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国立科学博物館 宝石展 地球がうみだすキセキ(Ⅱ)
みなさん、こんにちは。
現在上野公園の国立科学博物館で特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』という展示が行われています。
私、本職はジュエラーですので、本日は誕生石についてのコラムを掲載いたします。
紫がたり 第四十二話 紅葉賀(一)は6月4日(土)に掲載いたします。
宝石展の構成は五部構成になっております。
第一章 原石の誕生
第二章 原石から宝石へ
第三章 宝石の特性と多様性
第四章 ジュエリーの技巧
第五章 宝石の極み
さまざまな宝石が展示されていて、石好きの方からジュエリーをお好きな方まで、充分楽しめる構成となっております。
ここで色々と紹介するのも限界がありますので、今日は誕生石について。
会場に置いてあった無料のチラシには『2021年12月に誕生石が新しく10石加わりました』とのことです。
63年ぶりだそうで。
誕生石のルーツは聖書であると一般的にいわれています。
旧約聖書の「出エジプト記」でモーセの兄であった祭司長アロンの胸当てには12石の宝石がはめ込まれていたそうです。
また、新約聖書「ヨハネの黙示録」に描かれた12個の宝石が誕生石の基礎ともいわれています。
新しく加わったのは・・・
2月 キャッツアイ
3月 ブラッドストーン、アイオライト
4月 モルガナイト
6月 アレキサンドライト
7月 スフェーン
8月 スピネル
9月 クンツァイト
12月 タンザナイト、ジルコン
キャッツアイというのは正式な石の名前とは少し違います。
一般的に「キャッツアイ効果」の現れた石ということです。
内包物によって猫の目のような筋がでるものですね。
画像はクリソベリルのキャッツアイ効果の特性を持つ石、ということになります。
ですからブルーサファイアやルビーなどにもこうした特性を持つものもあり、珍しいところではローズクォーツキャッツアイやアレキサンドライトキャッツアイなども私は見たことがあります。
そしてもうひとつついでに加えますと、アレキサンドライトはとても稀少な宝石ですが、太陽光とそれ以外の灯りの元では色が変わるというミステリアスな特性を持っています。
太陽の元では青緑色、電灯などの元では赤紫色。
二面性が魅力の宝石です。
誕生石をさりげなく身に着ける、というのもなかなかオツなおしゃれですね。
明日は『宝石展』で展示されていたジュエリーを紹介させていただきます。