Julio Le Parc@Ginza Maison Hermes【アート】
オリンピックが終わりを迎えパラリンピック開幕までの雨降る谷間の週末。
夏らしい七色の展示がGinza Maison Hermesで行われていたので見に行ってきました。
まずはそのファサード。
そもそもこの展示に興味を持ったきっかけは、このファサードを作成している途中を見かけたこと。作業されている方が工程を確認しているのを見て、その方からファサードだけでなく8/13からLe Forumでも展示があることを伺って、ファサードの完成と共に楽しみにしていました。
実際に作品展にお邪魔すると作品だけでなく、作品を作るまでの思考過程がわかるノートも作品と同じボリュームで展示されていて、Julioの頭の中を覗いている気分になれる。作品が出来上がる工程を因数分解する感覚が楽しめる、結果としての作品だけでなく、創られる過程とアイディアから掘り下げられる珍しい展示になっている。
原色をメインとして(正確には14色)カラフルな作品からとても本能的な印象を受けるが、制作過程は極めて法則的・機会的に色や形を並べた計算され尽くした作品になっている。だからこそ、一糸乱れぬ作品は見ていて底知れぬ安定感を与えつつカラフルな色合いで温かみを与えてくれる。
そして、色を光の反射として考えた時そもそもの光にフォーカスをしたこのシルバープレートの展示は一転とても無機的でフューチャリスティックなイメージに。これも風で一つひとつのプレートが回転してその動いて変わっていく表情はとても面白いので、こちらも是非見て欲しい。
夕日で微妙にオレンジがかってきたら見え方がまた全然違ってきそうなので是非見に行ってみたい。
そして、無彩色ではまた全く違う雰囲気の作品になる。
ポストモダン〜モダンな雰囲気で、Julioのアプローチは色に関わらず高い完成度を誇ることを証明している。
BlackベースからWhiteベースに変わるだけでもまた雰囲気がガラッと変わる。円と直線で組み合わせた幾何学的でアンバランスな構成もその構造を創る補助線を思い描く楽しみがある。
色と造形のコントラストとそのサイズで視覚的に楽しませてくれる上に、(ここでは伝えきれない)実際に風で動く展示もあるので、直感的に大人だけではなくて子供も十分に楽しめる展示になっているので、とてもおすすめです。
皆さんの、明日から始まる一週間が、日常の中にあるアートに一歩足を踏み出して楽しめる、そんな一週間になります様に。