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肘の違和感を考える

僕はテニス肘になったことはありませんが、サーブにおいて、肘の違和感を覚えた瞬間があります。

これはサーブだけでなく、恐らくはフォアハンドによっても感じる人がいると思います。

肘が抜けるという感覚

見出しの通り、僕はこの違和感を肘が抜けるような又は肘が抜けそうになるような感覚と言語化してみます。

引用元
https://www.tacticaltennis.com/sharapovas-serving-changes/

(シャラポワ選手のサーブ、インパクトの瞬間
プロに対して失礼なのですが、個人的にはこの腕の形には違和感があります)

サーブにおいてこれが起きるタイミングは、インパクト直前もしくはインパクト後になります。
痛みが走るというよりは、筋肉がこれ以上伸びないのに更にテンションが掛かり伸ばされているような気がします。
柔軟ストレッチをしている時に感じるものに近いと思います。

ただ柔軟と違い、サーブ動作中というのは、途中で止めることが出来ません。
自分に掛かるテンションを調整できず、それはラケットがどれだけ加速してインパクトを迎えるかに左右されます。

インパクト前後で肘はどうなっているか?

引用元
http://cpta-tennis.org/roger-federer-efficient-service-3-0/
引用元
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2016/01/21/gazo/G20160121011894440.html

サーブのインパクトへ向けラケットは加速していきますが、イメージ的に肘はだんだんと伸びていく感じがします。
フェデラー選手と錦織選手は、共にインパクト前後で肘が伸びているように見えます。

しかし実はインパクトの瞬間、肘は完全に伸びきることはないのです。
(これはフォアハンドのストレートアームやバックハンドにおいても同様の概念です)

ただし錦織選手は伸びきる瞬間が存在します(理由は色々ありますが、一番の問題は打点だと考えています)。

何にせよ、インパクトへ向けて加速する区間では曲げられた肘が伸びていき、インパクトでは伸びているような見た目になります。
その後フォロースルーですが、ここは大まかに2パターンがあります。

引用元
https://tennishead.net/tennishead-insight-the-simple-but-incredible-tactic-that-makes-roger-federer-so-great/

一つはインパクトそのままの肘が伸びた(ように見える)状態でフォロースルー。

引用元
https://www.lapresse.ca/sports/tennis/201106/17/01-4410408-pete-sampras-le-maitre-du-gazon.php

もう一つは、インパクト後に肘をたたみ曲げていくフォロースルーです。

これについては、別の機会に考えたいと思います。

何故肘は伸びきってはいけないのか?

伸びきるという表現よりも、もっと近しい言い方をして、反らすという方が良いですね。

引用元
https://www.visiblebody.com/ja/learn/muscular/muscle-movements

肘という関節は、屈曲(曲げる)と伸展(伸ばす)を行えます。
伸展の際に、上腕と前腕の角度は最大180°となりますね。
しかし自分の腕で試してみると、ほんの僅かではありますが、肘を反らすことが出来ます。
身体の柔らかい方なんかは、目に見えて反らせたりしますよね。

引用元
https://girls-bb.com/index.php?%E5%A5%B3%E5%AD%90%E9%96%A2%E7%AF%80%E3%81%A8%E9%87%8E%E7%90%83%E8%82%98%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF

先ほど、インパクトでは肘が伸びているように見えるだけで伸びきってはいないと述べました。
何故伸びきってはいけないのでしょうか?

右手首の怪我についてで書いたように、肘も同様で、伸びきってインパクトを迎えると、必要以上の力が一点に掛かるからです。
サーブではインパクト後に、プロネーションと呼ばれる動作が行われます(前を向いていた掌が返り、手の甲が見える状態)。
完全に伸びきり肘を反らした状態でインパクトを迎えると、本来行われる筈のプロネーションが起きづらくなり、加速したラケットによって手首が上方向に伸ばされ利き腕全体が一本の直線になり、ラケット+加速分のテンションが加わり、これ以上伸びないのに伸ばされるストレスが肘に掛かります。

サーブは右利きの場合、ラケットは右斜め上へと振り抜かれるため、挙手した腕に右斜め方向の力が発生しますね。
手首が上方向の力を受けたため、残る右方向の力が反らされた肘一点に加わることになります。
肘を逆くの字へと曲げようとする力です。

その結果として、一瞬曲がらない方向へと無理矢理曲げられた感覚が、肘が抜けるようなものとして伝わるのだと思います。

テニスは本来、全身をしなやかに使い、それによって生まれた力をラケットへと無駄なく伝えることが重要なスポーツです。

間違っても身体のどこか一部に多大な負担を負わせるというものではありません。

ではどうすればいいか?

対策として考えられるのは、肘をニュートラルの角度つまり180°以下に収めるというものです。

しかし言葉でいうのは簡単なのですが、そもそも肘が抜けるようなインパクトを行っている人は、前提である打点やスイング方向、トロフィーポーズまでの流れ、手首の形などが間違っている可能性が高いです。

今回の投稿で対策として言えるのは、自分なりに肘の角度を180°以下(極端に曲げるという意味ではない)にして素振りをしてみる、ということくらいです。

申し訳ないですが、直すべき箇所が多すぎて書ききれないので、一旦この結論にしておきます。

終わりに

テニスの技術の中でも、サーブというのは最も難しいものだと思っています。
一つのアドバイスによって、一朝一夕で解決したりするものではありません。

まず正しいグリップでラケットを持てているか?
そんなところから確認しなくてはいけないです。

グリップを間違えている方は多いかなと、スクールを見ていても思います。
大体の方は、コンチネンタルグリップよりも厚く、女性の方だとセミウェスタンくらいも見ます。

長々ぐだぐだとここまで書いてしまったお詫びに、正しいグリップについてお伝えします。

引用元
https://news.tennis365.net/lesson/tokushu/back/back07_01.html

サーブの正しいグリップは、バックハンドイースタンと呼ばれるものです(画像ではイースタンと記載しているもの)。

今までのグリップを変えるというのは難しいことですので、最初はコンチネンタルかそれより少しだけ薄いくらいにすると上手く行くかなと思います。

厚いグリップで打っていた方は、恐らくこれで握るとボールが真っ直ぐ飛ばなかったり、ネットを越せなかったりすると思いますが、諦めずにどこで捉えればボールをコントロール出来るか考えていくと、少しずつ上手くなっていきますので。

それではこの辺で。

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