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真・不可思議刊行筆風録 5
割引あり
前書
4年前に有料設定した記事(今は無料)を、新たに書き直して再編し、また何本かの記事にまとめることにする。書籍の刊行までとその後、自費出版の体験記として、これから本を出そうという人の参考になればありがたく思う。
前回
9.最大最後のミス
初回校正とカバー&オビ案の検討、それらを終えたら作業もひと山越えて、残すは再校のみになった。初校を終えて返送したゲラがきちんと直されているかどうかをチェックし、もしさらなる修正箇所があるなら修正して、再度送り返す。著者側でできる最後の作業だ。といっても、修正・改稿は初校の段階で可能な限り済ませてある。事前に『その方がいい』といった旨の説明もあった。再校はそれでもなお気になるところがあった場合に手を加える、最終確認の意味合いが強い。
いちばん最初、校正紙とは別に印刷してもらったA4紙、そいつの手直しを経ての初回の校正。どちらの段階でもひたすら読み返し書き直しした。おそらく『不可思議短編集』という作品を最も多く読み返したのは私ではなかろうか? そのくらい読み込んだのだから、そうそう手直しする箇所も残ってはいまい。最後にもう一度、通して読んでみて問題なければ全作業が終了、あとは刊行を待つばかり……と、少しばかり力も抜けつつ、再び校正紙に目を通す。ページは順調に捲られていき、特に問題もなさそう――と思っていた、そのとき。
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