待って待って待って!会いに行った
初めて彼女と言葉を交わしたのは2021年、私の講座で。おりもおりな自粛期間、もちろんPCの画面越し。
それから何期か講座を続けているうちに、他の受講生とはリアルで会うことが可能になった。この彼女を除いて。彼女=なおくまは、社会にも医学会にも病がほぼ認知されていなかった15年前に化学物質過敏症を発症してから、四苦八苦しつつほぼほぼ家の中で生活をしてきているのだ。
なおくまと出会い、知識と言葉だけではない化学物質過敏症を知っていき、自分の生活や周囲にある臭いに敏感になっていった。なおくまは麻酔も抗生物質も使えないどころか、誰かの塗ったオロナイン軟膏や封を開けていない洗剤で倒れてしまう敏感さ。家族の飲んだ薬品にも反応する。衣類はほんまもののオーガニックコットンのみ。
いつか会いたい、会わなきゃと思うものの、私に会って大丈夫?私の使っている洗剤、シャンプー、洋服、平気なんだろうか??そもそもIQOS吸ってるし、お酒飲むし?!とあれこれ考えた。
知人の何人かはなおくまと会っている。なら、可能性はあるよね、と思いつつも心配だった。
何年も前から無香料の肌に優しいシャンプー、固形石鹸、洗顔石鹸、洗濯・台所洗剤も超自然派な生活。猫もいるし香りのあるものはほとんど使っていない。とはいえ、部分的に使っている合成洗剤、化学薬品ゼロの生活ではない。
少しずつ、私が日々使うものから(どれほど気に入っていようが)化学的添加物が入っているものを可能な限り排除していった。果てはチューハイ、インスタントものも。※IQOSは無理だったけど
幸いなことに待って待って待っている間に、なおくまの症状は劇的に改善していった。いまなら大丈夫かも!な、その日が昨日だった。
久しぶりの小松空港。空港や機内にはたくさんの見知らぬ人がいる。柔軟剤や香水を使っている人もいる。みなさんに「今日、それやめといてくれます?」とお願いするわけにもいかないので私がなんとかするしかない。
服は小松空港で着替えるとして、マスクをし、ストールで髪と頭全体を覆う。服は足首隠れそうなワンピース。メガネ忘れたけどしかたあるまいと、機内ではストールで顔のほとんどを覆ってみた。怪しい。どこからみても怪しい。が、二度と会う人もいないはずなのでかまわん。
到着して到着口の向こうに座るなおくまとご主人のとむ夫さんを発見!トイレに急行、アワアワしながら早着替え。からの出口に向かい、ようやくですよ。ほんと、ようやく…
あ・え・たっ!
もうね、なんだかよくわからなかった。
ずっと会う日を心配しながら楽しみにしていて、きっと平気と思いながらドキドキして。リステリン使ったらあかんな、とか、日焼け止めもあかんとか。笑
そういう私のどうでもよい思考を吹っ飛ばしてなおくまが泣きながら駆け寄ってきて、「匂わないっ!」と言って思い切りハグ。うれしかった。会えてうれしかった。私に反応しなかったことも力が抜けるほど安堵した。
これほど会いたいと思ってもらえたこと、もうその気持ちの前には私のいらぬ心配いる心配、やったことやらなかったこと、ぜんぶたかがしれているし、どうでもいい。
待って待って待って、この瞬間を迎えられただけでいい。
楽しくてうれしい、それにそれに!美味しいが山盛りの一泊二日を終えて今日帰宅。なおくまがアップした私と会えたことを綴ったSNSを読んで夫が泣いていた。
会えた瞬間となおくまの泣き顔だけで心いっぱい。
なんだかようやく我にかえったようで、いまさら泣ける。
なおくま、ありがとう。
とむ夫さん、こうちゃん、れいこママ、くにおパパ、そら(猫)、横山工藝のみなさん、ごっちん、心から感謝です。
周囲に化学物質過敏症かもと思う方がいたら、ぜひこのサイトを紹介してあげてください。どう暮らせばいいか、家族はどうしたらいいか、そんなこともすべて教えてくれます。
なおくまの15年間に及ぶ試行錯誤と解決法がわかります。
追記。
今回初めてよそ様のニャンと仲良く浮気したので、そらの匂いを右手に残して帰宅した。「おい、ゴラっ!オマエ、どこで浮気したのかっ!」って、うちのニャンズに言われたくてさ。なのに、全く反応せずに甘えまくり。つまんないー!