<3大革命>2019年が米国スポーツメディア業界にもたらしたもの
さて、2019年も11月に入り、いよいよ年の終わりが近付いてきている。
皆さんの2019年はいかがだったでしょう?
僕にとっては、17年がホップ、18年がステップ、19年が忍耐といった感じの年だった。20年がジャンプの年になると信じている。
さて、そんな自分に関わる前置きはさておき、年の暮れという事もあり、今年の米国スポーツ産業に大きなインパクトをもたらした3大事情を紹介したい。
1. 自動追跡カメラの普及
これまでも何度か自動追跡カメラの精度の高さとその有効性(コスト減、中継量増)については語ってきたが、今年は同技術に関して特に大きな動きがあった年と言える。
というのも、米国スポーツ放送局最大手のESPN社が自動追跡カメラを活用したスポーツ中継を開始したためだ。これまでは同カメラ大手3社とされるPixellot、Playsight、KeemotionはPOCやテストトライアルレベルでESPN社と協業してきたが、実装とまではいかなかった。それが今年多くの試合中継に実際に活用されるようになったのだから、驚きだ。
上記3社によって無人(会場内にカメラクルーがいない状態)で米国内で中継されるスポ―ツイベントの数も25万にまで伸び、今後も特にニッチ・マイナースポーツではこの流れが続くだろう。
2.スポーツベッティングの大躍進
昨年夏に米国最高裁の判決により実質合法化されたスポーツベッティングは、今年大きな飛躍を見せた。
現在では米国内の11もの州でスポーツベッティングが合法化されており、約9000億円(!!)もの取引量がそれら州内であったのだ。
合法化からわずか18か月でここまで産業が成長したのだから、来年以降どれほどまでに大きな産業になるかは想像がつかない。。
そして、スポーツベッティングの普及により、これまでスポーツに関心が低かった層、もしくはスポーツに関心はあるものの試合を見ない層がよりスポーツにエンゲージされるようになったとの調査結果も多く出ている(以下米国大手スポーツビジネスサイトご参照)。
3. AR がVRを超える存在に
ひと昔前までVRが次世代の視聴体験だ!とよく聞く事があったが、米国ではそのVRを追い抜いてARが次世代の新規スポーツ体験に寄与すると思われる。
特にARを簡易的に活用できるようした”ARKit"等の台頭により、いまでは世界中のスポーツファンがAR関連サービスにアクセスできるようになり、VRで必要となる大きなヘッドセットを着用する必要性が消えたのだ。
<ご参考/ARKit> https://developer.apple.com/augmented-reality/
このARの技術発展により、各スポーツリーグ・チームは新しいスポーツ中継の在り方を提供したり、より充実した試合観戦をファンができるようなっている。同技術をタイムラグなく提供する事を可能とする5Gの普及により、今後ますますARの普及は進むだろう。
<5G時代のAR活用事例については、以下スポヲタブログご参照>
VRは実試合体験(現場)からファンを追い出してしまうのに対し、ARはそれにより近づける、この体験が今後どのように進化していくのか今から楽しみだ。
~終わりに~
今回は2019年の3大注目スポーツメディアトピックを紹介させていただいたがどうだっただろうか?
これら事例が何か本邦スポーツシーンのより大きな飛躍のきっかけとなってくれれば幸いだ。
家徳
contact@sportajapan.com