格差社会の葛藤
わたしは儲け話的なものが苦手です。
理由は恐らく世代的なものと、ついでに遺伝的なものと両方。
お金の話が苦手な人にお金は巡ってこないそうで、さもありなんと納得してしまう、いつもカツカツの我が家です。
わたしの親もそうでした。資金を運用するなんて興味がないばかりか、お金を右から左に動かしてお金を増やすということを心底嫌っていました。
そんな親に育てられていると、資金運用とか投資とか、いわゆるお金を増やすことが素敵だと思えなくなります。そしてそんなことに一喜一憂しながら暮らしたくないと思うのです。
そういえば就活の時も、金融業や株関係の会社には一切手を出しませんでした。当時、そうした会社に就職すれば土日休みで安定した生活が約束されていたのですが、生産性を感じられない仕事はしたくなかったのです。
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わたしも夫氏も、バブルが弾けて氷河期に入るまでの執行猶予のような時期に就職したので、ある意味セーフだったというか、いまのところは生活できています。
わたし達は贅沢をしない代わりに、お金のことはそれほど考えずに、のんびりと生活をしてきました。でもそれはたまたま状況が許したからです。
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例えば、子どもに進路の相談をされる時が今後あると思うのですが、全く自信がありません。
大学では純粋に勉強したいと思うものを学んで欲しい。
将来の就職のこととか、収入のこととか、そんなことを考えずに、純粋に学びたいものを学んで欲しい。
と、いうのがわたし達夫婦の理想です。
けれど、そういう理想を子どもに伝えることに何となく恐ろしさを感じる時代になってしまいました。
労働者の非正規化が進み、ワーキングプアと呼ばれる人が増えました。
ダブルワークでようやく生活か成り立つ人も少なくありません。
貧乏人になりたくなければ、金持ちになれ、中間はないぞ、という格差社会。
贅沢なんかしなくていい、でもなるべくお金のことを考えずに心豊かに穏やかにのんびり生活したい。
たったそれだけのことが、特に女性にとってはとてもハードルの高い望みになってしまいました。
たとえ公務員になっても部署によっては、ある日まるっと民営化する時代です。
この仕組みの中でうまく生きていく道を探ると、お金に無関心ではいけないんだろうと思います。だけど、そんなこと云いたくないんです。
かといって、別のレイヤーで心豊かに生きる道を説くことも理想の押し付けであり無責任な気がします。
正直、親として子どもにアドバイスできそうにありません。
でも、きっと子どもの時代には稼ぐ方法も、お金との付き合い方も変わってゆくのでしょう。
わたしが子どもに教えてあげられることは、もともとあまりないのかもしれません。
自分が幸せだと思うなら
どんな生き方であろうと構わない。
生き抜け。
子どもに伝えたいことはもうそれだけです。
理想をあげたら、キリがないけど。
世界のどこでもいいから、
自分の居場所を見つけて
幸せに生きて欲しいと願うばかりです。
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