芸術文化と地方創生の可能性
新年度がスタートする2023年4月1日に佐世保市で行われた「市制施行記念式典~市政功労者表彰式~」へ出席するためにアルカスSASEBOを訪れました。
活動記録として、約8ヶ月間の取り組みをまとめてみようと思います。
地方創生や地元活性化の取り組みヒントになると幸いです。
SASEBO未来デザイン会議とは
昨年7月より始まった「SASEBO未来デザイン会議」(以下:若者会議)は15~38歳の約50人が「やってみたいこと」「私たちにできること」をテーマにこれからの佐世保を考えるプロジェクト会議。
イベントや観光、生活環境など関心のある分野でグループに分かれ月に1度のペースで集まり、議論を交わしてきました。
私は観光・情報発信グループに属し、ピアニストという視点で芸術文化と地方創生をテーマに「こうなったらいいな」というアイディアを提案していきました。
芸術文化と地方創生
私が提案したのはミュージックツーリズムを活用した球体型音楽祭の開催です。
堅苦しい言葉を並べると凄いことを提案してるかと印象になりますが…
簡単にいうと「もっと地元で音楽を楽しもうよ!」という提案です。
提案の背景
2021年に会社員を早期退職し、地元佐世保へ戻ってきました。
小学生の頃からの夢だったピアノ講師として音楽キャリアをスタート。
ありがたいことに講師に留まらずピアニストとしての演奏の機会を頂くようになりました。
しかし、実際に演奏活動をすると市内で行われているイベントに対する周知の低さや音楽進学の難しさを痛感。
「こんな素敵なイベントあるのに、みんな知らないのはなぜ?」
「自分が好きな仕事をするためには県外進学、就職が必要なの?」
私自身、高校進学の際に「公立進学がいい。音楽進学は現実的ではない。」と中学校や通っていた塾の先生に告げられた経験があります。
音楽進学は滅多にないことで、受験するまでにアクシデントも。
音楽進学がスタンダードだったらこんなことないのに…と思っていました。
しかし、近年は母校を含め、音楽を学べる高校や大学が次々に生徒募集を停止している状況です。
益々音楽進学ができる環境がなくなり、残る選択肢は県外進学だけという状況が迫ってきています。
そんな悲しい音楽の現状ではありますが、佐世保は可能性に満ち溢れていると信じています。
佐世保市は米軍基地もあることより、多様な文化を受け入れながら様々なイベントが開催されています。
中でも秋頃に開催される「YOSAKOIさせぼ祭り」は全国各地から3500人の踊り子が集う熱狂的なイベントがあります。
2022年は3年ぶりの現地開催ということで、学生時代に所属していたチームを応援に私も参加しました。
そこで感じたのは…
①コミュニティに戻れる安心感
数年間会っていない人であっても共通の話題があれば一瞬で当時のように戻れる感覚がありました。
この感覚を音楽などの芸術文化でも活用できないか?
コミュニティがあればもっと関心持ってもらえるのではないか?
という考えです。
②好きなことが同じだからこその熱気
「よさこいが好き」という共通点があれば全国各地から集まった人でも仲良くなれます。
そして、ライバルチームでありながらも演舞をリスペクトし、他チームに迷惑をかけないように配慮を配りながら全力でイベントを楽しむ。
佐世保の多様な文化を受け入れる風土と、人の温かさを芸術文化の面でも発揮できないだろうか?という考えより提案に至りました。
提案内容
上記でも記した通り、私が提案するのは音楽祭の開催です。
佐世保は全く音楽イベントがない訳ではありませんが、単発的なイベントが多く、集客も苦戦しているという声もありました。(個人感覚です)
そこで単発のイベントを集め、複数日程・複数会場での開催。
そこで音楽と観光を結びつけたミュージックツーリズムを活用しながら街の活性化を図ろうとする試みです。
ピアニストという立場から音楽祭を提案しただけではなく、
スポーツではなく、芸術文化というコンテンツを提案するのか色んなデータを集めました。
社会生活基本調査(2016)によると、趣味娯楽の動向が楽器演奏で3位、学習研究内容が文化芸術で2位という結果に。
しかし、10万人あたりの芸術家の人口は全国平均195人に対し、長崎県は123人。楽器人口に関しては、長崎県が最下位というデータも見つけました。
芸術文化への関心理解を広めるためには、観光資源も活用し、幅広いコンテンツで寄り添っていくことが現状を変える手段と考えました。
今回提案した「球体型音楽祭」は私が所属するコミュニティの運営者と参加者の関係性に感銘を受け、提案に至りました。
今まで、参加型がスタンダート(画像左)でしたが、開催コンセプトやコンテンツ選定までゼロから作ることにより、コミュニティ形成を図りながらマネジメント力を身につけることを目的としています。
イベント開催までの過程で生まれたコミュニティやマネジメント力を通じて、その他のイベント運営や次回開催のためのパワーとして持続可能な仕組みを構築。
また、若い世代に向けては運営に携わることで、県内就職や将来的な企業、UIターンに繋がり、シビックプライド(地元愛着)の醸成を目指します。
個人的には公共施設の予約方法がもっとスマートになり、環境整備が整うと仲間同士で音楽を楽しめるようになるのでは…?と思っています。
市長へ提言書提出
3月18日(土)に佐世保市役所にて朝長市長へ提言書を提出されました。
代表の5名が市庁舎活用、アーケード活用、環境整備など幅広いジャンルより、プレゼン発表が行われました。
最後に市長より提案内容についての講評をいただく時間が設けられました。
所属するチームが異なると、なかなか提案内容を知ることがなかったので、私自身も佐世保について新しい発見がある時間でした。
「三川内焼」と「佐世保独楽本舗」がコラボした特注品のマグカップを市長より直接いただきました。
在宅ワークの際に愛用しています。
代表として市の記念式典へ登壇
新年度初日の4月1日にアルカスSASEBO中ホールにて佐世保市制施行記念式典が行われました。
そこで記念イベントとしてSASEBO未来デザイン会議より、提言発表の時間が設けられ、代表者としてプレゼンの時間をいただきました。
演奏会でのステージは幼い頃から何度も経験していた会場。
いつもと違う景色と空気感…緊張しました。
短い時間で、全てのアイディアをお伝えすることは難しかったのですが、少しでも私の提案内容に関心持っていただけていると嬉しいな〜と思いながら会場を後にしました。
活動を通じて
私がSASEBO未来デザイン会議へ参加することになったのは、友人から誘われたことが始まりでした。
「私には関係ない。意識高い人が参加するものだ。」
正直、誘われた時は思っていました。
1回目の会議でも圧倒的な知識不足を痛感し、全国の事例や、長崎の現状など様々なデータを集めました。
それだけではなく、行政広報誌に目を通すようになり、街中を歩くと提案に反映させるために現状を把握しようという視点に変わっていきました。
参加メンバーは様々なバックグラウンドがあり、1人では難しいと思っていたことが、仲間が集うと実現が近づきそうと思える場面に何度も出会いました。
今回の提案ベースで終わることなく、今後も発信することで、実現させていきたいと思います。
私の拙い文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。
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