見出し画像

小さい犬ほど難しい。

お世話になっている獣医さんと、信頼しているブリーダーさんから、それぞれ別のタイミングですが、同じ内容の話を伺ったことがあります。

画像1

「サイズが小さい犬ほど飼うのが難しい。」

私も、これまで多くの犬と話をしてきて、実際に自分も飼っていて、同じように思っています。

数多くの患者を診察してきて、沢山の犬と触れ合ってきた方もやっぱりそう思われるのだから、割合の問題ではありますが、この説は正しいでしょう。

もちろん小さくても穏やかさんもいますし、大きくてもシャイな個体もいますので、全てそうであるということではありません。

私はずっとサイズの小さい犬を飼ってきて、特に疑問を持たずにカニンヘンダックスを探していた時に、縁があってミニチュアのRiccaを迎えることになりました。

*カニンヘンとはドイツ語でウサギの意味で、穴ウサギの狩りのためにサイズを小型化したミニチュアより小さいサイズのダックス。
ダックスのサイズは、スタンダード>ミニチュア>カニンヘン。

画像2

Riccaは現在6.2㎏とミニチュアダックスでも大きめサイズです。

安定していて、本当に飼いやすい犬です。

彼女が来て、「ダックスってこんなに穏やかだったのね!」と改めて思いました。
最初に飼った犬もサイズこそ小さかったのですがミニチュアで、同じように落ち着いていて穏やかでした。

当時、Riccaのブリーダーさんからはスタンダードダックスを薦められました。

「静かでとても飼いやすいから」とおっしゃっていました。

画像3

元々あった犬種からサイズを小さくしていく過程で、精神面やエネルギー面でサイズとの整合性が取れなくなったことが、【育てることの難しさ】の一因としてあるのではと思います。

その小ささゆえに、人が犬として必要なことを経験させないことも要因でしょう。

何か困ったことがあっても大型犬と違って、小さい犬は抱いてしまえばその場は大きなトラブルにならずに済みますし、引っ張られても人が転ぶことはありません。

飛びついて、相手に怪我をさせることもないでしょう。

画像4

大型犬の飼い主さんは初めからシビアにトレーニングに取り組まれますが、私自身かつては本で読んだ程度の知識でしかしつけを考えていませんでした。甘かったと言わざるを得ません。

カニンヘンは実際にパピーの頃からエネルギッシュだし、ミニチュアに比べると断然落ち着きはありません。

それを面白いと思って、それに対応した育て方が苦にならないのなら、それで良いのです。

私はそういう犬も大好きです。

但し、小さくても野生的で、本能が強い個体が多いので、それを知らずに飼ってしまうと、犬も人も大変な思いをします。

この話は小さい犬全般に言えることで、バラエティ(サイズ分け)がある犬種に限ったことではありません。

犬であれば、サイズに関係なく運動やルールが必要です。

画像5

チワワも、トイプードルも、ポメラニアンも、れっきとした犬です。

そして「小さいサイズほど良い犬に育てるのは難しい」かもしれないことを、どうぞ知っておいてくださいませ。

難しいことを分かったうえで、それを楽しんでただきたいのです。

本来犬と暮らすことは楽しいことですから。

課題は一緒に乗り越えれば、素晴らしい経験となり、良い思い出になり、犬はもちろんのこと人も成長させてくれます。

画像6

小さいから容易に飼うことができると思わずに、犬種の作出目的や行動や性格の傾向をしっかり確認して迎えるなら、きっと素晴らしい犬生活が待っていることでしょう。


アニマルケアカウンセラー 高野 縁(たかのゆかり)
https://ameblo.jp/yukari-touchheart

いいなと思ったら応援しよう!