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「あの人みたいになりたい」の深層心理

「みんなみたいに積極的に話せるようになりたい」
「自分の意見を言える人が羨ましい」
「外向的になりたいって昔から思っています」

誰かに憧れたり、誰かを羨ましく思ったり。

「私も○○になりたい」というフレーズは、カウンセリングセッションでもよく耳にします。

でも、そう言っている表情がどこか浮かなくて、苦しそうにすら感じることもあって。「羨ましく思う気持ち」には複数の意味が隠れている気がして、私なりに分類してみました。



【「あの人みたいになりたい」の深層心理4パターン】
①好奇心(楽しそうだと思う気持ち、興味がある)
②切望(純粋な目標や憧れの気持ち)
③羨望(ずるい気持ち、抑えている願望を叶えている人への羨ましさ)
④恐怖(嘘の切望、"そうならなければいけない"という怯え)


①好奇心
「あんなことができたら、人生楽しそうだよねー♪」
「なんだかあの人を見てるだけで元気になる」
「それ、楽しそう!私もやってみようかなー!」

②の「切望」ほど真剣じゃなく、軽やかな憧れの気持ち。相手に対して好印象を持っていて、自分と比較して優劣はつけていない状態。


②切望
「あの人みたいになりたい」という言葉が額面通りのパターン。尊敬の気持ちがベースにあって、心から自分もそうなりたいと思う気持ち。


③羨望

自分以外の人が持っている利益を恨みがましく思うこと。
その利益を自分も得たいと熱望する気持ちを伴う。
『感情類語辞典』より引用)

「空気を読まないで自分を優先するなんてすごいな(私も本当はわがまま言いたいけど我慢してるのに…)」
「いつも豪華な旅行をしてSNSにアップしてるの、嫌な感じだよねー(本当は私もそんな体験をしてみたいな…)」

①や②に比べて純度が下がって、「ずるい」「恨めしい」という気持ちが混じっている感じ。本当は自分もそうなりたいのに口では相手を批判・否定する場合もあるのが厄介なところ。
自分が我慢している願望を叶えていて、それが羨ましくて仕方ないから、なんか鼻について、気になっちゃうんだと思います。強がりや我慢をやめて、素直に「いいなー♪」と言えるようになれば、気持ちも変わってくるかもしれません。


④恐怖
「そうなりたい」と口では言っているけれど、心の奥底では「そうならなければいけない」と思い込んでいるパターン。

「みんなみたいに積極的に話せるようになりたい(話せるようにならないと友達ができない)」
「外向的になりたい(だって、外向的にならないと仕事で成功しないんでしょ?)」

"過去の何か"がきっかけで刻まれた思い込みの影響で、「そうなりたい」と言いながら「そうならなくて済むならそれがいい」が本心で、でも「そうならないとマズいことが起こる」という不安を生むカオス状態に。
アクセルとブレーキを同時に踏んでるから行動できず変化も起きない。だからどんどん苦しくなって自分を責めてしまうことも多いので要注意です。



①②は純粋で真っ直ぐな気持ち。言葉と気持ちが一致しているストレートでプラスのエネルギー。③④は苦しさ・我慢・恨み・劣等感がくっついてる。複雑に絡まってしまったマイナスのエネルギー。そんなイメージです。


【「あの人みたいになりたい」の深層心理4パターン】
①好奇心(楽しそうだと思う気持ち、興味がある)
②切望(純粋な目標や憧れの気持ち)
③羨望(ずるい気持ち、抑えている願望を叶えている人への羨ましさ)
④恐怖(嘘の切望、"そうならなければいけない"という怯え)

あなたが「○○みたいになりたい」「○○できるようになりたい」と口にするとき、4つのうちどの深層心理が眠っているのか、一呼吸置いて自分に問いかけていましょう。


「それって純粋な気持ち?それとも、本当は不安や怖さがある?」


自分で自分に聞いてあげるだけで、必要以上に色んなことを目指さなくてもいいことに気づいて、心がふっと軽くなるかもしれません。



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井上ゆかり
読書と手帳が好きなので、本や文具の購入に使わせていただきます♡