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池田守男『サーバント・リーダーシップ入門』

池田守男さんのサーバント・リーダーシップ入門を読みました。残念ながら2013年にお亡くなりになられておりますが、ご存命であればぜひお会いしたかった経営者であります。

いくつか気になるポイントをメモしました。

どうしても日々生きていると、自分が認められたい、なぜ自分が認められないのだと、自分を起点とした発想になりがちである。

そんなときは自分が相手に何ができるかを考える発想の転換が必要である。相手から感謝されること、相手から求められる存在になることは、自らが相手に何かをすることから生まれる。その結果、自分が認められる存在になるということになる。遠回りのようで、最も近い道が、サーバント=奉仕のスタンスを持つことである。

卑近な例でいえば、Twitterのフォロワーはどうしたら増えるのか?というものもわかりやすくて善いだろう。逆に、自分がフォローする相手をどう選んでいるだろうか?

不誠実で、嘘をつく、信頼のおけない人物をフォローするだろうか?奇をてらった発言、炎上発言を連発する人をフォローするだろうか?その場のいいねやコメント、リツイートはもらえるだろうが、フォロワーは獲得できないだろう。

自分のことを思ってくれている、信頼に足る人物であることを示す誠実さ、優しさをもった人をフォローするのではないだろうか?

肩に力を入れて、さぁ奉仕するぞではなく、サーバント・リーダーシップは自然な感情から生まれる。

自分が子どもに対して持っている思い、あるいは子どものときに自分の親がしてくれたことを、思い出してみてほしい。だれでも自分の子どもに対しては、無条件に、何かこの子のためになることをしてあげたいと思うだろう。それは子どもに尽くすという感情だ。
そして、その思いがまずあった後で、子どもがひとかどの人物に成長するよう、しっかり導いていかなければならないとも考える。

サーバント・リーダーシップを考えるときに、わかりやすいのは自分が親として子どもにどう接しているか。また、自分が親からどのように接してもらったかを思い出すことである。

そのことを相似形として自分の周りの人たちに対して発揮していくことから始める。

良い教師も、向学心に燃えている子どもたちには、「自分のすべてをかけて教えてあげたい」と思い、同時に「心ある社会人に育つように」リードしていくはずである。
このように考えれば、サーバント・リーダーは何も特別な世界の住人ではなく、私たちの身近な隣の人のなかにも存在するといえる。

ともするとサーバントとなることは難しいと考えてしまうが、そうではなく、自然にできる素地がだれにでもある。

一気に10覚えるのは大変だが、自らのサーバント・リーダーシップを振り返るとき、どの要素がどの場面で発揮されたか、それは有効に働いたのかを振り返る材料として用いるのが吉であろう。

イチローのお父様、宣之さんの書籍より。ここにもサーバント・リーダーシップが現れている。相手を信じて見守ること。それは親子であっても、上司部下であっても構造は同じだと思う。

子育てについて。子どもに2つの間でバランスをどうとるかを教えるのは親の役目。

企業のサイズに関わらず、中間管理職はとてつもなく重要。彼ら・彼女らがしっかり迷わず惑わず仕事ができていることが会社の成長を規定するといっても過言ではない。

聖書の一節。サーバント・リーダーシップの根幹をなす価値観ですね。

サーバント・リーダーシップを現場で発揮するために、自らの能力を高めなければならない。理想はよし、現実に落とし込む力もまた必要。自らの能力の研鑽を怠ってはならない。

企業姿勢。顧客に対して、家族や隣人と同じように接しているか。顧客に対して不誠実な態度をとっている人間がいたらそれはしっかりと指導せねばならない。そして何より、自らがそれを実践せねばならぬ。

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