見出し画像

Netflixの有料会員数は1億3900万人

1億3900万:有料会員数。2019年は全世界で2900万人が新たに加入する見込み。
10%:同社の推定によれば、Netflixは米国のスクリーン視聴時間の約10%を占める。(1日あたり推定約10億時間)

日本人全員が有料会員になってもまだ足りない数がNetflixの有料会員数になっているというとその凄まじさが際立って聞こえるだろう。

ちなみに有料会員でNetflixと双璧をなすと考えられるのがamazonのプライム会員となるだろうがこの会員も1億人を突破している。ただまだまだ差をつけられているという現状である。

米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は18日、株主宛ての書簡を公表し、有料のプライム会員が世界で1億人を突破したと明らかにした。

DIGIDAYの記事の中で、ネットフリックスを指揮するCEOのリード・ヘースティングスは「フォートナイトが競合」「睡眠が競合」と明言している。

これがやはりリードの優れたビジネス感覚と正しいマーケットの理解ということになるだろう。

コンソールゲームの時間が多くのユーザーの時間を確保している時代、ゲームパブリッシャーはコンソールゲームのパブリッシャー同士で競争をしていた。

ガラケーが出てきてコンソールゲームに使われた時間は少なくなった。ゲームパブリッシャーは苦しくなり、ガラケー向けにコンテンツを提供するパブリッシャー( 当時はコンテンツ・プロバイダー(CP)といいましたよね)が力を持った。

スマホが出てきて時間がシフトし、CPが苦しくなり、アプリとゲームパブリッシャーが力を持った。

ここで言いたいのは、人間にとって時間こそが有限であり平等なものであり、重要な資源ということだ。そしてその時間の使われ方に注目して、競争環境を見なければ正しい意思決定ができないということなのだ。製品や売上のマーケットシェアは、時間シェアのシフトが起きたあとに起きる現象であり、結果であって、それを見てるだけでは、打ち手が出せない。

リードはこのことを正確に理解して、フォートナイトと睡眠を競合指定している。自分たちの眼の前の相手だけを競合としてみる経営者とは雲泥の差がある。

そしてそれことがNetflixという会社の野心の高さを物語っている。Netflixが人間に必要不可欠となるべく経営をしている。そうしなければこの勝負は勝てないと本気で思っているからこそでる発言だ。

Netflixは、競争の激化に対する懸念はないとしている。同社はすでに大量のオリジナル番組を制作しており、それらは有期ライセンス契約の他社作品を上回るパフォーマンスを見せているというのが、その理由だ。

結局はコンテンツが勝負であることはわかっており、ネットフリックスはそれこそ頭のネジが吹っ飛んだかの如くオリジナルに金額を投入してきた。この結果が、特定のコンテンツパブリッシャーに依存しないで生き残れる体力を作ったとも言える。

オリジナルコンテンツがなければ特定プラットフォームに依存することは起きにくい。サービスを使い始める理由でもあり、同時に使い続ける理由になるのが、オリジナルコンテンツ。つまり、獲得単価低減と、継続利用率向上のいずれにも効く施策というわけだ。

しかしながら、その2つに見事に効くためには、コンテンツの目利きが凄まじく重要。その目利き力が極めて重要であり、それは人間が行うしか無い。今のところは。だから、Netflixはこの人材を高く評価しているわけだ。

最高コンテンツ責任者のテッド・サランドス氏(54)に、50%の昇給を提示した。同氏の2019年給与は1800万ドル(約19億8700万円)となり、ハリウッドでも無類の高給を受け取るメディア界大物に仲間入りする。

テッド・サランドス
コンテンツ最高責任者
Netflixのコンテンツ最高責任者を務める。2013年、タイム誌の"世界で最も影響力のある100人"の1人に選ばれた。2000年からNetflixのコンテンツ取得部門を指揮。2013年には、「ハウス・オブ・カード 野望の階段」や「ブル〜ス一家は大暴走!」「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」を始めとする多数のオリジナルシリーズの配信開始とともに、Netflixのオリジナルコンテンツ路線への移行の指揮をとった。現在は、全世界のオリジナルシリーズとオリジナル映画の取得および制作を担当するチームを監督する。

当てるコンテンツをテッドが、それを用いたマーケティングをケリー・ベネットが行っているというこのコンビネーションが個人的にはNetflixのキモで、その方法論が優れているのだろう。

Netflixに学ぶことは多い。


いいなと思ったら応援しよう!