストカットについて少し話してもらえる?
Gaga:そうね。私は自分の手首をカットしたことがあります。カットすることによって自分を認識したいから。もちろん他にも様々な理由があるけれど、主な要因は二つ。一つは、カットした直後だけ、他の痛みから解放されることができる。でも、その後はパニックで負の連鎖になってしまうから絶対にダメな行為です。二つ目の理由は、“見せること”。ママがよく言うの。「見せるのではなく、言いなさい」って。カットすることで、誰かに助けてほしいって見せているのね。
Oprah:オスカーの時に、困難にあっても諦めないことが大事だと言っていたけど、ガガにとってそのモチベーションは何なの?
Gaga:それは皆さんです。そしてオプラのような強く聡明な女性。
それと、少し誤解を招くかも知れないけれど、薬の服用はとても役に立っているわ。薬を使うことに抵抗がある人は多いかもしれないけれど、あなたの主治医が抗うつ剤を処方するだけだったらダメで、精神科や脳外科医にきちんと見てもらわないとダメなの。もちろん誰もが高額な治療費を払えるわけではない。だからこそ、私はみんなが同じ情報にアクセスできて、次の世代がしっかりとこの問題に対処できるようにしていきたい。メンタルヘルスは危機的な問題なんです。
Oprah:薬を服用しているのね?服用しなかったらどうなるの?
Gaga:抗精神薬を服用しているわ。全体の1.4%の人が服用しているように。服用しなかったら、目が回ったり、睡眠中に痺れたりするの。
Oprah:痛みがあっても創作活動はできるの?
Gaga:できるわ。薬やいろいろなセラピーを行なっているから。DBTセラピー(弁証法的行動療法)では、“ラディカル・アクセプタンス(徹底的に受け入れる/諦める)”という考え方を学んだわ。例えば今私はここに座っているわね。で、向こうの方に今の緊張や羞恥心を入れた箱を想像して、それを小さくしていく。そして自分にこう言うの。「私はメンタルヘルスに問題があって、薬も服用している。でも私は強く、どんな経験も受け入れる、もっと世界と共有して世界をより良い場所にする」と。
Oprah:前に、「徹底的な受け入れができない限り、人生を前に進めることはできない」と言っていたわよね?
Gaga:ドクターと話していて、彼が言ったの。「この状態を受け入れられない限り、この痛みは続くよ」って。私は「受け入れることだけでこの全身の痛みがなくなるの?嘘でしょ?」って思った。でも、時間はかかったけど、ドクターの言う通りにやったら、痛みが少しずつ軽減していったわ。私は実際ソファーからも動けなかったけど、徹底的に受け入れる、そして薬にも頼ったり、トラウマを人に話したりすることで回復してきたのよ。
Oprah:ラディカルアクセプタンスの考え方は人生におけるあらゆる困難にとって役に立つと思うわ。理想通りにいかないことも、受け入れることで次のステップが見えてくるでしょ。
Gaga:問題解決の方法なのよ。例えば、何かに嫌気がさしてるとするじゃない。そしたらなぜそれが嫌なのかを書き出してみる。そして事実と照らし合わせて、どんなアクションを取ればいいのか決めていくの。Oprah:ガガはすごい速さで有名になったでしょ。どこかで、名声のためでなくインパクトを与えるために活動すると決心したのよね。
Gaga:私は音楽や女優業を通していつもインパクトを与えたいと思っているわ。でもあるとき、ある種の精神的な目覚めがあって、私は自分がスピリチュアルで宗教的な人だと思っているんだけど、音楽や女優をやりたいだけではなくて、私のショーを見てくれる皆さんの助けになりたいと気づいたのよ。神様、言い方はなんでもいいけど、“神様”に話しかけるのよ。「どうすればいいか教えてください、何を言えばいいか教えてください」って。それで見てよオプラ。今日、私はあなたの隣に座っているわ。
Oprah:何が一番大きな精神的な目覚めだったの?
Gaga:おそらくそれは割と最近だったのね。慢性的な病気になって、私は決して「これは神様が私に与えた」とか「カルマだ」とかは思わないんだけど、全てのことには理由があると思っているの。だから、この痛みをもらったことで、今度は同じように痛みを抱えている人を救いたいと思っているわ。
Oprah:痛みから知恵を得たわけね。ガガ自身、学びに一番時間がかかったと思うことはどんなこと?
Gaga:“賢明でいること”ね。みんな理性的な部分と感情的な部分があって、理性的であれば知的な考えでいられるし、感情的だとイライラしたり悲しんだりするけど、この二つがいつも一致してれば、賢く居られる。どちらかに偏っている時は自分を真ん中に戻すのよ。実際に脳で何が起こっているかと言うと、悪い状態に偏ってしまった時は、脳が片方に一気に振られて、その瞬間、私は全身の痛みを発症する。何も起こっていなくてもトラウマを思い出すだけで痛みやパニックになる。もちろん病院に行けばドクター達がケアしてくれるから感謝しているわ。
Oprah:ガガがこんなにオープンで正直に話してくれることに驚いているわ。正直、メンタルヘルスについて公表することに恐れは感じた?
Gaga:人々に知られることよりも、精神病自体の方に恐れがあったわ。
私は正直な性格だから、精神病のことも告白しないといけないと思っていたし、それが何かのためになればいいと思っている。セラピーで最初にやったワークは、客観視をすることなの。正直、当時は、自分が自分自身と乖離してしまっていたんだけど、セラピーのお陰で、自分は世界の一部でもあると認識できるようになったわ。
Oprah:どうやって自分を自分に戻したの?
Gaga:大変なことをたくさんしたわ。自分に嘘をついたらダメよ。エゴは自分を過大に見せようとするから、そうではなくて、真に自分を受け入れるしかないの。あなた自身に制限をかけてしまったら、問題は解決できないのよ。自分のことがわからなかった時、私の脳は完全に機能していなかった。でも、それから自分を知ろうと努力したわ。
Oprah:どうして自分を失ってしまったのかしら?“ガガ”と言うリトルモンスターに捧げすぎたのかしら?
Gaga:私はただ止まれなかったの。踊って働いて、、病気がわかるまでに1年もかかったわ。だからその間は薬もセラピーもしていなかった。
Oprah:そしたらその間あなた自身とどうやって向き合っていたの?
Gaga:死ぬかもしれないと思って怖かったわ。
Oprah:ステージでパフォーマンスをして、ホテルに戻って夜寝るときは、死ぬかもしれないと思っていた?
Gaga:そうね。約5年間。
でもその5年間も深く受け入れているわ。なぜならそれも含めて私だから。
Oprah:わかったわ。でも同時にガガ、それってとても孤独に感じるわ。私たちは今このIインスタグラム社会に生きていて、みんなが自分のことを露出しているけど、そのためには全てを受け入れないといけない、レイプのことも含めて。
Gaga:そうね。私たちの業界なんて、みんなどこかで繋がっているから、レイプがあった時も誰も私を助けてくれなかったわ。私はその人の名前を公開しない選択をしたけど、この判断に関しては皆さんに理解してほしいわ。
Oprah:少し孤独について話しましょう。みんな、「有名になればいつもサポートしてくれる人に囲まれていて、そんな生活を夢見ているけど、でも一方で、孤独な道のりでもあるのよね?」
Gaga:慢性的な痛みなんてあったらもっと孤独よ。
でも、私のミッションを信じてサポートをしてくれる友人や、ここにいる皆さんのお陰で今日ここにいられるので、本当に感謝しています。
Oprah:ラディカルアクセプタンスで自分自身をもっと愛することを学んだのよね?
Gaga:そうね。自分に優しくなれる時もあればなれない時もある。自信がある時もあればない時もある。単純にそのことを受け入れるのね。毎日違うけどそれでいいのよ。一つ、私が自分に約束していることは、「感謝すること」。痛みがあっても、「この痛みをありがとう。教えてくれてありがとう」って感謝するようにしているわ。
Oprah:精神を安定させるために毎日やっていることは何?薬の服用..?薬は創造性に支障はないの?
Gaga:薬は毎日服用するわ。創造性に影響はないわよ。メンタルヘルスとヒーリングについてはもっと研究して世界に共有したいと思っているわ。麻薬は一切使っていない。一種の抗うつ剤を服用している。それと一つ言っておきたいんだけど、みんなそれぞれ症状は違うから、助けが必要だと思ったらきちんと精神科医に行ってください。私がしていることがあなたに当てはまる訳ではないので。
Oprah:自分に合う薬を見つけるまでは色々試したの?
Gaga:いろいろ試したわ。
大切なことはきちんと専門家と一緒に対処していくこと。
今日、私は私の個人的な経験を話しているけど、これはあくまで個人的なもので皆さんにも当てはまるわけではないので注意してくださいね。
Oprah:薬の服用以外にも健康を保つためにやっていることがあるのよね?
Gaga:私は瞑想をやっているわ。運動も毎日する。でも、きちんと自分の体に耳を傾けて、その時に応じて調整しているわ。トークセラピー、DBT、他にもいろいろあるわ。
Oprah:だから常に積極的に自分自身に向き合っているのね。
いつJG6(ガガの作品)に取り組んでいるの?
Gaga:もう1年間やっているわ。皆さん心配しないでください、音楽はこれからも作っていきます。
Oprah:ガガにとっての“スーパーパワー”は音楽?
Gaga:正直、いくつかあるわ。そしてまだ全ては使っていないと思う。
Oprah:ガガのパワーの一つは、Born This Way財団を立ち上げたことだと思うわ。ガガの偉業の中でも素晴らしい活動。この財団の立ち上げたときには何を意図していたの?
Gaga:この財団では、メンタルヘルスにおける研究をきちんとして、その情報を多くの人に提供していきます。また、国中の学校にメンタルヘルスのファーストエイドを提供したい。これは私のコミットメントですが、どの学校もメンタルヘルスの専門家がいる環境を作りたい。授業にも取り入れてほしい。健康について、脳や心、マインドや身体の繋がりについてね。
それに、カインドネスの重要性やトラウマ、鬱についても学んでほしい。人口の45%もの人が鬱で苦しんでいるのよ?原因は孤独。携帯やSNSのせいで、直接的な人同士の繋がりが崩壊しているからよ。もう止めないと。
Oprah:財団では、「少しだけ勇敢になる」ということを伝えているわよね?
Gaga:そう。少しだけ勇敢になる、毎日ほんの少しだけ。何もできない時は、例えばお風呂に入ってみるとか、髪を洗ってみるだけでもいいのよ。
Oprah:それと、私にとって最も重要な信条は、“感謝”だけれど、ガガにとっては“優しさ”なのよね?
Gaga:優しさは世界を癒すわ。正直言って、地球は今キッチンの上で腐りかけているリンゴのような状態なのよ、本当に。だから私たちはそのリンゴを優しく扱わないといけない。少しでも長く“生き延びて”もらうために。
私がコミットしたことを読むわね。
「私は、メンタルヘルスの問題を解決して、私にできる最大限の心を世界にもたらします。癒しの源泉を作ります。なぜならそうすることで、私自身にも恩恵が返ってくるからです。」
Oprah:その通り。ガガ、ありがとう!
完
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それぞれが自分らしくいられることを願って( ^ω^ )
最後までお読みいただきありがとうございました!