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廃材木に命を吹き込む仕事

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今日は廃材を利用して作ったビュッフェテーブルの話をします。
このゴロゴロと群れをなして横たわる木材は、もう20年近く使われずに廃材として眠っていた木材達です。
こんなに美しいのに、人目に触れる事もなく、いつの日か使う事があるかもしれないとひたすら倉庫の中で眠っていたお宝さんです。
勿体ないので、いくつかカフェのビュッフェカウンターに使う事にしました。

(残念ながらこの後、歴史的被害の2019年洪水に遭い、使用されたもの以外は何処かへ流れ消えてしまったのですが。)


まずはカウンターに相応しいサイズと厚み形から選び出し。
知り合いの腕の良い大工さんに頼み、これをどうにかカウンターにしたいので削ってくれないかと頼みました。
木の芯が曲がっていたり、厚みが違ったり、また余りにも大きい為機械に入れられず、相当厚みを整える削りに苦労した様ですが、とってもきれいにカウンターを仕上げていただきました。

そしてこのすごーく重いこのカウンターを支えるだけの脚はというと。
亡くなった叔父がその昔食堂で使っていた廃材が確か倉庫に眠っている事を思い出し、倉庫へ行ってみるとやはりスヤスヤと何年も誇りをかぶり眠っていました。
日に当たらず、倉庫の奥深くにゴミ同然な扱いを受けて。

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チャレンジは
*自然観を残し、スタイリッシュに見せる事。
*レストランのフォーカルポイントとなる事。
(フォーカルポイントとは空間に一つ芯の様な見せ場を作る事。その事により空間に強弱がつきバランスが生まれます。)
*古いウレタンをきれいに削り落とす事。
(落とさないと新しく綺麗に塗装できないのです)
*カウンターと脚に生じる不均等な凹凸を均等にする事。
*カウンターがズレ無い動かない事。(怪我防止)
*カウンターを取り外し可能にし、移動できる事。
*脚とカウンター上にコンセントの配線。
などなど。。課題山盛りですが、そこは何度も協議し、試行錯誤して頂いた結果。
こんな美しい木のテーブルに変身。職人さんの匠魂の賜物です。
大工さんもこれには誇らしげにご満足そうでした。

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後は、カウンターが動かない様に少々細工をし、電気配線用の穴をあけ、塗装。

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塗装中は吹き付け油性ウレタンを4回塗りして頂きました。
そして所どころにあったヒビ割れなどは補修屋さんの見事な腕で更なる進化を遂げ。
こんな素敵な自然観満載なテーブルとして生まれ変わり、毎日お客様の朝ご飯を美味しく見せる力持ちなお仕事をしています。

誰かにとって粗大ゴミでもほんの少しの想像力とそこに通じる技術と心意気でゴミだってレストランの主役同然に生まれ変われる。そんな事を思わせる制作でした。

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