九州自然歩道一周の旅☆はじめの一歩☆
「いつか」の箱を開けました
2024.11.30-12.1
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人の時間は有限である。
「いつかやりたい」にそろそろ着手しなければ。
私はもう、人生のそんな時期に来ている。
ぐんま県境稜線トレイルを終え、次のロングトレイルを考えた時、心の奥の「いつか」という箱に入っていた九州自然歩道がむくむくと浮上してきた。九州をぐるっと一周する、総距離3,000kmのロングトレイル。調べれば調べるほど、自分の足で繋ぎたくなった。
3,000kmって、単純に考えても1年に300km進んだとして10年かかるわけで。
何年かかるの?
何回九州に行けばいいの?
ほらほら「いつか」なんて言ってられない。もう始めなきゃ!
ぐんまを共にした玉ちゃんは「私が断るわけないじゃん!」と快諾♡
社会人1年生で長崎転勤になった娘も「九州なんだから絶対一緒に行く〜!」
よしっ!メンツは決まった👍
九州自然歩道は、福岡県の皿倉山と鹿児島県の佐多岬を起点・終点に、半周ずつ西ルート・東ルートとある。
が、ワタシ達のスタートは長崎セクション島原半島。中途半端とも言える場所から始めようと思った理由は、島原半島が適当な距離とボリュームで取り掛かりやすいこと、長崎の娘宅からアクセスが良いこと、行程のイメージがしやすいこと、そして今一番行きたい所であること。
行動計画は、行程の大まかなイメージと情報を共有した上で、細かいコースタイムを玉ちゃんが作成。ぐんまの時と同じく、ルートはそれぞれの方法でトレースし、現地でその擦り合わせをしながら進んでいく。知らない土地の新鮮さと、地図上のイメージがピタリとハマっていく感じが、冒険の楽しさを倍増してくれる。
その中に、今回は能天気で好奇心旺盛な娘が加わって、3人のバランスは絶妙だった。
島原半島の南端、口之津港から北上していく。ルートのちょうど真ん中に雲仙普賢岳、平成新山が鎮座している。
小さな集落を繋ぎながら山の間を縫っていく道は、予想以上にトレイル率が高く、古道感満載。人がほとんど通ってないと思われる道も、道標は丁寧に置かれていた。
1日目:口之津港→高岩山→雲仙温泉(30.3km)
雲仙温泉を目指す1日目。
見所は特に無い、店も無い、人もいない。「ザ・日本の田舎」的な道を、見知らぬ地名を頼りに進んでく。
ワタシ達はこれを楽しいと思える人種だった笑。
1日目のクライマックス高岩山は、標高880m、片道40分程度の山だけど、巨岩がゴロゴロしていてなかなか登り甲斐があった。山頂には神社があり、一気に視界が開けた。海から歩いてきた景色が一望できて、めちゃ達成感☆
1日目の泊地である雲仙温泉は、威勢よく噴き出す湯けむりに包まれていた。紅葉に色づく山々とあちこちから猫。雰囲気良い♡
街の真ん中にある旅人向けゲストハウスTUDOIが本日のお宿。荷物を置いてお風呂へ。雲仙温泉公衆浴場だんきゅう風呂はめちゃめちゃ熱い温泉♨️目を閉じ、口をぎゅっと結んで、静かに体を沈める。全身真っ赤っか!その後はほっかほかで湯冷め無し。濃厚な温泉だった。
2日目:雲仙温泉→普賢岳→濱(唐比)〜最寄り駅 愛野まで
(36km)
2日目。4:50宿を出る。
真っ白に湧き上がる雲仙地獄の中をヘッデン点けてさまよう。見上げると満天の星空。
真っ暗な池の原園地は、よく見ると左右にぎっしりミヤマキリシマが群生していた。もちろん今は咲いていない。その季節になったらきっと圧巻の景色なんだろうな。
九州の夜明けは遅い。なかなか明るくならない山道を登っていく。
7:00仁田峠で日の出を迎えた。最高のロケーションだ。
ワタシ達もってるわぁ。
オレンジの朝陽が山の紅葉を照らし、辺り一面オレンジに染まる中を山頂目指して歩く。
雲仙普賢岳は標高1,483m。平成2年に198年ぶりの噴火活動が起こり、悲惨な災害をもたらしたのは記憶している。噴火は平成7年まで続いたそうだが、今は沈静している。当時映像で観たあの山に登っているのかと思うと感慨深いものがある。
標高1,000mを越えると、2日前に降った雪が残って凍結していた。雪は想定外だった。いろいろ判断しながら慎重に進み、普賢岳山頂へ。山頂は気温低く、風強く、長居はできず写真撮ってすぐに退散ww
普賢岳のお隣には、一連の噴火で新たに生まれた平成新山(1,486m)。日本で一番新しい山で、長崎の最高峰である。このお山が何ともカッコいい!
どこから見てもわかる特徴的な形で、テッペンからモクモクと白い蒸気を吐き出している。現在も警戒区域に指定されていて山頂には行けないのだけど、そばで見るとすごい迫力とエネルギーを感じた。
雲仙岳一帯の山域をずっと下っていく。登りより長く感じる下り。岩ゴロゴロ、えぐれたトレイル、足場悪く集中し続けなければならない。安定した場所まで来て、安堵した娘はしばし寝落ちww
九千部岳の紅葉した林道を抜け、千々石の集落に出る。千々石名物「じゃがちゃん」エイドに立ち寄り、元気チャージして、長い海岸線のロードへ。
これがまた図ったように夕陽のタイミング。またまたオレンジに染まるラストロード。
旧雲仙温泉鉄道の「濱駅」という石の駅看板が、今回の九州自然歩道の終点。長い距離を進んだようで、あっという間の2日間。
ここから九州自然歩道のルートを外れ、最寄り駅である「愛野駅」へ。
旅は終わり、電車に乗って長崎駅へ帰る。
今回進んだのは、九州一周3,000kmのうちのほんの60km。
あと2,940kmも楽しめる笑。
一生かけて繋ぐ道。
私はやっぱりロングトレイルが好き♡
次回この続きの旅は、2025年の夏が来る前に。
楽しみだな。
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