PT950マルチカラーダイヤモンドリング
みなさん、こんばんは。
令和源氏物語 宇治の恋華 第三十九話 恋車(一)は明日12月20日(水)から掲載させていただきます。
本日は本職ジュエラーのお話です。
巻頭のダイヤモンドリングですが、オーダーでお作りしましたリングです。
完全一点もののレアなリングです。
どこがレアかといいますと、ホワイトの大きい3石は58面体ではなく、多面体のカットが施してあります。
そしてまわりにあしらわれたカラーダイヤモンドはファンシーピンクダイヤモンドとファンシーイエローダイヤモンド、そして左から三番目上部のダイヤモンドはアーガイル特有のブルーダイヤモンドです。
中央宝石研究所のソーティングでファンシーヴァイオレットの評価が出ました。
(この評価は初めて見ました)
アーガイル特有のというのは、アーガイルのピンクダイヤモンドはブルーを噛んでいるものがよく見られます。
薄紅というよりは、薄紅紫、という感じでしょうか。
端的な評価はファンシーパープリッシュピンクなどとされますね。
ピンクダイヤモンドの色調はそれぞれですが、黄色を噛んだややオレンジよりのファンシーオレンジ―ピンクや茶色を噛んだファンシーブラウニッシュピンクなども存在します。
さて、ではこのヴァイオレット、どうした経緯で弊社にやってきたかといいますと、アーガイル産のメレーをロット買いした時にブルー系が多く含まれていたことがありました。
ロット買いはそのパーセルでいくら、で購入します。
サイズも気付けもカラーもバラバラです。
それを自分の目で簡易ソーティングして、購入するかどうするか決めるのです。
このロットではファンシーがつくピンクが多くあり、正式に鑑定機関でソーティングしてもらって商品化したというわけです。
目利きがないと損をする場合もあるということですね。
幸い私の主人はGIAのGGですし、日本の鑑定機関でも勤務していましたもので、目は確かです。
このロットでは他にもファンシーグレイッシュヴァイオレットなども含まれておりました。
では作りについて少しお話を・・・。
このプラチナリングは一点もの。
3Dデータを元に樹脂で原型を作成しました。
これまでですと、シルバー原型を制作し、そこからゴム型を切り、キャストするという工程になります。
その工程を縮めることができるという文明の進化ですね。
現在ファンシーカットのダイヤモンドのオーダージュエリーをまだまだ制作中です。
また次の機会に紹介させていただきます。