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  • 批評と評論と考察と呼ばれそうなもの

    他者からみると主にアニメ・映画・文学・アートなどの批評と評論と考察と呼ばれそうなものです

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  • ideo の音楽作品リリースに伴う画像と短編小説

    私のレーベルからリリースされたideoの音楽作品へのリンクと関連する写真と短編小説です

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ideo 『神​無​月​− high school memorandums』

駅から向かう道沿いの月極駐車場に古いクラウンが駐車してある。懐かしいな、と隣を歩くYが言う。90年代のものだがオーナーが丁寧にメンテナンスしているのだろう整った雰囲気を車体全体が纏っている。塗料の質感が現行の車種とは違い、経年も伴い鈍く光っている表面が空間に気持ちいい。通ってた時も置いてあったっけ? んー…無かったと思う、でもこういうセダンに憧れたな……と遠い目をする。裏道の細い通学路自体はそんなに変化が無いようにみえるけれど、所々新しいアパートメントや家屋が建っている。更地

    • ideo 『長​​​月​​​− 1947​​​年​​​の​​​多​​​摩​​​川​​​、​​​教​​​会​​​の​​​室』

      2024年9月27日に運営するレーベル CUCURUSS より新作の音楽作品がリリースされました。 ideo『長月- 1947年の多摩川、教会の室』 長月− 1947年の多摩川、教会の室 戦禍でも家は焼けなく少年は兄に手を引かれて歩いていた。太陽が南から周って来る頃に、路の右も左も光が南の空から落ちて来る頃に。トタンや木の板の燻んだ屋根と壁の背の低い建物が並んでいて、大きな通りに出ると川の方までずっと見渡せた。蜃気楼がたつような、三輪自動車のたてた土煙のカーテンの向こう

      • 柴崎友香「ポラロイド」とロバート・フランク 「アメリカ人」

        清里フォトミュージアムでロバート・フランク生誕100周年記念展「もう一度、写真の話をしないか。フランクと同時代の写真家たち」(会期2024年7月6-9月29日)を観た。ロバート・フランク(1924-2019)はスイス生まれで1947年にアメリカに渡り「アメリカ人(写真集 初版 仏版 『Les Americains』1958)」に代表されるように、旅をしながらスナップショットで彼の地の人々や光景を写した。 「アメリカ人」の米国版ではジャック・ケルアックが序文を書くなど同時代のビ

        • ideo『葉月- idiot dance』

          本日2024年8月31日に運営するレーベル CUCURUSS より新作の音楽作品がリリースされました。 ideo 『葉月- idiot dance』 ideo is ideo is ideo 葉月- idiot dance 君は夜の帳が下りた頃、ガサガサと葉や樹々を言わせて僕にその姿を見せたね。ライトで照らしたけれど音で君の姿が捉えられただけで、何処から来たのかは分からなかった。体の芯から興奮して身慄いしたのと、生の息遣いと足音が枝を砕いていた。そのあと、地上で何

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        記事

          ジャガイモの花 2024/6/9〜6/11

          6/9 6/10 6/11 6/12

          ジャガイモの花 2024/6/9〜6/11

          「上手くなりたい!」『セロ弾きのゴーシュ』(1982)と『響け!ユーフォニアム』(2015)

           以下の文章は、2016年に発行された同人誌『ビンダー4号』「特集:高畑勲」に寄稿したものの編集前の元原稿である。  高畑勲特集号の中で、個別の作品解説を書く項があり、私は『セロ弾きのゴーシュ』を担当した。その際に、当時放映されていた『響け!ユーフォニアム』の第一期とのシンクロについて書いてみた。30年の時を経て、「音楽についてのアニメ」のいわば「継承」について書いてみた、ともいえるかもしれない。昨今の、楽器演奏や音楽が主題として取り入れられたアニメの隆盛を思うとなんだか感

          「上手くなりたい!」『セロ弾きのゴーシュ』(1982)と『響け!ユーフォニアム』(2015)

          岩倉博『吉野源三郎の生涯 平和の意志 編集の力』 (2022、花伝社)を読む

          吉野源三郎と言えば児童小説『君たちはどう生きるか』の作者であり、その作品が宮﨑駿監督作の映画の発想の元になったことでその名も改めて周知されることになった。改めて、とあえて記述したのには意味がある。本書を読むと第二次世界大戦後の日本社会において、吉野がいわゆる進歩的知識人・言論人・編集者・作家として歩んだ生涯の足跡の大きさ、もっと言えば偉大さを感じる。しかし、私自身は宮﨑監督作を観るまでは、これまで特に吉野自身に注目したことはなかった。不勉強ではあるが、1981年にその生涯を閉

          岩倉博『吉野源三郎の生涯 平和の意志 編集の力』 (2022、花伝社)を読む

          畠山直哉×大竹昭子『出来事と写真』 赤々舎(2016)

          対談集である。2015年6月26日に行われた第六章では、故郷陸前高田の震災後を写した写真集『陸前高田2011−2014』を畠山氏が出版した直後に行われた対談が掲載されている。この対談の中で、被災地の写真に対して「美しい」や「きれい」という感想を持つことについてどう捉えるかが議論されている。この議論を読んでいて、新海誠『すずめの戸締まり』のひとつのシーンを思い出した。芹澤という登場人物が震災後のとある場所を訪れた際に「こんなにきれいな場所だったんだな」と述べ、それに対し主人公の

          畠山直哉×大竹昭子『出来事と写真』 赤々舎(2016)

          日記2024/2/10

          朝6時起床、7時前に家を出て小田急線に乗り登戸で南武線に乗り換えて二駅目の稲田堤で降り、徒歩で京王線の駅まで行き府中へ。徒歩での乗り換えがショートカットになり早めに着いてしまったので、府中駅周辺を散歩する。土曜日の早朝だからか人の出も少ない。8時半頃にシアタス調布に移動して8時50分からの回の『紅の豚』を鑑賞。https://chofucinemafestival.com/films/98 毎年開催されている「映画のまち調布 シネマフェスティバル」ではスタジオジブリの映画を

          日記2024/1/30

          日記2024/1/30 小田急線に乗って新宿に行く。12時過ぎに着いて、そのままJR東南口にあるFlagsビルにあるタワーレコードに向かう。以前4フロアあったのが縮小されて、今は9階、10階の2フロアである。ビル自体もUNIQLO・GUが数フロア占めていてよく通っていた頃とは様相がちがう。そのままざっと9、10階のフロアを一周する。 9階の売り場のエスカレーターから入った直ぐの場所にチバユウスケさんのコーナーがある。 以前は特設だった店内ライブ等を行うイベントコーナーも大

          セル(2019/3/2)

          セル(2019/3/2)

          山3(2019/3/1)

          聖 地 巡 礼

          山3(2019/3/1)