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サービス☆記事 令和版 誕生日別 和のお守り文様 2月2日<白蛇文>

令和版 誕生日別 和のお守り文様
 
令和の日本では西洋の文化が定着し、日本人特有の寛容さから異文化の祝い事なども生活の一部となり、それが当たり前のこととなっております。
それゆえに我が国特有の文化や文様が思い返されることが少なくなりました。
しかしちょっと考えてみてください。
さまざまにアレンジされながらも、その文化は脈々と受け継がれているのです。
たとえば昔からあった「瓜文様」。瓜科の植物は蔓草が繁茂する様子から繁栄の象徴とされ、手回りの道具や絵にあしらわれてきたのです。
現代では半分にカットされたスイカがデザインされた図案があるとしたら、これが昔通りの「瓜文様」ということになります。
文様にはそれぞれの意味があります。
366日のそれぞれにふさわしい文様を数秘術などから割出し、解説を加えたのが本書です。
季節にそぐって文様化された動植物、有職文様、渡来文様など、令和の時代だからこその文様も含まれております。
一年を豊かでラッキーに過ごすエッセンスとしてご活用ください。
 
暦について・・・
我が国は長い間太陰暦(旧暦)に従っていました。
太陽暦を取り入れると発表されたのは1872年明治5年11月9日。
実際に施行されたのは、旧暦明治5年12月3日を明治6年1月1日として開始されました。
太陽暦が当たり前の令和の我々には、旧暦はもはや遠い存在ですが、一月ほども違うと季節もずれてくるというもの。
行事や季節感に違和感を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
 旧暦の季節区分
春 1月~3月
夏 4月~6月
秋 7月~9月
冬 10月~12月
 
新暦の季節区分
春 2月~4月(5/4までが春)
夏 5月~7月(8/6までが夏)
秋 8月~10月(11/6までが秋)
冬 11月~1月(2/3までが冬)
 
本書は新暦に則り、改めて令和版の『誕生日別 和のお守り文様』として発表させていただきます。
 
青木 紫

<2月2日生まれのあなたの文様>
 白蛇文(しろへびもん)
まさに、今年の干支!

白蛇

白い蛇が金運アップというのはみなさんご承知でしょうが、白蛇は七福神の一人・弁財天様の化身といわれています。
弁財天さまのルーツは古代インドの聖なる河の神様だということです。
白い動物はもともと霊性が高く、蛇が日本各地で水神として祀られているのは、やはり水性に深く根ざしているからでしょう。各地で伝わるお話では、白蛇は池や沼に棲み、人前に姿を現す時には見目麗しい美女というのが定番ですね。
平安時代のスーパー陰陽師・安倍晴明伝でも白蛇にまつわるお話があります。
 
しとしとと五月雨の降る、月も無い夜。
愛しい姫との約束を果たそうとする貴族が大きな橋を渡っていた時のこと。
牛車がふいに歩みを止めました。
隋身たちは何事かと松明の灯りで窺うと、笠を目深に被り、白い衣を纏った女がそこに佇んでおりました。
「何者か。尊き御方の行く先を阻むとは」
隋身たちは抜刀し、女の笠を跳ね上げました。
はらりと現れたその面は妖しくも美しく、すぐに人ではないと知れました。
「お願いの儀があり、罷り越しました。どうぞ、安倍晴明様を呼んでくださいませ」
訝しく思った貴族はすぐに安倍晴明に使いを出しました。
半刻(一時間)ほどすると、狩衣を纏った女が先導する車がゆうゆうと到着し、降り立ったのは安倍晴明その人。
妖しの女を見るやすぐに察したようで、
「殿、この晴明を呼んでいただいたのは賢明なご判断でした。この橋を渡ってはなりませぬ。あやうく御身に難儀がふりかかるところでございました」
「あなや」
貴族は晴明の助言に従い、橋を渡らずに邸へと戻りました。
翌日、晴明の進言でこの橋は十日の間、昼夜を問わず渡ってはならないと禁じられたのです。
そして十日目の宵、晴明がこの橋を訪れると、例の妖しの女は赤子を抱いて姿を現しました。
「晴明様、無事に生まれましてございます」
「まことにめでたい。親子で無事に旅立たれるがよかろう」
「晴明様には御礼のしるしにこちらを差し上げましょう」
女が晴明の左目にふと触れると、瞳のなかに青い炎が灯りました。
「これは青眼でございます。物の本質を見抜くのに役立つかと」
「これはありがたい。どうか道中ご無事で」
晴明が頭を垂れると、すでに女の姿は消えていたとか。
女の正体は千年をも生きる白い大蛇であり、数百年に一度の子産みの為に生まれた川に戻ってきたのでした。
お産をするのに橋の上を人や車が横行するのは障りがあるということで、晴明を介してお産が無事に済むまで人を寄せぬようはからってもらったという伝説です。
白蛇は人に訴えることがあると夢にたつといわれますが、願いが聞き入れられれば、金運や幸運を授けてくれるのです。そうしたわけで白蛇の夢は大変な吉夢となりました。

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