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FAT LAVA: Steuler【ライフワーク】

おはようございます。
今年はもう梅雨明けしたんですかね?というか、あったんですかね。というレベルの快晴。
雨が降らないと夏場の水不足も心配だし嵐のように振られても嫌だし、梅雨なら梅雨なりに降っておいてほしいものですね。

今日も西ドイツ時代の陶器において、その代名詞とも言えるFAT LAVAの作品を多く作り、その名を世界に知らしめたファクトリーを1つずつ掘り下げていきます。

Steuler(シュタイラー)

今日ご紹介するのはSteuler。
JasbaやJopekoのあるRansbach-Baumbachの隣町、そして昨日ご紹介したDümler & Breidenと同じHöhr-Grenzhausenに位置するSteuler。
ここまでくるとRansbach-BaumbachとHöhr-Grenzhausenは、もう完全に笠間・益子の関係性と全く同じ。(100%主観)

ファクトリーの起源

1917 年にGeorg Steuler(ゲオルグ・シュタイラー)によって設立される。苗字がそのままファクトリー名になる、王道だけどドイツの陶器界隈では珍しい由来の仕方。
1948 年から 1982 年まで、Theo Homrich(テオ・ホムリッヒ)がSteulerの責任者となり、その間彼はエナメルの開発に心血を注いだ。
また、この釉薬に加えてCari Zalloni(カリ・ザローニ)による魅力的なデザインが加わり、60 年代、70 年代に芸術的に頂点に達する。
Steulerは1959 年末まで赤茶色の粘土で花瓶を製造していたが、1960 年以降白い粘土が使用され製造されている。このため、 1960 年に大量生産に切り替わったと考えられている。
1994 年から 1996 年までの期間、The Tonart Ververs(トナート ヴァーヴァース社)によって製造されるも1996 年にはその事業は消滅。
Steulerは現在もHöhr-Grenzhausenでタイルや合成管砂や耐火システムなどの工業製品を中心に製造し、室内用タイルなど生活用品のタイルをSteuler Fliesen GmbHが1984 年からSteuler社から独立し、今日まで存在しています。
(Jasbaの製品も扱っていてなんだかほっこり)

Steuler ウェブサイト

Steuler Fliesen GmbH ウェブサイト

Steulerの特徴

Homrichがエナメル開発にこだわったため、Steulerの製品はざらざら素材に加えて、つやのある光沢の美しい製品が多いのも特徴。


また、眼鏡デザイナーとして有名なオーストリア人Cari Zalloni(カリ・ザローニ)による、Zyklon(サイクロン、渦巻き模様)、Facette(ファセット、何段にも層を重ねたデザイン)、Çontinua(ソンティヌア、円盤がいくつも浮き上がるデザイン)シリーズを展開し、Steulerの名は広く知れ渡り大きく成長。今なおSteulerを代表するシリーズになっている。

Zyklon
Facette
Çontinua


Homichは1982年に辞任する直前に、彼は著名な陶芸家Heiner Balzar(ハイナー・バルザール)に一連の陶磁器のデザインを命じた。このアイデアに従って、Balzarは 9 つの花瓶、2 つの燭台、そしてお皿を含めたObjekte(オブジェクテ)というラインをデザイン。この際、仕上げに使用された 7 つのエナメル (溶岩、玄武岩、マグマ、キーゼル、トラバーチン、メルクール、グラフィット) は、Liesel Homrich(リーゼル・ホムリッヒ)によって開発され、1983年〜1986年に生産された。

Objekte

極めて狭いエリアに世界に名だたるファクトリーが点在していること、そして芸術性があるものの世代を経てその文化は生活に根ざしたタイルという形で人々の生活に今なお生き続けていること。
いくつものファクトリーを見てみると似通った道を辿るのを見て、時代の流れが見て取れるのは面白い。

僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。

皆様も、良い一日を。

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