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病室に犬が入れたらいいのに・・・を実現した話

入院してしまった友人が4匹の猫を保護してくれる人を探している。という相談から、猫も一緒に入院できる病院があったらいいのにね・・・と話していた。

そしたら、過去に犬を病室に連れ込んだ記憶が蘇ったので書いてみる。

犬は、子犬の頃、母が新宿のガード下で拾ってきたモモタロー。

母のパートナーが溺愛して育てて、立派な中型犬に育った。

そのパートナーが骨折をして入院をしたことがあった。70代で骨折で入院。毎日溺愛していた犬と会えないのを嘆いていた。

町の小さな病院での入院の日々。回診にくる院長に毎日犬の話をしていたらしい。もともと話好きな人で、年寄り百曼荼羅というくらい、同じ話をして人々を「話の餌食」にするのが得意な人だったから、きっと、お医者さんも何百回も犬の話を聞かされたに違いない。ある時、お見舞いに行くと「院長先生がこっそりなら犬を連れてきてもいいと言ってる」と言われた。それは、「連れてきてほしい」という歪曲表現だな?

私は人が望んでいることを、できるだけ叶えたいと思う性分なので、モモタローを彼に会わせる」というミッションを強行することにした。

とにかく中型犬なのでそれなりにでかいモモタローを、どうやって病室まで連れて行くか?

タオルケットを入れられるくらいの、ナイロンバックが家にあったのでそれに入っていただくことにした。病院の下まで歩いて連れていき、物陰でモモタローをナイロンバックに詰め込んだ。ふさふさした尻尾がピョンとバックの口から飛び出るのを押し込み、ファスナーを閉めた。

「ちょっとの間だけだから、静かにしてね。おじさんに会えるよ」とモモタローを説得して、ナイロンバックを肩から担いで、両手でしっかりと底を押さえる。

「しっ!動かないで!」

病院の受付の前を満面の笑顔で、会釈して通り過ぎ階段を登る。

・・・重い。モモタロー15キロくらいあるか?肩にバックの紐が食い込む。いきなりバックに詰め込まれたモモタローがうごめく。

病室に着いて、おじさんと感動の再開。ふたりは抱き合って喜んだ。

ミッション完了!

モモタローは無口な犬だったから、喜びで奇声を発することもなかったし、ウレションすることもない犬でよかった。

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うちにいる、こいつだったら、出会った瞬間に嬉しくて「ヒャウヒャウ!キャンキャン!」と犬語で喜びを表現するだろうから、きっと無理だな・・・。

ペットと一緒に入院できる病院。誰か作ってくれないかな・・・。

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