退職日
あっという間に退職日になった。
退職日こそ平穏にという願いも虚しく、
罵声が響き渡る庁舎。
そんな罵声に春を感じる公務員は多いのではないだろうか。
15分ほど喚き散らかし、業務妨害で警察に連れて行かれたおっちゃん。
この光景、何回見ただろう。
春が近い。
そんな日常の中、最後の最後に嫌いな人とのやりとりがあったり、辞めた後の人員配置等悲惨な状況を聞かされたりと、感傷に浸る間のなく、終了時刻となった。
後ろ髪を引かれることなく、前を向いて歩くことができたのは、良いところ、嫌なところ両方を見せてくれた今日のおかげだろう。
最近、「もったいない」という言葉をよく耳にする。
私はこの言葉があまり好きじゃない。
「もったいない」からは、他人の価値基準を押し付けられているように感じるからだ。
もったいないかどうかなんて自分にしか分からない。
だから、私はもったいなくなんかない。