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「なぜ、男性も女性もこんなに生きづらいのか?」一人でモヤモヤするだけではなくて、実際に行動を起こしてみた話。

#国際女性デーによせて

私は社会人になってかれこれだいぶたちますが(もうすぐ20年!ひえー!)
職場で「自分は女性である」と意識したことはありませんでした。
そう、育休を取るまでは…!!!!
育休取得を機に「ワーママ」と呼ばれるようになり、急激にモヤモヤが始まったのです。そしてそのモヤモヤの正体を、当時は上手く言語化できずにいました。

育休後の私のモヤモヤを、あえて言葉にするならこれです。

・子供が出来る前は、「働くのが当然」「毎日会社に行くのが当然」と思い、特に何も疑問も持っていなかった私が、育休後は、「私が会社に行く=その時間、子供は保育園に預ける」つまり、仕事と子供との時間を天秤にかけるようになったのです。
・その結果、せっかく子供を長時間預けてまで仕事をするんだから、思いっきり面白い仕事したいよね!と、育休後猛烈に「仕事の質」を求めるようになった私。
・それに対して、復帰後にアサインされた仕事は「負荷が少ないもの」。
当時の優しい上司や、周りの人たちが「子どもが小さいのに、責任の重い仕事を与えたらかわいそうだ」と配慮をしてくれたんだと思います。
・意欲満々で育休復帰した私としては、完全なる肩透かし。
・一方で夫は、子どもが出来たからといって、仕事も生活スタイルも何一つ変わらず…
・そんな仕事と家庭、両方にモヤモヤ…
・それに加えて、私にとって最もストレスだったのは、毎日全てが「未達」で終わること。「今日出来ることは今日のうちにやっておこう」タイプの私にとって、仕事を中途半端なまま切り上げて保育園に猛烈ダッシュ、帰宅後はアップアップしながら食事とお風呂を終え、本当は絵本でも読んであげたいのに、そんな体力もなく力尽きて、散らかり放題の部屋で倒れるように眠りにつく(気絶する)…という、仕事も育児も家事も全て中途半端な未達状態の毎日。
・その繰り返しで「私って仕事も家庭も全部ダメダメじゃないか…」と自己肯定感だだ下がり…いつの間にか、「私はこのままでいいんだろうか…」というキャリア迷子に。

と、長くなりましたが、語り始めたら止まらないくらい、母になって初めて、見えた世界があったのです。

これは私個人の問題か、それとも日本の社会課題なのか?

私は長いこと、一人でモヤモヤしていました。そのモヤモヤを上手いこと言語化したくて、様々な記事や調査レポートなどを読み漁ったのを覚えています。しかしどれもこれも「なんか違うんだよなぁ」という違和感だけが残りました。そして、中野円佳さんの『育休世代のジレンマ』を拝読した時には「これだー!」というビビっときた感覚がありましたが、調査対象は15名という、質的なもの。そうです、私が感じていた課題は、世の中的にはまだまだ可視化されておらず、個人が質的に、個人の経験談として語るにとどまっていたのです。
それは、課題感を持つ当事者としても、リサーチを手掛けるマーケターとしても放っておけない!と行動を起こしたのがこの企画。

これまで可視化されていなかった社会課題を調査レポートとして纏めました。

これまで質的にのみ語られてきた、上記のようなモヤモヤを数値データとしてしっかりと可視化することができたと思っています。そして、「なぜそうなっているのか?」の部分もしっかりと深掘りを行いました。ちょっとこの部分は、私が冷静な時に書いたこちらの文章を引用させてください↓
(今はこのnoteを書きながら、若干鼻息が荒くなっていますので(笑))

【既存の女性活躍関連調査との違い】

Ⅰ. デュアルキャリアカップルに焦点を当てていること
育児休業(以下、育休と記載)後も「自律的なキャリア構築をしながら自己実現のための仕事として働く」キャリア意識の高い男女を対象に、職場面・家庭面の双方から分析を行いました。また、これまで「女性活躍」が「女性側」の視点や事情でのみ語られがちだったのに対し、本調査では「男性側」の視点にも焦点を当てています。調査主体者が「育休後の女性に起こっていることは、妻側だけの事情ではなく、夫側の事情も大いに影響している」という問題意識を持っているためです。

Ⅱ. これまで質的にしか語られてこなかった「なぜ?」の部分を定量データとして可視化したこと
これまでの調査では、「マミートラックに陥っている女性:〜%」「女性管理職比率:〜%」「男性育休取得者数:〜%」といったファクト情報のみが語られ、その背景(なぜそうなっているのか?)は、個人の経験や感覚値など、質的なものとして語られてきました。本調査ではその背景を定量データとして明確に可視化しています。

【調査主体:XTalent株式会社、調査実施機関:株式会社Enbirth】

今回、調査をやってみて、「あぁ、やっぱりこう感じてる人は私だけじゃなかったかぁ」とか「あぁ、まさにそれそれ!」という感覚に加え、これまで自分でも気づかなかったような、ハッとさせられることがありました。
正直、仕事と家庭の両立問題は、これまで「女性側」の視点でしか語られていなかったように思います。しかし、「男性側」の視点で見てみると、気づかなかったものが見えてきました。
私の周りでも、生きづらそうにしている男性が山ほどいます。「大黒柱」である彼らは、一旦キャリアを緩めたり、「多様な働き方」といった選択肢も取りづらく、もしかしたら働く母よりも闇が深いかもしれない…とすら思った調査結果でした。

そんな感じで私は、調査をした後は、調査結果を眺めながら様々な考えを巡らせて、内輪のメンバーであーでもないこーでもないしゃべったりすることが大好きです。調査結果って、ただの数字データの羅列だけれど、それを見ながら個人の体験とか考えを語り始めた瞬間、一気にデータに血が通いだす気がするんですよね。そして、データと言えど、一人一人の貴重な声の集まりなんだよな、と急に重みを感じる瞬間でもあります。

さらに、イベントもやります↓

今回の調査結果は、一つ一つがものすごく濃くて、一つのテーマだけでnoteが長文で埋め尽くされてしまいそうなので、それはちょっと後日にとっておくとして…まずはイベントで、この調査結果について語ることになりました!しかも、マクアケの坊垣さん+Xtalent の上原さんという超豪華メンバーと一緒に!!

私にとって楽しいのはもちろんですが(笑)ご参加いただいている方たちにとっても、単なる調査結果の解説ではなく、「面白い・納得感のある・きっと前のめりになってしまう」内容になるかと思いますので、もしこの記事を見てくださって、少しでもビビっと来るものがあれば、是非お気軽にご参加いただけたら嬉しいです(無料です)。

蓋をしてきた自分のモヤモヤに、少し光を当ててみたら、色々なことな動き出した。

冒頭で書かせていただいたような働く母のモヤモヤ、こんなこと感じてるの私だけかな、公の場で言ったら良くないよね…とずっと自分自身に蓋をしてきました。しかし、きちんと言葉にしてみたところ、共感してくれる人が一人、また一人と現れ…そしてこんなに大きな調査やイベントにまで結び付きました。こうした貴重な機会をくださったXtalent の皆さまと、これでもかというほど調査分析に力を貸してくれたメンバーには本当に感謝しています。
今回のプロジェクトでは、無償にもかかわらず1,000人以上の回答と25社もの協力企業が集まりました。これが、「想いの力」なのか、とその大きさを嚙みしめています。

はじまりは、自分自身の個人的なモヤモヤでしたが、そんな小さな声も集まれば大きな力になること、そして、同じ想いや熱量を持った仲間たちと何かを成し遂げるということはこんなにも心動かされるんだな、と大きな価値を感じた調査でした。
そんな想いがこもったイベント、是非ご参加いただけたら嬉しいです!

ちなみに、こちらがXtalent上原さんのnote。個人的には、男性の視点でこういうことが語られるようになっただけで、日本も進化してきたな!と感じています(笑)調査レポートに関して、上原さん独自の視点で、とても分かりやすく解説してくれていますので、こちらも是非ご覧ください!


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