「杜人」矢野智徳さんの大地の再生を体験しました。
映画「杜人」の 矢野智徳さんの、大地の再生講座に行きました。
中2の息子と小6の娘のお父さんとしては、休日はできるだけ家にいたほうがいい、と思いつつ、でも、これに行かなければずっと後悔するだろう、と思い、行きました。
矢野さんが発することばは、すべて体感をともなう素直なもので、同時にそのひとつひとつが、自然の理であるかのようでした。
空気は渦を巻いて、流線形に動きながら形を成していく。
とか、
木の形をそろえるのではなく、ふらつきを揃える。
とか、
8の字に切る。
大地を彫刻する、草を彫刻する。
とか。
なんというか、私がどこかで体感した忘れられない感覚と符合するのかわかりませんが、ひとつひとつが、そうか!と、思わざるをえない確信に満ちていました。
土に水を通す脈絡をつくり、大地の上と下とで水と空気の循環が生まれると風が流れはじめ、気持ちよい場になる、ということを、本や映画で頭では理解してましたが、この日の作業で、こういうことか、と、体感できました。
空気がよどんで、長くいるとつらかった場所が、スコップで穴や水路を掘り、風がとおるように草を刈るだけで、背中からスーッと風がそよぐようになり、それだけで、ワッと心地よくなりました。
土木って、ほんとうはたぶんこういうことだ。
力づくで、力学的に、大地を抑え込み分断しているあれは、いじめだ。(それで結局息苦しくなっているのは人だけどね(^_^;))
いままで、私は自然を風景としてしかみていませんでした。
それが、この講座を終えてから小野路の山をみたら、もしかしたらやりようがあるかも、と、関与できる対象としてみえました。
そういえば、杉の床を自分で敷いて、空間は自分で変えられる、とわかる前までは、空間は自分で育てるものではなく、買うもの、でした。
杉の床を敷くときには、大人も子どもも無心になるし、楽しい!と感嘆したりして、巣づくり本能が解放されます。
たぶん、人には、土を掘りたい本能もあるんじゃないでしょうか。
矢野さんは 、植物も動物もみんな本能的に土の中がよくなるように作業しているのに、 人間だけが先にエサを求めてそれに協力していない、と、いいます。
ああ、早く庭に穴を掘りたい!