サービス記事☆令和版 誕生日別 和のお守り文様 10月17日<麗糸柄>
令和版 誕生日別 和のお守り文様
令和の日本では西洋の文化が定着し、日本人特有の寛容さから異文化の祝い事なども生活の一部となり、それが当たり前のこととなっております。
それゆえに我が国特有の文化や文様が思い返されることが少なくなりました。
しかしちょっと考えてみてください。
さまざまにアレンジされながらも、その文化は脈々と受け継がれているのです。
たとえば昔からあった「瓜文様」。瓜科の植物は蔓草が繁茂する様子から繁栄の象徴とされ、手回りの道具や絵にあしらわれてきたのです。
現代では半分にカットされたスイカがデザインされた図案があるとしたら、これが昔通りの「瓜文様」ということになります。
文様にはそれぞれの意味があります。
366日のそれぞれにふさわしい文様を数秘術などから割出し、解説を加えたのが本書です。
季節にそぐって文様化された動植物、有職文様、渡来文様など、令和の時代だからこその文様も含まれております。
一年を豊かでラッキーに過ごすエッセンスとしてご活用ください。
暦について・・・
我が国は長い間太陰暦(旧暦)に従っていました。
太陽暦を取り入れると発表されたのは1872年明治5年11月9日。
実際に施行されたのは、旧暦明治5年12月3日を明治6年1月1日として開始されました。
太陽暦が当たり前の令和の我々には、旧暦はもはや遠い存在ですが、一月ほども違うと季節もずれてくるというもの。
行事や季節感に違和感を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
旧暦の季節区分
春 1月~3月
夏 4月~6月
秋 7月~9月
冬 10月~12月
新暦の季節区分
春 2月~4月(5/4までが春)
夏 5月~7月(8/6までが夏)
秋 8月~10月(11/6までが秋)
冬 11月~1月(2/3までが冬)
本書は新暦に則り、改めて令和版の『誕生日別 和のお守り文様』として発表させていただきます。
青木 紫
<10月17日生まれのあなたの文様>
麗糸柄(レースがら)
繊細なレースには長い歴史と変遷があるのです。
レースの発祥は2世紀~3世紀の古代エジプトにあるといわれています。
糸巻きに巻きつけた糸を編んでゆくボビンレースがボビンと共に出土しており(コプト遺跡)、王族や神官などの特権階級の衣服を彩るはなやかな装飾として珍重されました。
細い糸を編んで繊細な模様を織りだす作業は膨大な時間と人手、技術を要するものです。
そのことからこの装飾を身につけることは「富貴」「権力」の象徴。
遥か遠い地で生まれたレースが日本に伝わったのはごく最近と思われがちですが、その技術はアジアへと伝わり、奈良時代にすでに唐から我が国へもたらされているのです。
ニードル・レースの一種であるものが唐招提寺の宝物として残されております。
エジプトで発祥した後、中世ヨーロッパなどであらゆる手法によってさまざまなレースが誕生しましたが、同じように王族や貴族たちなどの身分高い人々の衣服の装飾として高価な金額で取引され「糸の宝石」と呼ばれるようになりました。
19世紀初頭、高価なレースが庶民でもリーズナブルな価格で手にすることができるようになったのは、機械チュールの発展により、手作りのレースに近い風合いのものが短時間で制作できるようになったことからです。それまで王侯貴族や聖職者しか身につけられなかった憧れのレースが身近なものとなりました。
近世で手作りのレースが見直され、注目されたのが1840年のこと。
イギリスのヴィクトリア女王の結婚式ではウェディングドレスとヴェールにボビンレースが採用されたことからでした。36人ものレース職人が一年半の歳月をかけて完成させました。その豪奢でありながら繊細なレースは当時の女性たちを魅了しました。そして機械製のレースが瞬く間に庶民たちに浸透していったのです。
昨今ではレースモチーフの包装紙や壁紙、ファブリックやカトラリー、レースプリントされた文具や小物が手に入りやすくなりました。
さりげなく「富貴繁栄」「立身出世」のモチーフを持ち歩くのもいいですね。
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