翻訳者のつぶやき なんで私が『臓器収奪ー消える人々』を... その18
「日本は中国の臓器移植システムにとって、海外からの収入源として第1位だ」…本当だろうか?(...実に物騒な書籍の翻訳者になってしまいました。その経緯と本書の内容に関わる逸話や情報をお伝えできればと、ブログを書いています。)
(18)数字
【とにかくたくさん】
娘が小学生の頃、「327+258は?」と適当に3桁の数字を言って「暗算の練習」をしてもらおうと思った。……が、「いっぱ〜い!」という答えが返ってきた。間違えではない。同時に「わざわざ頭を使いたくないよ」というメッセージも受け止めた。
ワニブックス社のニュース・クランチで、9回にわたり本書『臓器収奪ーー消える人々』の抜書記事を掲載してくださった。その7回目は「日本語版に向けてのまえがき」からの抜粋で「中国での臓器移植ツアー売上第1位が日本人であるという事実」という表題だ。以下はその抜粋からの引用。
2016年の来日でもガットマン氏は日本からの渡航移植者の多さを主張していた。この部分のまえがきを翻訳をしながら私は思い悩んだ。これって証明できるのだろうか?日本の渡航移植に関する調査が2006年で止まってしまっている。結論としては「海外からの収入源として日本は第1位だ」を否定できる書類は存在しない。
【日本との関わり】
2016年10月のガットマン氏の来日は韓国経由だった。フライト調整などもあり、韓国の招聘者と一緒にガットマン氏と事前に交流した。そのとき、同年6月に発表された600ページにわたる調査報告書『中国臓器狩り/消える人々〈更新版〉』から「韓国に関する情報は翻訳しました」という報告を聞き「なんと良い考え!」と、こちらでも日本に関する情報だけを抜き書きした。
英語版と日本語版を作成し、同年12月に参議院議員会館で調査報告を発表するために来日したマタス弁護士と故キルガー元閣僚に手渡した。「ここまで暴露してくださりありがとうございました」とお礼の言葉を添えて。二人とも愕然とされていた。調査の段階でガットマン氏のように日本との関わりを意識されていなかったようだ。
マタス弁護士は「書き直すから」と言い残して日本を去った。数日後にこちらが用意した抜き書きとは比べ物にならない「日本」だけをハイライトした文書が届いた。それが『中国での移植手術の濫用と日本との関わり』だ。弁護士の資料とはこのように作成するものなのか、と大いに勉強になった。これを基に二人のジャーナリストの方、野村旗守氏(医療ではなく産業 恐るべき中国臓器狩り)と高橋幸春氏(中国の臓器狩りに絡む「日本」:医薬経済2017年1月15日号p.64-67)が記事にしてくださった。大きな一歩だった。
【証言】
そして本日、衝撃的な記事がメディアに掲載された。数年前「山口組系幹部もびっくり!」という題名でLiveDoorにアキレス腱を切られたドナーの話が掲載された。ETAC Japanのツイッターでリツイートしたが、数週間後に元記事は削除されたという経緯がある。同じ発信者だろう。1)日本人の渡航移植 2)犠牲者は法輪功 3)手術は失敗 という事実を、日本人が公に証言したことは初めてだと思う。
日本人の中国への渡航移植が金銭面で第一であったか、数字では証明できない。しかし、「いっぱ〜い!」とか「しらな〜い」とか「わかんな〜い」という回答でなく、真剣な調査、取り締まり、法規の改正が早急に求められている。
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前回のブログのあと、ワニブックスのニュースクランチで、抜書記事が2回出ました。
第8回 ウイグル自治区の収容所で "消える” 25,000人の行方
第9回 「母を返して…私の血液と腎臓を提供します」ウイグル人女性の叫び
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