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国立科学博物館 宝石展 地球がうみだすキセキ(Ⅲ)

みなさん、こんにちは。
現在上野公園の国立科学博物館で特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』という展示が行われています。
私、本職はジュエラーですので、本日はジュエリーについてのコラムを掲載いたします。
紫がたり 第四十二話 紅葉賀(一)は明日6月4日(土)に掲載いたします。

宝石展の構成は五部構成になっております。

第一章 原石の誕生
第二章 原石から宝石へ
第三章 宝石の特性と多様性
第四章 ジュエリーの技巧
第五章 宝石の極み

さてさて、2回にわたり宝石(ジェムストーン)について書いて参りましたが、いよいよジュエリーの登場です。
研磨された宝石があらゆる枠にセットされてジュエリーとして完成するわけですが、現代人の我々にとって身近なアイテムといえば、リング、ネックレス、イヤリング、ブレスレット、ブローチと、まぁ、このくらいのものでしょうか。
宝石展では歴史的に価値のあるものから、技術を凝らされたものまで見所のあるジュエリーが多数展示されておりました。
ジュエリーのルーツは、権力者や支配層が持つ権力と富の象徴からです。
古代ファラオの副葬品などは最も古い部類に入るでしょう。そのように価値のあるものがたくさん展示してありました。

挙げるときりが無いので、会場で私が面白いと思ったものを紹介させていただきます。

まずは神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ3世のシグネット(印章)リングです。

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最高級といわれるセイロン(現在のスリランカ)産のブルーサファイアにフリードリヒ3世の横顔が描かれたインタリオ。
宝石に手が加えられているので、ジュエリーでもあり、芸術品ともいえるリングですね。

アール・ヌーヴォー ブシュロン作 ダイヤモンドとルビーのバタフライブローチ

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アール・ヌーヴォー最盛期の宝石の巨匠、フレデリック・ブシュロンの手によるものです。

胸部分は鮮やかなルビー、腹部分のマーキス型のダイヤモンドはローズカットのようになっております。
驚くべきは羽の部分。ダイヤモンドの羽なのですね。
フラットな原石を羽型にカッティングして羽の模様をエングレーブ(彫ること)してあります。
材料を集めるのも大変ですが、研磨の技術が素晴らしいです。


そして細工物として目を引いたのがこちら。
英国王ジョージ5世第一王女、ハーウッド伯爵夫人メアリー旧蔵 ゴールドのネセセール

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ネセセールとは裁縫具などの実用性を備えた宝飾作品のことです。
左から 糸通し、ハサミ、針箱、香水瓶 の四点セットです。
貴婦人の持ち物なので、ハサミなども小さいのですが、細工が繊細で素晴らしいです。

そしてやはりジュエリーといえばこちらでしょう。
ヘッドアクセサリーの最高峰「ティアラ」です。
こちらはイタリアのスピノーラ家の侯女テアの婚礼の際に作られたものです。

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品格溢れるティアラですね。
他にも多数のティアラが展示されておりました。

駆足で宝石展を紹介させていただきましたが、今月19日までですので、ご興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
一般料金 2,000円です。
当日券もあるようですが、インターネットでのチケット予約がオススメです。

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